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管理職の戦後史

2026年7月14日 (火)

『管理職の戦後史』がHRアワード書籍部門に入賞したようです

Asahishinsho2_20260714092201 日本の人事部というところが毎年やっているHRアワードという催しがあって、2022年には拙著『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書)が入賞したことがありますが、その2026年の書籍部門に、『管理職の戦後史』(朝日新書)が入賞したようです。

https://jinjibu.jp/hr-award/prize.php#prize2

いや正直言って、『ジョブ型雇用社会とは何か』はかなり評判になったし、週刊東洋経済や日経新聞のベスト経済書とか中央公論の新書大賞にも入賞したので、まあそういうものかなと思いましたが、今回の『管理職の戦後史』は悲しいかなあんまり評判にもなっていないし、書評も少なく、新書大賞でも小熊英二さんがちらりと触れてくれただけで、いささか忘れられている感があったので、入賞というのは思いがけないものでした。

これで少しでも売れてくれればいいんですが。

 

 

2026年7月 2日 (木)

梅崎修さんが拙著『管理職の戦後史』を書評

H1 先日、神林龍さんが『改革者』5月号で拙著『外国人労働政策』を書評していただいたのですが、同じ雑誌の7月号で、今度は梅崎修さんがやはり拙著の『管理職の戦後史』を書評していただいております。まことに丁寧な書評で、有り難い限りです。

https://www.seiken-forum.jp/publications-top/reformer/

Photo_20260702132601

梅崎さんは、こう語ります。

 本書は、管理職に焦点を当てながら、戦後日本における雇用システムと労働法政策の間に生じた摩擦を描き出した歴史書である。
 管理職という観点を導入したことで、日本の雇用システムに内在する、変わらない「構造」が浮かび上がる。そして、その「構造」に対して労働法政策がいかに対応を迫られたのかがわかる。・・・

この「構造」とは、

・・・入社時点での区分がなく、多くの従業員に昇進可能性が開かれていることは、日本の男性労働者に広く支持されてきた。しかしその反面、管理職という存在を曖昧なものにした。著者は、この昇進競争の特徴について、「ヒラ社員から係長、課長、部長、経営陣と切れ目のない連続体をなしている日本の労働社会の特徴であったのです」(71頁)と表現している。この「上へ上へと続く連続性」は、多くの従業員を動機づけてきた一方で、管理職の定義を多元化してさまざまな混乱を生み出した。本書で描かれる混乱の例をいくつか挙げてみよう。・・・

と、本書で取り上げる各章のさまざまな出来事を簡潔に紹介していきます。

最後のこの評は、正直言ってそこまでのつもりで書いたわけではなかったのですが、まあでも内容がそうなってしまっているということなのでしょうか。

・・・我々が目指すべきは、「構造」の変更可能性を前提とした人事改革なのか、それとも宿命のような「構造」を前提とした人事改革なのか。本書は、その選択を読者に突きつける力を持っている。

Asahishinsho2_20260702133101

https://publications.asahi.com/product/25686.html

 

 

 

2026年4月14日 (火)

大内伸哉さんが拙著『管理職の戦後史』の書評で驚きの事実を・・・

Asahi2_20260414211401 大内伸哉さんがブログ「アモリスタ・ウモリスタ」で拙著『管理職の戦後史』を書評されているのですが、

https://lavoroeamore.cocolog-nifty.com/amoristaumorista/2026/04/post-ecc3cb.html

アネクドート(anecdote)が豊富で,濱口さんにしか書けない内容が多く,こうした記録を今後もぜひ残していっていただきたいと思います。

と評していただいて、有難いことです。

ところで、その先を読み進んでいくと、何と驚きの事実が明らかにされているではありませんか!

