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家政婦の歴史

2025年1月 6日 (月)

国立国会図書館デジタルコレクションがなければ書けなかった本@『国立国会図書館月報』2025年1月号がアップされました

Geppo2501hyosi 昨年末にご紹介しておきました「国立国会図書館デジタルコレクションがなければ書けなかった本」@『国立国会図書館月報』2025年1月号が、国会図書館のサイトにアップされました

国立国会図書館デジタルコレクションがなければ書けなかった本

 2023年7月、文春新書から『家政婦の歴史』という本を出しました。これまでジョブ型だのメンバーシップ型だのといった雇用システムの話ばかり書いていたので、「妙な本を書いたなあ」と思われたようです。でも、読まれた方からはX(旧twitter)上で、「これはめちゃくちゃ面白い」とか「法の盲点を突く著作で面白かった」といった感想もいただき、ほっとしていました。とりわけ、労働研究者の本田恒平さんが「濱口さんの圧倒的な文献研究で、労働者供給の歴史の点と点が繋がり、霞が晴れていくような感覚。一見地味なテーマだけど、濱口作品の中で一番好きだった。一番震えた」と書いていただいたときは、うれしいと同時にこそばゆい思いが駆け巡りました。というのも、褒められた「圧倒的な文献研究」というのは、私が勤務する労働政策研究・研修機構(JILPT)の労働図書館の蔵書と、なによりも国立国会図書館のデジタルコレクションのおかげだったからです。・・・・・・

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20250106112101 本稿では、本書(『家政婦の歴史』)がいかに国立国会図書館デジタルコレクションのおかげに負っているかをいくつもの事例を挙げて述べております。

これを読んだ方々が、「なんだ、濱口みたいな奴でもデジコレを使えばもっともらしい本がかけるのか!そうだ、僕も私もデジコレを駆使して論文を書こう、本を書こう!」と思って頂けるなら、こういう楽屋話的なエッセイを書いた甲斐があるというものです。

 

 

 

 

2024年12月25日 (水)

国立国会図書館デジタルコレクションがなければ書けなかった本@『国立国会図書館月報』2025年1月号

Image0_20241225114001 本日届いた『国立国会図書館月報』2025年1月号に、わたくしの「国立国会図書館デジタルコレクションがなければ書けなかった本」が載っております。

https://www.ndl.go.jp/jp/publication/geppo/index.html (未掲載)

 2023年7月、文春新書から『家政婦の歴史』という本を出しました。これまでジョブ型だのメンバーシップ型だのといった雇用システムの話ばかり書いていたので、「妙な本を書いたなあ」と思われたようです。でも、読まれた方からはX(旧twitter)上で、「これはめちゃくちゃ面白い」とか「法の盲点を突く著作で面白かった」といった感想もいただき、ほっとしていました。とりわけ、労働研究者の本田恒平さんが「濱口さんの圧倒的な文献研究で、労働者供給の歴史の点と点が繋がり、霞が晴れていくような感覚。一見地味なテーマだけど、濱口作品の中で一番好きだった。一番震えた」と書いていただいたときは、うれしいと同時にこそばゆい思いが駆け巡りました。というのも、褒められた「圧倒的な文献研究」というのは、私が勤務する労働政策研究・研修機構(JILPT)の労働図書館の蔵書と、なによりも国立国会図書館のデジタルコレクションのおかげだったからです。・・・・・・

本稿では、本書(『家政婦の歴史』)がいかに国立国会図書館デジタルコレクションのおかげに負っているかをいくつもの事例を挙げて述べております。

これを読んだ方々が、「なんだ、濱口みたいな奴でもデジコレを使えばもっともらしい本がかけるのか!そうだ、僕も私もデジコレを駆使して論文を書こう、本を書こう!」と思って頂けるなら、こういう楽屋話的なエッセイを書いた甲斐があるというものです。

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20241225114501

 

 

 

2024年12月19日 (木)

