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家政婦の歴史

2024年4月 7日 (日)

ひよ子さんの『家政婦の歴史』評@X

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20240407161201 X(旧twitter)で「ひよ子」さんが拙著『家政婦の歴史』を読んだ感想をアップされています。

 

2024年2月11日 (日)

小谷野敦さんが『家政婦の歴史』を取り上げてくれました

Neobk2941372 『中央公論』恒例の新書大賞。今回の第1位は今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』(中公新書)とのことで、私も読んで感心した本なので、もっともだとおもいます。以下30位までランキングが載っています。

https://chuokoron.jp/chuokoron/latestissue/

そして例によって「目利き49人が選ぶ2023年私のオススメ新書」では、目利きな人々がそれぞれにこれぞという5冊を提示していますが、わりと上位ランク入りしたのとは違う本が多く、今回は特定の上位の本を別にすれば、だいぶ票が割れたみたいですね。

さて、昨年はわたしも『家政婦の歴史』(文春新書)を出していますが、あまりにも周縁的なテーマであったために多くの読書人の関心を引かなかったと見えて、ランキングにはかすりもしていませんが、お一人だけこの拙著を取り上げていただいている方がいました。文芸評論家の小谷野敦さんです。

小谷野さんの拙著評に曰く:

2022年に、過労死した家政婦が「家事使用人」として労働基準法の対象から外れていたため、裁判に敗れた事件を発端とし、「家事使用人」の意味と、かつて「派出婦会」が労働基準法の適用対象であったのに、1948年にGHQの担当者コレットによって奴隷労働的なものとして禁止されたという複雑な法学的議論が展開されている。果たして家政婦は、家政婦紹介所に所属する労働者なのか、派遣された家庭に雇用された労働者なのかという法学のバグを、「女中」の歴史をからめつつ論述してゆく。法学者必読の書であろう。

正直申し上げて、文芸評論の世界で有名な小谷野さんに、ここまで内在的な批評をしていただけるとは思っていませんでした。分野的に近いはずの人々があまり関心を向けないのに、遠いはずの方に、それも「法学のバグ」という絶妙な評語とともに取り上げていただき、ありがとうございます。

もっとも、小谷野さんが挙げた本はいずれもランキングには入っていないちょっと変わったというか、世間の注目からかなり外れたテーマの本ばかりなので(『ポテトチップスと日本人』とか『ソース焼きそばの謎』とか)、わたしの本もそういう「ロングテールの掘り出し物」枠だったのかもしれません。

なお、この目利きの5冊の中には、褒めているのかどうかよくわからないのもあります。たとえば、斎藤幸平さんは岩尾俊平『日本企業はなぜ強みを捨てるのか』(光文社新書)を挙げているのですが、その説明に曰く:

アメリカ万歳みたいなビジネス書はもちろん嫌い。日本人もっといいところあるから自信持てというポジティブなメッセージは、わたしは日本型雇用が嫌いだから完全には同意しないけれど、納得感もある。いい意味で論争したくなる一冊。

なんだか、敵の敵は味方だから戦略上手を握るけれども、ほんとはお前は嫌いだからなッ、とうそぶいているみたいで、著者はどう感じたでしょうか。

 

 

 

 

 

2023年12月29日 (金)

「経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本」に拙著『家政婦の歴史』が

日経新聞の「経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本」に拙著『家政婦の歴史』がちょこんと入っておりますな。

経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本

年末年始のまとまった休みは、腰を据えた読書に絶好の機会です。著名なエコノミストらが選んだ良書の中から、2023年に本紙読書面で大きく取り上げた10冊の書評を紹介します。

Https___imgixproxyn8sjp_dsxzqo4236399020

ピケティ御大の『資本とイデオロギー』などそうそうたる名著群と並べていただいているのは、まことに有り難く思います。

Https___imgixproxyn8sjp_dsxzqo4236407020

 

 

 

 

2023年12月16日 (土)

アンコレさんが拙著を書評

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20231216175701 UNCORRELATED(アンコレ)さんが、ブログ「ニュースの社会科学的な裏側」で、拙著『家政婦の歴史』を丁寧に書評していただいております。