ところで,本書146頁で,「西宮市管理職員等職員組合」が1975530日に全国自治体で初めて結成されたという記述を見つけたとき(それは,松岡三郎が著書のなかで管理職組合の例として公務員の管理職組合しか挙げていなかったのは残念であるという文脈でしたが),胸に熱いものがこみ上げました。この組合は,私の父が立ち上げたものだったからです。・・・・

なんと、大内さんの御父君は日本最初の公務員管理職組合(正確にいえば管理職員のみによる職員団体)を作った方だったんですね。

日本労働法学会で最初に報告したテーマが「管理職組合」であったことも,まったくの偶然ではありますが,不思議な縁を感じました。・・・

この日本労働法学会のシンポジウムのことも、本書168ページにちらりと出てきます。

 

 

 

2026年3月18日 (水)

管理職多すぎやろ…「名ばかり管理職」が大増殖したホントの理由@ダイヤモンドオンライン

Asahi2_20260318075501 昨日に引き続き、ダイヤモンドオンラインに「管理職多すぎやろ…「名ばかり管理職」が大増殖したホントの理由」が載っておりますが、これも拙著『管理職の戦後史』(朝日新書)の一部を抜粋編集したものです。

https://diamond.jp/articles/-/385048

 日本的な「管理職」概念の特殊性をよく示している小咄から始めましょう。おそらく読者もどこかで耳にしたことがあると思いますが、大企業の部長経験者が面接に来て、「あなたは何ができますか?」と聞かれて「部長ならできます」と答えた……という小咄です。

これのどこが笑い話なのか?と欧米人なら聞くでしょう。

 ビジネススクールを出て管理職として働いてきた人が「部長ならできます」というのは、メディカルスクールを出て医師として働いてきた人が「医者ならできます」というのや、ロースクールを出て弁護士として働いてきた人が「法務ならできます」というのと、本質的に変わりはないはずです。

 しかし、日本では変わりがあるのです。なぜなら、日本の労働社会では、管理職というのはいかなる意味でも職種ではないからです。

 では日本型雇用システムにおいて管理職とは何なのか?その答えは読者の方が重々ご承知ですよね。少なくとも、上の笑い話をみておかしさが分かった人は知っています。・・・・・・

 

2026年3月17日 (火)

管理職ツラすぎるだろ…働き方改革の「生けにえ」になった課長たちのブラック労働残酷物語@ダイヤモンドオンライン

Asahishinsho2_20260317090201 ダイヤモンドオンラインに、「管理職ツラすぎるだろ…働き方改革の「生けにえ」になった課長たちのブラック労働残酷物語」というおどろおどろしいタイトルの文章が載っておりますが、これは拙著『管理職の戦後史』(朝日新書)の一部を抜粋編集したものです。

https://diamond.jp/articles/-/385047

働き方改革のおかげで、労働環境は確かによくなった。そのいっぽうで、制度の網からこぼれ落ちた人がいる。管理職だ。部下の残業を減らせと言われ、その分の穴埋めの仕事を行い、マネジメントも請け負う…。過労死しても決しておかしくない、管理職の現状とは?※本稿は、労働政策研究・研修機構労働政策研究所長の濱口桂一郎『管理職の戦後史 栄光と受難の80年』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。

 

2026年2月11日 (水)

新書大賞で、小熊英二さんが拙著を挙げてくれました

61dmvvzbzvl_sy522_ 毎年恒例の『中央公論』新書大賞。今回は、鶴見太郎さんの『ユダヤ人の歴史』『シオニズム』をはじめ、凄い力作が目白押しだったので、拙著如きが割り込む余地はないだろうなと思っていましたら、その通り、30位以内にはランクインしませんでしたが、「目利き47人が選ぶ2025年私のオススメ新書」の中で、小熊英二さんが拙著『管理職の戦後史』を挙げていただいておりました。

Oguma26

ありがとうございます。

2026年2月 7日 (土)

日経新聞書評欄で『管理職の戦後史』が紹介

Asahi2_20260207084701 本日の日経新聞の書評欄で、拙著『管理職の戦後史』(朝日新書)が1段ベタ記事ですが紹介されています。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO94256950W6A200C2MY6000/

 管理職は戦後から現在まで日本型雇用システムの重要な存在であり続けてきたが、その立ち位置は驚くほど変わった。働き方改革から取り残され、権限は乏しいのに残業代が出ない「名ばかり管理職」のイメージが強いが、終戦直後は労働運動の先頭に立って経営者を追及していた。最近では若者から「罰ゲーム」とさえ呼ばれるようになった管理職の波瀾万丈の歴史をたどり、その在り方を考える。