定松文さんによる拙著猛批判

9_212x300 日本フェミニスト経済学会の学会誌『経済社会とジェンダー』の第9巻に、拙著『家政婦の歴史』の書評が載っているということに気がつき、早速読んでみました。恵泉女学園大学の定松文さんという方によるかなり長い書評なのですが、拙著とは問題意識が違っているからなのでしょうが、かなり激しい批判を頂いています。

濱口桂一郎著『家政婦の歴史』 定松 文(恵泉女学園大学)

全体の半分以上は拙著の内容説明に充てられていて、6ページ目から「本書の意義と問題点」の指摘に入ります。最初のところは、「 本書には家政婦に関する労働行政の資料をまとめ上げたという重要な功績があり、この点は高く評価すべきであろう」とか「労働行政史として参照すべき著書であることに揺るぎはない」とお褒めの言葉を頂いていますが、そこから猛然と批判が始まります。

 本書は「家政婦は本来であれば労基法の適用対象であった」という主張を行政の立場からまとめるものであり、その枠組みにおいては、家事使用人を適用除外のままとする仕組み、構造的差別が明確になったと読み取れる。しかし、フェミニストそしてジェンダー研究者としての視点から本書を読めば、家政婦を「家事使用人という烙印をおされ」(237 頁)という表現をしつつ、日本社会において家事労働者がかかえる労働問題をこのような帰着点においてまとめることには大きな疑問がわき、また憤りを禁じ得なかった

私の議論の仕方は、定松さんにとっては「憤りを禁じ得な」いようなひどいものだったようです。

それは具体的にはどういうことか?

第一に資料に関して家事労働分野に関する先行研究への言及がほとんど見当たらないことである。・・・

先行研究は、確かに女中と家政婦を分けて行政史を研究していないが、それは、派出婦/家政婦と女中とが区別できない存在であることをとらえる視点に、重要な意味があるためである。

これはまさに問題意識の違いなのですが、本来女中とは区別される存在であった家政婦が女中扱いされるようになったのはなぜなのかという問いが、今回の過労死事件を受けて私が追及した最大の問いなので、その両者が「区別できない存在」であるという視点こそが重要だと言われても、それでは私の抱いた誰も答えてくれない問いが全く無意味であると言われているに等しいと感じます。

 第二に、本書が上記のように家事労働を包括してとらえる視点に欠くことは、派出婦/家政婦と女中という二つのカテゴリーの区分化の背景を見るという点では効果的かもしれないが、それ以外のさまざまな家事労働者職の見落としにつながっている。

実は編集者とは、家事請負サービスや個人請負といったさまざまなビジネスモデルが出てきているのをどう扱うかという話もしたのですが、あくまでも今回の過労死事件判決の原因を探るという一点集中型の本にしたかったので、あれやこれやの話題はあえて取り上げませんでした。

 本書の議論の前提にあるのは、あくまでも労働基準法である。貫かれているのは、どのような雇用・業務命令関係の下にあるかによってしか労働者をとらえない視点であり、実際の労働内容については目が向けられない。

正確に言えば、労働基準法をはじめとした労働法制における女中と家政婦の位置付けの推移に焦点を絞っています。それがわたくしのエクスパタイズであり、それを超えた分野に下手に手を出していい加減なことを書かない方が良心的だと考えたからです。とはいえ、実際に本を読んでいただければ、さまざまな資料を使って「実際の労働内容」についても記述が盛り込まれていることは理解いただけると思うのですが、行政が作成した資料と新聞記事と同時代の小説の引用では、「目が向けられない」という評価になってしまうのでしょうか。

 第三に、本書には、国際的動向からみた家事労働者の位置づけについての議論が抜け落ちている。そのことは家事労働者の問題が人権問題であるということの認識の欠落を示しているといってよいだろう。

結局、今回の過労死事件判決をどのレベルで批判すればお気に召したのかということなのでしょう。なまじ労働法の実務の感覚に近いところにいると、余りにもそもそも論過ぎて裁判官から玄関先で一蹴されてしまうような高邁な議論だけが唯一正しい議論の立て方であって、裁判官が立脚している法理論体系それ自体の中に一蹴できないような矛盾を見つけ出し、そこをぐりぐりと追求する様な世俗的で泥臭い議論の仕方は「人権問題であるということの認識の欠落を示」すものであるという発想は、大変麗しく素晴らしいものであるとは思いますが、それのみが唯一の真理であり正義であるとまではいえないようにも思われます。