規制行政に関心がある人は読むべき『家政婦の歴史』

労働法とそれに関連した歴史的な話題を発掘整理している濱口桂一郎氏の新著(といっても出てから4ヶ月経った)『家政婦の歴史』を拝読したので、感想を記しておきたい。
私にとって家政婦はマンガやドラマの中でしか見かけない存在で、最初に題名を見たときはテーマがマニアックすぎだとお茶を噴いてしまったのだが、創作物の設定と現実のどこがどの程度乖離しているかという話題が好物なので目を通してみた。
内容はNHK解説委員室の濱口氏の「家政婦は『家事使用人』ではなかった」が要約になっているので詳しくは触れないが、GHQの偉い人が現実の細部、人夫供給業と派出婦会の違いをよく見なかったために、派出婦会で機能していた近代的な雇用制度が近世的な雇用関係を前提としたモノにされてしまい、家政婦に適切な労働者保護が与えられてこなかったという規制行政の歴史の話であった。GHQの偉い人が日本を去った後、制度の根本部分をこっそり改正すべきであったが、派遣労働の容認が大きな論点になってしまった余波か、緊急避難的な措置が永続的になったのが残念なところで、2022年のある過労死事件の遠因になる。・・・・・

 なお、本書での叙述の仕方についても、

ウェブでの話しと異なり、書籍の本書は小説や国会答弁などの引用もあって、江戸から明治、戦中から戦後の雰囲気が分かるように工夫されている。

と評価していただいています。

 

 

 

2023年12月 5日 (火)

逢見直人さんが『家政婦の歴史』を書評@『改革者』

23hyoushi12gatsu 政策研究フォーラムの『改革者』12月号で、元UAゼンセン会長の逢見直人さんに、拙著『家政婦の歴史』を書評いただいています。

http://www.seiken-forum.jp/publish/top.html

・・・・・著者は、裁判所が、家政婦は家事使用人に当たるので労基法の適用除外と単純に判断したこと自体が間違いであるとして、「家政婦の歴史」をひも解いていく。そこから「家政婦」という職業が労働基準法と職業安定法という二つの労働法の谷間で翻弄された驚くべき事実を知らされることになる。・・・・・

・・・・・家政婦をこの落とし穴から救い出す必要がある。

 

2023年11月 6日 (月)

視点・論点で「家政婦は「家事使用人」ではなかった」放送

本日のお昼、Eテレで視点・論点「家政婦は「家事使用人」ではなかった」が放送されました。
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https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/489102.html

昨年9月29日、東京地方裁判所のある判決が注目を集めました。家政婦の女性が寝たきり老人の介護と家事で1週間泊まり込みで働いた後、心疾患で死亡したのです。7日間の労働時間は、介護は31.5時間、家事は101.5時間でした。月換算すれば過労死基準を充足します。夫は労災補償を請求しましたが、不支給となりました。
その理由は「家政婦は家事使用人だから」というものでした。夫は裁判に訴えましたが、裁判所も同じ結論でした。

確かに、労働基準法第116条第2項には「この法律は、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、適用しない」と書かれています。家事使用人に労働基準法や労災保険法は適用されません。しかしながら、家政婦は本当に家事使用人なのでしょうか?誰も疑問を呈さなかったこの問題に、私は疑問を持ちました。

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というのも、今から76年前の1947年9月に労働基準法が施行されたときには、確かに家事使用人の適用除外規定は存在しましたが、それと並んで「派出婦会の派出の事業」が適用事業として明記されていたからです。派出婦とは、家政婦、付添婦など、まさに介護・家事を担う労働者のことです。その源流は、今から105年前の1918年に、東京市四谷区で大和俊子さんという方が始めた事業で、夫の出勤後暇な主婦が他の家庭で主婦代わりに働くシェアリングエコノミーとして始まったのです。当時、『婦人之友』を主宰する羽仁もと子が絶賛し、同業者が続々参入して、瞬く間に女中代わりに使われるようになりました。
これに対し、家事使用人とは本来女中のことでした。しかし、封建的家父長的な雇傭関係を嫌がって、1930年代には、女中になりたいという女性が減少し、女中払底が世間の話題になりました。当時のノンフィクションや小説には、そうした姿が多く描かれています。派出婦は彼女ら女中にとって憧れの存在だったのです。
一方戦前には、やくざまがいの人夫供給業がはびこっていました。何々組の親分が、監獄部屋といわれる劣悪な宿舎に労働者を押し込め、厳しい肉体労働の報酬から何重にもピンハネし、借金漬けにして、徹底的に搾取する悪辣な事業です。当時の行政官は、「こんな連中は速やかに殲滅すべきだ」とまで批判していました。