 

 

 

 

2026年1月22日 (木)

Assert Webで拙著書評

Asahishinsho2_20260122091101 「Assert Web」で杉本達也さんが拙著『管理職の戦後史』を書評されています。まずもって、

https://assert.jp/archives/13644

『ジョブ型雇用社会とは何か』などにおいて、欧米・アジアとは異なる日本の雇用システムの特徴を「メンバーシップ型雇用」と定義してきた著者が、今回はその日本型雇用システムにおける管理職の問題に迫った。通常の新書は200~250ページであるが、本書は340ページもある非常に分厚いものとなっている。厚くなったのは、著者が原資料を大幅に引用して、専門的な議論を紹介しているからであるが、そのため読み込むには若干苦しい。特に、ホワイトカラーエグゼンプションの部分は、規制改革会議や経団連の提言、労政審答申など、通常読む機会のない資料を多数紹介しており、経緯を把握するには便利であるが、かなり専門的ではある。

非常に分厚い」「原資料を大幅に引用」「専門的な議論」「読み込むには若干苦しい」等々、読まれた皆さんが共通に指摘される点で、仰るとおりですが、せっかくの資料をちゃんと紹介しておきたいと願ったからなんです。

とはいえ、中身に関してはご自分の経歴なども振り返りながらいろいろと感じるところもあったようで、各章ごとにこのように個人的な経験を踏まえて感想を述べられています。

2 女性管理職の時代

・・・1986年、私の所属組合でも人事課長との団体交渉が行われた。団交参加者は女性専門職の多い職場が中心だったが、そこに本部・総務課・会計課などの若手女性職員が多数押し掛けたのである。その日の朝、管理職の机を拭き掃除したり、お茶を出したりしていた女性職員が団体交渉に参加したのである。当時、キャリア職はもちろん、ノンキャリア職を含め、男性職員の95%は管理職に登用されて退職するといわれていた。一方、女性職員の管理職は専門職などのごく一部であった。人事課長は、団体交渉の場で組合の男性役員に対し、もし、女性管理職を増やすと、男性の管理職への登用は60%まで落ち込むが、それでもよいのかとつぶやいた。当時、団体交渉に参加した女性職員の多くが、いま定年を迎えたが、部長職・課長職で退職している。

3 管理職手当を要求した団体交渉

・・・1993年の団体交渉では組合側から管理職手当を要求した。当初、技術専門職の職場では、高度成長前期に採用した職員から順に管理職に登用されていたが、管理職のポストが限られており、年齢順にポストがあてがわれていた。いわゆるキャリア採用の団塊の世代が管理職の年代に差し掛かっていたが、管理職のポストがない、このままでは管理職にもなれないと不満を募らせていた。しかし、労働組合から管理職ポストを増やせなどとはいえない。当時、管理職は部長級のA級、次長級のB級、課長級のC級、課長級スタッフ職のD級に分類されていた。労働組合としては課長級スタッフ職D級の管理職手当相当を管理職年代に差し掛かった団塊の世代に配分せよと要求した。結果、D級管理職手当よりは若干手当額は低く、もちろん超過勤務手当はなくなるが、管理職ではなく組合員として処遇するポストが新設された。交渉後、人事課長は、これまでの人事管理に不備があったと組合役員に詫びた。

4 超過勤務

バブル期はともかく仕事が多かった。あるプロジェクトの担当として15億円の事業費を1人で抱えることとなった。当時、月150~200時間の超過勤務を行った。深夜1・2時、土日もないとなると少し体調も崩した。笑い話であるが、深夜2時にFAXを東京のある事業所に送って、今日の仕事はこれで終わりだと課員とともに帰宅した。翌日、FAXが返っていたので時刻を確認するとAM3の文字があった・・・

私的な経験としてはメンタルヘルスで休職していた職員が復職する場合が大変である。200人程度の本部と支所の人事を統括していると、人事課から10人程度の復職者の受け入れを迫られる。本人と直接会話することもなく、復職可能とする医師の診断書のみで判断せざるを得ない。復職後、月曜の朝に「今日は休ませて欲しい」という電話がかかってこないかどうかドキドキである。

