働く女子の運命

2017年7月16日 (日)

「追い風」さんの拙著書評

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 「追い風」さんの「順風Essays Sequel」というブログで、拙著『働く女子の運命』への書評がされています。

http://oikaze.hatenablog.jp/entry/books-201707#働く女子の運命結婚と家族のこれから

学生時代、労働・社会法分野は将来最も重要になると考え、興味を持ち続けてきた。実際にそのとおり「働き方改革」など課題の中心となっているが、私が仕事としてこれらの問題に関わることができていないのは少し残念に思っている。もっとも、学生時代は直接的に自分自身に降りかかる問題ではなかったが、現在は家庭を築いていく上でまさに直面しているところであり、自分自身の問題として考えていくために購入した。

「自分自身の問題」と言われていますが、それに続いて書かれているのは追い風さんのお母様の話です。

戦前から時代の流れを追っていく部分では、10年ほど銀行勤めをし、過労で入院もしてそれでも働けないか病院までお願いが来たといった逸話のある私の母が、男性に較べて待遇が上がらないことを不満だったと話していたこととオーバーラップしてきた。私は男性であるが、女性と同様に家事を行って生活を組み立てていくのを理想としているところ、限界がどこで来るのか、具体化して解決していくことができないか考えている。最後の「マミートラックこそノーマルトラック」という考え方に大きく賛成するところではあるが、日本人の道徳・倫理にも関わる部分であり、現場で摩擦なく進むことは難しそうだ。

このお母様がおいくつくらいの方なのか、言い換えれば、なくてはならないくらいの仕事をさせながら銀行が差別的扱いをしていたのがいつ頃のことなのか、よくわかりませんが、こういう風に、世代ごとに異なる記憶をもたらせるのが、この分野なのですね。

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2017年6月18日 (日)

『働く女子の運命』に感想3つ

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda56月に入ってから読書メーターに、拙著『働く女子の運命』への感想が3つアップされています。

https://bookmeter.com/books/10070665

6/4 :inubo, 90年代後半に就職し、正規で働き続けて約20年、見渡すと同世代女子はほぼいない反面、若い女子が活躍している職場にいます。最近自分の居場所や生き方のモデルがなくなり、途方に暮れていたのですが、この本で脳内に見取り図ができてスッキリしました。日本の雇用の特徴は生活給をベースにした年功的昇給と職務が無限定のメンバーシップ制であり、バブル崩壊後様々な改革がなされたものの、生活給維持が大前提なためジョブ型に移行できないという…異分子たる女子としては、ジョブ型に活路を見出すべくスキルアップ!と思いを新たにしました。

6/14 :momo, 日本型の会社では給料はジョブに対するものではなく生活給という言葉に納得。2人で正社員なら2倍だ理論おじさんの考えの根拠はこれかと納得。 行政、企業はもちろんだけと、労働組合も一緒になって進めてきているから、固定的な価値観にできたんだろう。 学校で男女平等で学んできても、スタート切るときに大きな違いに直面する。性別が違うだけでなぜなのかと悩むけど、実は社会の固定観念を押し付けられてるだけだったんだ。 腑に落ちた。これからの働く戦略を考えようと思う。

6/18 :おかむら, 富岡製糸場時代から現代までの女性の雇用史。見下されの歴史でした。「28歳定年制」とか「結婚したら自発的に退職する」旨の念書とか。ひえー。そんな時代があったのか。 諸外国と比べて日本の雇用制度が独特なのもよくわかった。日本のお給料って「女房子どもを食わす額」ってのが基本なのね。そもそもからシステムや観念を変えないと変わって行けないのか…。だって今でも政府や経済界や会社のお偉いさんは働く女性のことを相変わらず職場の「女の子」って思ってんだろーからなー。

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2017年6月 7日 (水)

拙著2冊への書評

福岡の社労士安部敏志さんのブログ「work life fun」で、「労務管理を学ぶ上で現役社労士がオススメする本5冊」を紹介されているのですが、そのうち2冊に拙著を挙げていただいております。

http://worklifefun.net/introduction-of-book-for-human-expert/

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 まず、『働く女子の運命』についてですが、

女性活躍推進は近年のキーワードですが、この本では、いままでの賃金制度の歴史を総括し、その中で女性労働者がどのような位置づけであったかを明快に解説しています。 企業の人事労務がどのような歴史の中で動いてきたか、そして対応する労働法の流れを知る上で必読です。 働き改革の内容や同一労働同一賃金について持論を述べる人は多くいますが、持論を述べる前に、少なくともこの本は読んでおかないと思わぬ恥をかくことになりかねないため注意しておきましょう。