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20241219094901 定松さんの批判は大変身に染み入るところがあり、いろいろと考えるヒントも頂きましたが、結局のところ、はじめに書いたように、問題意識の違いというのは想像以上に大きなものなのだなあ、と感じたところです。拙著のような議論でこそ、今まで関心のなかったこの問題が「刺さる」人もいれば、全く逆に「憤りを禁じ得な」い人もいるということが分かったことが、最大の収穫であったと思います。

 

 

 

 

 

 

 

2024年12月15日 (日)

朝日新聞デジタル記事「勝率3%からの逆転 「勝訴したよ」家政婦だった妻へ9年越しの報告」に登場しました

本日、朝日新聞デジタル版記事「勝率3%からの逆転 「勝訴したよ」家政婦だった妻へ9年越しの報告」(杜宇萱記者)の最後の方に、わたくしのコメントが載っております。

勝率3%からの逆転 「勝訴したよ」家政婦だった妻へ9年越しの報告

Iii  「勝訴したよ。安心して」
 10月下旬、山形県遊佐町の海岸で、東京都の男性(77)は心の中でつぶやきながら、花束を海へ投げ入れた。20代の頃、何度もデートで訪れ、9年前に妻の遺骨を散骨した海。亡き妻への裁判勝訴の報告だった。・・・・

記事はこの事件の詳細を追っていきますが、最後のところでわたくしのコメントが載っています。

・・・『家政婦の歴史』を著した労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎・労働政策研究所長は、紹介所が事実上の雇用者であるにもかかわらず、使用者責任が一般家庭に転嫁されていることを問題視する。家政婦には特別加入の形で労災保険が適用される仕組みはあるものの、保険料を一般家庭と家政婦本人が負担するため、加入率が34.3%にとどまっている(23年)。「70年以上続けてきた紹介所制度は現実に合わない。家政婦の派遣事業所として再編し、使用者責任を明確に負うべきだ」と指摘している。

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20241215135401 もちろん、わたくしは歴史の話もいっぱいしたのですが、この事件に関する限り、こういうコメントになりました。

 

 

 

 

 

2024年11月20日 (水)

RENGO ONLINEで落合けいさんが『家政婦の歴史』に言及

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RENGO ONLINEに、落合けいさんが「今どきネタ、時々昔話」というコラム記事で、拙著『家政婦の歴史』にも言及されています。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/rengo_online/2024/11/20/4909/

ケア労働が「家庭の役割」とされている以上両立問題は解決できない。そして「ケア労働も労働である」と考えなければ、有効な過労死防止対策はとれないと思う。

それと関連するように思うのが、東京高裁で逆転判決が出た「家政婦過労死事件」(2024年9月19日)である。事件を知ったのは、濱口桂一郎先生が書かれた『家政婦の歴史』(文春新書、2023年7月)を読んでのことだ。「家事使用人」には労働基準法が適用されないと知って、またそれを理由に1週間泊まり込みで家事・介護にあたった家政婦の過労死が労働基準監督署でも地裁でも認定されなかったと知って、本当に驚き、無知を恥じた。事件の経緯や本質的な問題については、ぜひ『家政婦の歴史』を読んでもらいたいが、濱口先生は「長年の虚構を捨て、家事・介護の労働者派遣事業であると正面から認めることが、彼女たちを救う唯一の道だ」と訴えている。

こういう形で拙著を読んでくださる方がいるのを見つけると、とてもうれしくなります。

2024年10月 7日 (月)

朝日新聞社説が拙著『家政婦の歴史』に言及

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20241007064001 本日の朝日新聞の社説「家政婦の労災 労働者として保護せよ」は、タイトル通りの内容ですが、その中で拙著『家政婦の歴史』にわざわざ言及して、この問題の歴史的経緯について正しい認識を持つことを求めています。