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そうした中で、1938年に職業紹介法が改正され、新たに労務供給事業が許可制の下に置かれることになりました。その中身は、ほぼ6割が人夫、雑役、職夫といった男性型肉体労働、約4割が家政婦、付添婦、看護婦といった女性型対人サービス労働でした。いわば、殲滅すべき悪逆無道の人夫供給業と、女中にとって憧れの的であった派出婦会とを、同一の規制枠組に放り込むものだったのです。
終戦後の1947年12月に施行された職業安定法は、この労働者供給事業を全面禁止しました。当時のGHQの担当官コレット氏は、これを日本の民主化のための大改革だと考えていました。悪辣な人夫供給業についてはその通りです。しかし、これによってそれまでまっとうに運営され、女中の憧れの的であった派出婦会も一緒に非合法化されてしまったのです。とはいえ、家政婦や付添婦を求める社会の需要を満たさなければなりません。そこで政府は、職業安定法で認められた有料職業紹介事業に「家政婦」を入れ込みました。これにより、それまで派出婦会に所属していた家政婦は、一般家庭に直接雇われているということになってしまったのです。
その3か月前に施行されていた労働基準法では、まだ派出婦会が合法の存在であったので、「派出婦会の派出の事業」が適用事業に明記されていたのですが、その数か月後には「派出婦会」は違法の存在になり、家政婦は家事使用人扱いされてしまうようになったのです。しかし、本来家政婦は女中と異なり、家事使用人ではありません。労働基準法の制定経緯からしてもそうですし、政府が5年ごとに実施してきた国勢調査でも両者は別の存在です。家事使用人は、国勢調査では親族と並んで「住込みの雇人」として雇い主の世帯の一員として計上されますが、家政婦は別の世帯に属するからです。女中は女中部屋に住み込んでいる世帯員であり、そこが住所ですが、家政婦は(泊まり込みはあっても)「住み込みの雇人」ではありません。過労死した方は夫と夫婦世帯ですし、テレビドラマの「家政婦は見た」に出てくる市原悦子演ずる家政婦は紹介所の自室で猫と同居していました。
職業安定法によって、家政婦は派出婦会ではなく一般家庭が雇い主だということにされましたが、それは現実の姿とはかけ離れていました。

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職業紹介事業というのは、求人者と求職者をその都度マッチングして手数料をもらえばそれきりのはずですが、現実の家政婦紹介所は家政婦たちを宿舎に住まわせ、注文を受けては家庭に派遣し、終われば紹介所に戻ってくるという仕組みです。まさに戦前の労務供給事業であり、1985年に解禁された労働者派遣事業そのものです。ところが、一般家庭が雇い主であって紹介所は使用者ではないという虚構を維持するために、たとえば1992年の介護労働法では、なぜか紹介所に求職者に対する福祉増進措置が義務付けられています。
家事使用人扱いされたために労災保険が適用されなくなった家政婦のために、政府は労災保険の特別加入という制度を用意しました。建設業の一人親方のように、現場で作業を行う自営業者のための制度に、れっきとした雇われている労働者を入れ込むこと自体がおかしな話です。さらに、その保険料をだれが払っているのかというと、家政婦紹介所が紹介手数料に上乗せして一般家庭に請求しているのです。つまり、法律上の使用者である一般家庭が負担し、実質的使用者である紹介所が納入しているというわけです。何というねじれた制度でしょうか。実際加入率は高くありません。
さて、昨年の家政婦過労死事件判決を受けて、NPO法人POSSEは、ネット上で「家事労働者に労基法・労災保険の適用を! 1週間・24時間拘束労働で亡くなった高齢女性の過労死を認定してください!」というオンライン署名運動を展開しています。加藤前厚生労働大臣も、必要であれば労働基準法改正も検討すると表明しています。しかし、労働基準法第116条第2項を削除しただけでは、家事使用人とされている家政婦に労働基準法と労災保険法は適用されません。

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なぜなら、労働基準法第9条は「労働者」を「事業に使用される者」と定義し、「使用者」を「事業主又は事業の経営担当者」等と定義しているからです。「事業」でなければ、労働基準法は適用できません。その実態に反して一般家庭を雇い主とし続けている限り、労働基準法と労災保険法は適用できないのです。
労働基準法制定時の「派出婦会の派出の事業」を正面から認めない限り、紹介所という第三者によるその都度の紹介行為だという虚構を維持し続けている限り、彼女たちが救われることはありません。長年の虚構を捨て、家事・介護の労働者派遣事業であると正面から認めることが、彼女たちを救う唯一の道なのです。