と、「持論を述べる人」をちくりと皮肉りながら、必読と評していただいています。

131039145988913400963 また8年前の『新しい労働社会』についても、

最近は、同一労働同一賃金の議論の中で、メンバーシップ型とジョブ型という対比を用いて語る人が増えてきましたが、この概念はもともと、濱口先生により提唱された説明です。 かなり前に読んだ本ですが、ちょうどこの本を読んでいる時に、「日本の賃金制度は古くさいので世界のトレンドに合わせるべき」と言っている人がいて驚いた経験があります。 いまのように多くの人が同一労働同一賃金、職能給と職務給の違いを知っているとまさに笑い話ですが、日本では約50年前に職務給、同一労働同一賃金の議論を行い、その中で日本では職能給を選択し、定着していった歴史があります。

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2017年5月26日 (金)

『働く女子の運命』感想いくつか

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5ツイッター上に拙著『働く女子の運命』の感想が連投されていたので。「ようこ」さん。

https://twitter.com/98126yu

「働く女子の運命」読了。富岡製糸場黎明期から育休世代のジレンマまで、読み応えあった!↓対談記事見つけたのでペタっと。

対談の後編。私は「スカートをはいたオッサン」を待ち構える企業の姿勢はこの5、6年で終わるような気がしてる。無限定社畜な働き方が出来る正社員割合がガクンと減るから。目指すモデルが変わる、きっと。

「モーレツ長時間労働こそ尊い」思想は、やはり緩やかに崩壊しつつあるよ。最近、在宅勤務とフレックス勤務が導入された我が社。それら制度利用者がジワジワ増えてるのね。そのことが、「モーレツ最高!」の城をぬるま湯でふやかして溶かしちゃうみたいに空気を少しずつ変えてるんだ。

こういう空気がもっともっと広く深く社内に浸透すれば「コアタイム以外の会議の設定、やめない?」って自発的に意見が出るんじゃないかな。これまではフレックスのデメリットとしての「会議に人が揃わない」だけど、会議を厳選するキッカケにすればいいかと。

かけられる時間の違いで、業務量・質って人によって偏りが出ることはある程度そのとおりで。だとすると濱口さんの言うとおり、一部のグローバル活躍社員(エリート)と、大多数のローカル社員に棲み分けした方が、企業としては安定するのかもしれない。全員島耕作を目指せないもん。特に女性は。

話がポンポン飛んで申し訳ない。「働く女子の運命」読んで1番の感想は、自分が雇均法第1世代やBG・OL全盛期に当たらなくてよかった!ということだ。女性だというだけど、絶対にドロップアウトしていると思うから。それと比べれば今は格段に良くなったと思う。

02年に総合職として新卒入社した時は、女性総合職採用2年目で、社食に行くと制服組の女性から好奇の視線が寄せられるのを感じた。圧倒的な「浮き」感。電話を取れば「あー、男性に変わってくれる?」という状態。一般職の制服はあれからすぐに廃止され、一般職の新規採用もなくなり→

女性総合職の採用割合も10?20%から、近年では40%強に増えて来た。数自体もマイノリティではなくなってきた。電話で「女の子」扱いされることも減った。会社にダイバーシティ推進グループできた。働き方改革、在宅勤務、フレックス導入!この15年はすんごい変化が起きたのだと思う。

ただ、濱口氏が言うとおり、一般職的なポジションも必要だといえことが最近再確認されて、男女問わず「SS職」というカテゴリが出来た。が、やはりこのカテゴリには女性しかいないんだなー。もちろん現役社員でSSに変更も可能なんだけど。介護でSSに移る社員はこれから出てくるかもな。

あと、「本のアプリStand」というサイトにも、拙著への書評が。「chou」さん。

https://standbk.co/b/%E5%83%8D%E3%81%8F%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%81%AE%E9%81%8B%E5%91%BD-%E6%BF%B1%E5%8F%A3%20%E6%A1%82%E4%B8%80%E9%83%8E/41941/p/196160

働く女子の”これから”の運命というより、”歴史”がメイン。ちょっとイメージした内容とは違かった。

日本の雇用制度の歴史はおおまかには知っているけど、知らなかった衝撃の歴史もあってそれなりに面白かった。
1950年代の、28歳女子定年制とか!
結婚が決まったら退職する旨の誓約書を出して入社とか!