(社説)家政婦の労災 労働者として保護せよ

Asahi_20241007064001   住み込みの女中は家族も同然。だから、自由に働かせてもいい――。そんな時代錯誤を許す条項が、労働基準法にある。速やかに改め、家政婦(夫)が労働者として保護されるようにすべきだ。

 2015年に、家政婦と訪問介護ヘルパーを兼ねていた60代の女性が急死した。休暇の同僚に代わり、7日間通しで個人宅に泊まり込んで働いた後のことだった。

 労働時間は計105時間、1日平均15時間に及んだが、労働災害の検討対象になったのは、介護をした31時間半だけ。残りは労基法が適用されない「家事使用人」としての仕事なので「過重業務」とはいえず、長時間労働による過労死にはあたらない――。労働基準監督署と東京地裁はそう判断した。

 だが、先月あった東京高裁の判決はこれを覆し、介護も家事も同一の会社との雇用契約に基づく一体の業務であると判断した。国は上告を見送り、判決が確定した。

 問題の根にあるのは、「家事使用人」には労基法を適用しないとする同法116条2項の規定だ。原告側は、社会的身分を理由とした差別などの憲法違反を主張したが、高裁判決はこの規定の解釈には踏み込まなかった。

 労基法制定時、この条項が主に想定していたのは、今では少なくなった「住み込みの女中」だった。ただ同時に、会社の紹介で個人と契約する家政婦も、同じ枠で扱われるようになった。

 『家政婦の歴史』を著した濱口桂一郎氏によると、大正時代に会社が家政婦を雇って家庭に派遣する事業が始まったが、敗戦後に労働者供給事業が禁止されたため、有料職業紹介の枠組みで生き残りを図った。「雇用主は紹介先の個人家庭」というかたちにして、「家事使用人」の枠に組み入れられたのだという。

 状況の変化や今回の訴訟を受けて、厚生労働省は、家事使用人にも労基法を適用する方向で具体的施策を検討すべきではないか、と提案している。規定の削除を考えるべきときだろう。

 ただ、労基法の適用対象になっても、雇い主が個人家庭の場合に、労災保険料の支払いや労働条件の順守を徹底できるのか、疑問も残る。

 今は介護も家事も労働者派遣が認められている。派遣先の家庭で仕事の指揮命令を受けている実態に照らしても、事業者に雇用される派遣労働者として労基法や労災保険の適用を受けるほうが、働き手の保護につながるはずだ。実態を踏まえ、時代にあった姿にしていきたい。

2024年9月19日 (木)

家政婦過労死事件で東京高裁が逆転判決

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20240919192701 拙著『家政婦の歴史』を書くに至る史料渉猟の出発点となった訴訟(国・渋谷労基署長(山本サービス)事件)の控訴審の判決が、本日東京高裁から出されたようです。

家事労働後に急死の女性、労災認める 東京高裁

家政婦兼介護ヘルパーとして住み込みで働いた後に急死した女性(当時68)の労災を認めなかったのは不当として、遺族が国に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁であった。水野有子裁判長は遺族側の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、労災にあたるとの判断を示した。

一審判決などによると、女性は家政婦あっせんや訪問介護を手がける会社に登録。2015年5月、寝たきりの要介護者の利用者宅で7日間住み込みで働いた後に倒れ、翌日に死亡した。

女性の夫は労働基準監督署に労災申請し、遺族補償の給付を求めた。労基署は家庭に直接雇われた家政婦は「家事使用人」として労働基準法が適用されないとする同法の規定を根拠に、労災と認めない処分をした。

この日の判決は、女性が会社の指示の下で家事と介護の業務を一体的に行っていたとして、会社との間で家事業務も含めた雇用契約を結んだと認めた。家事使用人には該当しないと判断し、不支給処分は「(規定の)適用を誤った違法なものと言わざるを得ない」と断じた。