 

 

 

2023年11月 3日 (金)

役人の性なのか(笑)

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20231103084401 読書メーターに、Inzaghicoさんの拙著『家政婦の歴史』への短評が載っているのですが、

役人の性なのか(笑)、規則や法律の条文が多く、素人は読んでいてクラクラしてくるが、冒頭と最後に著者の論旨が簡潔にまとめられている。そして不当な扱いを受けてきた、否、今も受けている家政婦を『「正義の刃」の犠牲者』と評している。戦前戦後の悪徳人夫供給業者を罰して正すという試みの巻き添えを食ってしまったのが、家政婦だった。彼女たちが、そのモデルが生まれた当初の派出婦会からの派遣、というままでいられたら、そんなことにははらなかった。

「役人の性なのか(笑)」と言われちゃいましたが、いやそれは否定しませんが、そもそも警視庁令派出婦会取締規則などというその存在自体が完全に忘れ去られていた代物を掘り出してきたので、それを皆様にご披露したいというのは、私はいち歴史研究者としての妄執といった方がいいと思われます。

14476_ext_01_0_20231103085101 ちなみに、今書店の店頭に並んでいる『週刊東洋経済』11月4日号に載った「話題の本」の最後のところで喋っていることですが、この本を書けたのは、国立国会図書館のデジタルコレクションがあったからなんですね。

『週刊東洋経済』11月4日号

――本書の執筆に戦前の公的文書から婦人雑誌まで資料を駆使しています。どう探したのですか。

 国会図書館のデジタルコレクションがあったからできた本なんです。所蔵資料がデジタル化されているため、「派出婦会」といったキーワードで全文検索できます。多くの資料は自分のパソコンで閲覧でき、館内限定のものでも申請手続きは簡単です。

 これまでは歴史の専門家でなければ調べる拠り所がありませんでしたが、掘り出せるようになりました。誰も関心を持たず、誰も覚えていない事柄を、何かの資料にちらっと描かれた断片を拾い上げて再構成できる。すごいことです。

 この本でひもといた家政婦の歴史には、労働の専門家も目を向けていなかった。そのような盲点はあちこちにあるのかもしれません。

 

 

2023年11月 2日 (木)

NHK視点・論点の放送予定

Y5p47z7yvweyecatch_d0ac288fb2c655ecbfc6d NHKの番組「視点・論点」の放送予定に、私の「家政婦は「家事使用人」ではなかった 」がアップされました。

https://www.nhk.jp/p/ts/Y5P47Z7YVW/schedule/

視点・論点 家政婦は「家事使用人」ではなかった

(NHKEテレ1・東京)11月6日(月)午後0:50~午後1:00(10分)

(NHK総合1・東京)11月7日(火)午前4:00~午前4:10(10分)

去年9月の東京地裁判決で、ある家政婦が介護や家事の長時間拘束で死亡した件について労災が認められなかった。なぜ法で守られないのか、その背景と今後何が必要かを語る。

 

2023年10月29日 (日)

「家政婦は見た!」には皆が気づかないズレがある『東洋経済』

Img_2a36e2806310eaa0c95f2bb6dc9992e21294 明日発売の『週刊東洋経済』11月4日号に掲載される「話題の本 著者に聞く」が、プライングで今晩東洋経済のサイトにアップされたようです。

聞き手は黒崎亜弓さん。

https://toyokeizai.net/articles/-/711081

──これまで「メンバーシップ型」「ジョブ型」と雇用システムを大きな枠組みで捉えてきた濱口さんが、ピンポイントで家政婦を取り上げるとは意外でした。

労働問題のメインストリームから見れば傍流のトピックかもしれません。でも自分としては、ジョブ型雇用について論じることと焦点の合わせ方が大きく違うとは思っていないんです。家政婦という存在は小さなものだけれど、その小さな穴からのぞき込んで見えてくる映像には広がりがあります。・・・・

 

2023年10月27日 (金)

『週刊東洋経済』11月4日号で「話題の本」に登場

14476_ext_01_0 来週月曜の10月30日発売の『週刊東洋経済』11月4日号で「話題の本」に登場しています。

https://str.toyokeizai.net/magazine/toyo/20231030/

|話題の本|『家政婦の歴史』著者 濱口桂一郎氏に聞く ほか

なお、11月6日、7日には、NHKの「視点・論点」にも出る予定です。

 

 

 

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