まだまだ女性の職業人生って、男性と比べると色々な壁はあるけれど、その時代から比べれば、独身女性である私が、40歳を過ぎて管理職として他社に転職しているのだから、時代は徐々に変わりつつある…

奇しくも、どちらもアラフォー女性で、世の中は変わりつつあるという認識のようです。

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2017年4月 4日 (火)

上野千鶴子『時局発言』

9784866210445上野千鶴子さんの『時局発言』(WAVE出版)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.wave-publishers.co.jp/np/isbn/9784866210445/

毎日新聞に連載した書評をまとめたもので、拙著『働く女子の運命』も対象に入っていますので、お送りいただいたのでしょうね。

新聞紙上で書評されたときのエントリは:

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/05/post-35f8.html(上野千鶴子さんの書評@毎日夕刊)

拙著に対する批評は:

拙著「女たちのサバイバル作戦」(文春新書)で、「日本型雇用」が諸悪の根源と論じた。まったく同じことを、濱口桂一郎さんが「働く女子の運命」で書いている。同書には「そうか、やっぱり、そうだったんだ。ニッポンの企業が女を使わない/使えない理由が腑(ふ)に落ちた」と推薦の文を寄せた。日本型雇用とは、終身雇用、年功序列給、企業内組合の3点セットからなる。ひとつの組織に長く居すわれば居すわるほどトクをするというしくみだ。一見、性差上、中立的に見えるが、このルールのもとでは長期にわたって構造的に女性が排除される。これを間接差別という。日本型雇用はあきらかに女性差別的な雇用慣行だということを、濱口さんも立証している。そのとおり、均等法時代から、「男なみ」の労働環境に女も合わせろという「男女平等」がうまくいくわけがない、とわたしたちは警告してきたのだ。変わらなければならないのは女ではない。企業と男性社員の働き方のルールの方だ。

ちなみに、この上野さんとhamachanが初めて対談したのが、

http://hon.bunshun.jp/articles/-/4523 (働く女子は活躍できるのか? 濱口桂一郎×上野千鶴子、"組織の論理"と"女性の論理"が大激論!(前編))

http://hon.bunshun.jp/articles/-/4524 (働く女子は活躍できるのか? 濱口桂一郎×上野千鶴子、"組織の論理"と"女性の論理"が大激論!(後編))

です。掛け合い漫才を見るように読んでいただければ、と。

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2017年2月26日 (日)

拙著評エントリが入り口に

「せんり」さんの「転職の舞台裏」というブログで、拙著を手始めに労働関係の本を芋づる式に読まれていったことが書かれていて、大変興味深いものでした。

http://backstage.senri4000.com/entry/2017/02/25/231908 (インプット実証実験|雇用・労働関係)

その芋づる式読書のきっかけについて、「せんり」さんがかなり詳しく書かれています。こういう問題意識をお持ちだったのですね。

・・・企業内で管理職として働いていること、退職や転職も経験していること、子育て期間中もワーキングマザーとして過ごしてきたことなどから、この分野については疑問に思うことが多くありましたし、現在進行形でもあります。例えば、以下のようなものです。

・スキルと経験を買われる中途採用なのに、「転勤できるか」が踏み絵のように質問され、それが処遇に反映されるのはなぜなのか。

・特定職務に派遣さんを採用したらとてもスキルの高い人だったので是非長く働いて欲しいと思うのだけれど、雇用形態の変更が難しい。

・社内資格に「期待役割」が設定されていて、それを満たすかどうかで人事考課を行うことになっているが、実際に割り当てている職務との関連性が希薄で評価が難しい。

・異動で受け入れた人材を「期待役割」に照らすと評価が急降下してしまう。マニュアルに沿って辛めに評価したら部門に不要なのかと言われる。

これらに関連して、日本企業は「職能給」(人の能力に対して給与を払う)で海外企業は「職務給」(仕事に値札がつく)、ということを言われることがあります。分かったような気分にさせられる説明ですが、ではなぜそのように日本だけが職能給という状況になったのかについての説明を見たことがなく、納得感が薄いのです。

ということで、ずっともやもやしていた雇用システム周りについて基礎知識をつけようと決意しまして、池上彰さんお勧めに従って、大きめの書店の関係の棚を見に行ったのですが、どうも目的に合うような書籍が見つけられない(悲)。人事労務関係のところかと思ったのでその当たりを探したのですが、実務チックな細かいノウハウ本があふれていてうまく欲しい本に当たらずに諦めました。