先日、ある元職員と話をする機会があったが、元職員の退職理由は、時間外労働時間が月40時間を超えるにも関わらず、上司がそれを認めず時間外労働時間を削るように指示していたからだという。超勤時間を全て記入するよう通知されてから30年以上経つが、いまだに闇超勤が行われていることは実に嘆かわしい。採用者よりも中途退職者が多いとも聞く。職種によっては求人を出しても全く応募者がいない。元職員は退職後、士業を志して、今は士業で働いている。

というわけで、戦後労働史を生きてこられた方々にとっては、この話もあの話もみんな思い当たるところのあるエピソードなのではないでしょうか。

最後にこう締められているのは、著者としては大変嬉しい言葉です。

本書はどこから読み進めても非常に味のある構成となっている。是非、一読をお勧めしたい。

 

 

 

 

 

 

2026年1月16日 (金)

山下ゆさんの拙著書評

Asahi2_20260116230401 ネット書評家として名高い山下ゆさんが、拙著『管理職の戦後史』(朝日新書)を取り上げてくださいました。

http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/52428053.html

「メンバーシップ型雇用」「ジョブ型雇用」などの用語を普及させ、日本の雇用システムについてその特徴を明らかにしてきた著者が日本の管理職の問題に迫った本。
 以前の著者の本でも書かれていたことですが、日本だと中途採用の面接で来た中高年が「部長ならできます」と言えばそれは笑い話として消費されてしまいますが、欧米では当たり前の受け答えになります。「管理職」という職務がしっかりと確立しており、ビジネススクールでマネジメントについて学んできた人が就くポジションだからです。

 本書は、そんな日本の管理職の特殊性を戦後の歴史を紐解きながら探り、アメリカの影響を受けた労働法と実際の日本の管理職のズレと、そこから生まれるさまざまな問題を論じています。
 著者は複数のレーベルから新書を出していますが、同じ朝日新書から出た『賃金とは何か』と同じく、この新書もやや硬めで決して読みやすいとは言えませんが、「なぜ管理職が罰ゲームになってしまったのか?」ということがよく分かる内容になっています。

少し前のXでの短評でも言われていたように、「この新書もやや硬めで決して読みやすいとは言えません」というのはやはり確かなようです。

書いているときは、話の中身が結構波乱万丈で自分で書きながら面白いので、ついつい原資料を長々と引用してしまいがちになるんですが、そうすると一般読者にとっては読みにくくなってしまうんですね。

 冒頭にも書きましたが、資料や法令などで管理職の実態を浮かび上がらせようとするスタイルは新書にしてはやや硬めかもしれません
 個人的には今までの新書との重複を恐れずに、例えば、最後のほうのパワハラの話などを紙幅をとって論じたほうが多くの人が手に取りやすかったのではないかと思いますが、その代わりに日本の労働法と実態のズレといった部分は印象に残りました。
 本書は、日本の管理職の困難を歴史と法制度の両面から教えてくれる内容になっています。

まあ、パワハラの話はそれだけで一冊の本にできるネタでもあるので、むしろ、資料部分をもっと削るべきだったかな、と今は思っています。

 

 

2026年1月14日 (水)

日刊ゲンダイに拙著書評

Asahishinsho2_20260114124501 日刊ゲンダイに、拙著『管理職の戦後史』の短評が載ったようです。

https://www.nikkan-gendai.com/?p=news_detail&id=382789

 近年、働き方改革から取り残され、管理職として働くことが罰ゲーム化していると評されている。

 管理職の問題は今に始まったことではなく、1970年代にも人事労務管理上の大きな問題になっていた。不況の際に賃金カットや出向など真っ先に狙われ犠牲を受ける一方、この時代には管理職ポスト不足=管理職の過剰が企業人事にとって大きな課題になりつつあったのだ。さらにさかのぼり、1950年代には労働組合が管理職をつるし上げるような運動を展開した時期もあれば、終戦直後には管理職が労働組合運動の先頭に立って経営陣をつるし上げていた時期もあるという。

 戦後日本社会におけるそうした管理職の変遷をたどり、日本型管理職の特殊な姿を浮き彫りにする歴史テキスト。