判決文を見ないと、この記事だけではどういうロジックなのか必ずしも明確ではありませんが、原告側が主張していた家事と介護の一体説に立っているように見えます。家政婦はそもそも労基法上の家事使用人ではなかった、という私だけが主張している歴史的経緯に立った節を採用したわけではなさそうです。

 

 

 

 

2024年4月 7日 (日)

ひよ子さんの『家政婦の歴史』評@X

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20240407161201 X(旧twitter)で「ひよ子」さんが拙著『家政婦の歴史』を読んだ感想をアップされています。

 

2024年2月11日 (日)

小谷野敦さんが『家政婦の歴史』を取り上げてくれました

Neobk2941372 『中央公論』恒例の新書大賞。今回の第1位は今井むつみ/秋田喜美『言語の本質』(中公新書)とのことで、私も読んで感心した本なので、もっともだとおもいます。以下30位までランキングが載っています。

https://chuokoron.jp/chuokoron/latestissue/

そして例によって「目利き49人が選ぶ2023年私のオススメ新書」では、目利きな人々がそれぞれにこれぞという5冊を提示していますが、わりと上位ランク入りしたのとは違う本が多く、今回は特定の上位の本を別にすれば、だいぶ票が割れたみたいですね。

さて、昨年はわたしも『家政婦の歴史』(文春新書)を出していますが、あまりにも周縁的なテーマであったために多くの読書人の関心を引かなかったと見えて、ランキングにはかすりもしていませんが、お一人だけこの拙著を取り上げていただいている方がいました。文芸評論家の小谷野敦さんです。

小谷野さんの拙著評に曰く:

2022年に、過労死した家政婦が「家事使用人」として労働基準法の対象から外れていたため、裁判に敗れた事件を発端とし、「家事使用人」の意味と、かつて「派出婦会」が労働基準法の適用対象であったのに、1948年にGHQの担当者コレットによって奴隷労働的なものとして禁止されたという複雑な法学的議論が展開されている。果たして家政婦は、家政婦紹介所に所属する労働者なのか、派遣された家庭に雇用された労働者なのかという法学のバグを、「女中」の歴史をからめつつ論述してゆく。法学者必読の書であろう。

正直申し上げて、文芸評論の世界で有名な小谷野さんに、ここまで内在的な批評をしていただけるとは思っていませんでした。分野的に近いはずの人々があまり関心を向けないのに、遠いはずの方に、それも「法学のバグ」という絶妙な評語とともに取り上げていただき、ありがとうございます。

もっとも、小谷野さんが挙げた本はいずれもランキングには入っていないちょっと変わったというか、世間の注目からかなり外れたテーマの本ばかりなので(『ポテトチップスと日本人』とか『ソース焼きそばの謎』とか)、わたしの本もそういう「ロングテールの掘り出し物」枠だったのかもしれません。

なお、この目利きの5冊の中には、褒めているのかどうかよくわからないのもあります。たとえば、斎藤幸平さんは岩尾俊平『日本企業はなぜ強みを捨てるのか』(光文社新書)を挙げているのですが、その説明に曰く:

アメリカ万歳みたいなビジネス書はもちろん嫌い。日本人もっといいところあるから自信持てというポジティブなメッセージは、わたしは日本型雇用が嫌いだから完全には同意しないけれど、納得感もある。いい意味で論争したくなる一冊。

なんだか、敵の敵は味方だから戦略上手を握るけれども、ほんとはお前は嫌いだからなッ、とうそぶいているみたいで、著者はどう感じたでしょうか。

 

 

 

 

 

2023年12月29日 (金)

「経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本」に拙著『家政婦の歴史』が

日経新聞の「経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本」に拙著『家政婦の歴史』がちょこんと入っておりますな。

経済書2023 エコノミストが選んだおすすめ本

年末年始のまとまった休みは、腰を据えた読書に絶好の機会です。著名なエコノミストらが選んだ良書の中から、2023年に本紙読書面で大きく取り上げた10冊の書評を紹介します。

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ピケティ御大の『資本とイデオロギー』などそうそうたる名著群と並べていただいているのは、まことに有り難く思います。

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