まあ、そういう棚には実務的な本が所狭しと並んでいて、なかなか全体像を分かり易く解説してくれる本は見つけにくいですからね。

そこで、「せんり」さんは検索エンジンで探索を始めます。

・・・色々ワードを試しつつ、興味に近い系統のページを探していたところ、検索ワードがなんだったか忘れましたが、濱口桂一郎氏のブログで氏の著作の書評を紹介している頁に当たりました。2冊紹介されていた新書の書評記事を読みに行き、自分の興味と近そうだと判断し、どちらも電子版が出ていたのでその場で購入し読み始めました。

なんと、本ブログの拙著評を紹介するエントリがヒットしたようです。これですね。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-5d65.html

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 これは、「hiyu」さんの『働く女子の運命』評と、「国崎犀考」さんの『若者と労働』評の紹介ですが、どちらも電子版が出ているので、「せんり」さんは直ちに読まれたようですChuko

切り口は違えど、どちらも「日本的雇用システム」の歴史をしっかり説明することにより全体を俯瞰してその特徴を述べる形になっており、私の持っていた疑問に相当応えてくれるものでした。現場にいた身からするとそこまでではないのでは?と思うところもありつつも、かなり説得的に感じたので、氏の他の著作も読んでみることにしました。

131039145988913400963 ようやく求めていた種類の本に出会えたようです。そして、さらに、『新しい労働社会』『日本の雇用と労働法』『日本の雇用と中高年』などの他の拙著にも手を伸ばされたようです112483

問題となっている側面を切り出した形(「女子」「若者」「中高年」)でなく、全体をニュートラルに記述しているのは日経文庫のもので、リファレンスとして使いやすいと思いますが、その分抽象的に見えるので、読みやすさで言えばその他の新書の方がよいように思います。

26184472_1 ここまで拙著を読み込んでこられた「せんり」さん、さらにそこから他の方々の著書にも手を伸ばしていきます。それは、amazonのレコメンドだったようですKaneko

これらを読んでいたところ、Amazonに「日本の賃金を歴史から考える」をお勧めされまして、やっと違う著者の観点から読めそうと思い、購入。賃金という観点なのですが、賃金だけでは当然話が終わらないので賃金を軸に雇用システム全体を眺めることができる構成になっていてとても良かったです。

なんと、私の本を読むような人に金子良事さんを薦めるというのは、最近評判の悪いamazonのAIの知恵だったようですね。実に賢い。

そしてそこから、清家篤、脇坂明、といった方々の労働経済学の本、さらには労働経済白書やJILPTの報告書と、芋づる式にどんどん読み進んでこられたとのこと。

以上のところまで来るのに約1ヶ月かかりました。

それがたった一月の間というのですからすごいです。

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2017年2月 6日 (月)

『季刊労働者の権利』318号に拙著書評

6f0e6ddfaa2b4079594024036b8cd0b0日本労働弁護団の機関誌『季刊労働者の権利』の318号に、拙著『働く女子の運命』の書評が載っています。

http://roudou-bengodan.org/quarterly_newspaper/318%e5%8f%b7%ef%bc%882017%e5%b9%b41%e6%9c%88%e7%99%ba%e8%a1%8c%ef%bc%89/

書評
濱口桂一郎 著 文春新書「働く女子の運命」  長谷川悠美

長谷川さんは水口さんなど労働弁護士の多い東京法律事務所の方で、2013年弁護士登録という若手です。

3ページにわたって丁寧に拙著のロジックを追い、働く女子の今後の運命について自らの見解を示していただいています。

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5最後のところで、こう評していただいたことは著者としてこの上ない喜びです。

・・・本書は、本稿で紹介した以外にも、日本で生活給が確立した経緯を皇国勤労観やその後の労働組合運動から説明し、日本における女性労働のあり方を女工時代から解き明かし、均等法や育児休業法の成立経緯を概観している。女性労働を考えるに当たって必要な歴史的背景が、当時の発言等を引用しつつ紹介されている。新書の少ない頁数に、すごい情報量である。しかもこれが非常にわかりやすくまとまっている。

本書は、女性労働を考えるに当たって必読の書である。

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2017年1月22日 (日)

女性と直接関係が薄いようで実は最も重要な点

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 読書メーターで、「DSCH」さんが拙著『働く女子の運命』を短評されていますが、そのポイントがまさに私が言いたかったことにどんぴしゃりでした。

http://bookmeter.com/cmt/61793091

女性の活躍を阻害する要因や働きにくさについて日本型雇用システムの観点から労働史、賃金論、労働法政策と関連付けて考察されている。ジェンダーの視点というより高齢者や若者の雇用問題とも関係のある雇用システムの問題として女性労働を取り扱っていて説得力がある。現代日本の労働問題は賃金制度と切り離せないので、生活給思想、職務給の導入と挫折、日本的経営賛美と知的熟練等を取り扱った第二章は本書において女性と直接関係が薄いようで実は最も重要な点だと感じた。機会があれば濱口先生の講演や講義を聞いてみたい。

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2017年1月21日 (土)

読書メーターの拙著評

読書メーターで、今年に入ってから拙著への書評が二つアップされていました。

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 一つは『働く女子の運命』で、「hiyu」さん。

http://bookmeter.com/cmt/61583248

ワークライフバランスの定義一つだけでも、自分の無知というか、奥行きのなさに愕然としてしまう。テーマの内容だけでなく、雇用問題全体に言及しているのも秀逸であるし、本作の限界までしっかりと指摘してある。雇用という問題の解決は一筋縄ではいかないことは承知しているが、その処方箋は統一したものにはなりにくいだろうし、ジワリと浸透するのが一番良いのだろうか。強引ではあるが、タイトルを見ると著者は今後も暗澹たる状況が続くと考えているのだろうか。

Chuko もう一つは『若者と労働』で、「国崎犀考」さんです。

http://bookmeter.com/cmt/61687668

日本では「就職」ではなく「入社」であるというのは聞いたことがあったが、著者は欧米型の前者をジョブ型、日本独特の後者をメンバーシップ型と呼び区別する。両者を比較していくことで日本の雇用と労働の問題点を浮き上がらせる。日本型雇用の長年の疑問が解けた。

「日本型雇用の長年の疑問が解けた」という評語はとてもありがたいです。

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2016年12月31日 (土)

『働く女子の運命』への実感書評たち

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 今年は、昨年末に刊行した『働く女子の運命』(文春新書)が着実に読まれ続けた年でしたが、これまでの本とちょっと違って、雇用労働分野の読者ではない方々、自ら働く女性として悩み苦しんできた方々が、実感溢れる感想を書かれていることが多かったのが印象的でした。

本書への書評やコメントは一通りここに集めてあります。

http://hamachan.on.coocan.jp/bunshunbookreview.html

毎度おなじみの金子良事さんとの掛け合い漫才をはじめ、雇用労働関係の論客の皆さんによる書評・コメントも並んでいますが、ここではこの1年の総決算として、これまでだったら私の本を読むこともなかったであろう人々による、もしかしたらこのやや軽薄なタイトルに引かれて読んだ方の実感書評の数々を改めて紹介しておきたいと思います。

http://blog.goo.ne.jp/roommate/e/d1ccc9e03e6531691bf116c0a8508484 (笑うかどには福きたる)

「働く女子はこれからどうなるのか、それが知りたい!」と期待しても、この本は「良い意味で」その期待には全く応えてくれません。 むしろ、働く女子として「立ち向かわなければならない相手」の姿を教えてくれる本であると、私は思いました。 オトコ社会である日本の企業で、女性が(高低に関わらず)ポジションを得て仕事を続けていくのは難しい、ということは一度でも会社勤めをしたことのある女性であればうっすらなりとも感じます。 この本は、その理由が「あの上司」とか「あの会社」というそんな瑣末な問題なんかではなく、ほとんど「大河ドラマ級」の歴史に裏付けられたことなんですよ、ということを「これでもかぁぁ!」というくらい過去の資料から教えてくれます。本当に身も蓋もないくらいに。

http://kaorumiyawaki.blogspot.jp/2016_01_29_archive.html (Flow of Time)

たったの10分の中で、新卒で総合職として大企業に就職した私の行き詰まりを、クリアに解き明かしてくれた。こんなに簡潔にあの経験を説明できるのか、と思うほどで、当時の体験がよみがえった。  なんかその後の私の道のりは、そういう状況の中でどうやって女性として無理なく続けられる働き方を見つけるかということだったように思う。そして、今現在の自分の状況に対して不満で後悔が大きいけれど、改めて労働社会の在り様を考えると、ある意味、そうとしか進めない道をずっと取ってきたんだなと思える。教科書的というほどに、時代をそのまま映した歩みといえなくもない。

https://www.instagram.com/p/BBhwj8-MD63/

たまには真面目な本を。 大学院生という温室を抜け出して社会人になって、それなりに仕事は楽しいけれど、 この働き方でどうやって結婚するんだろう?結婚したとして子ども産む暇あるのか…?という漠然とした不安とか疑問とか。 自分の母親をイメージしても、二世帯住宅でいつも母と姑である祖母がぶつかり合っていたことしか思い出せなくて。 キャリア志向の女性ほどドロップアウトしてしまいやすい構造というのに納得…しつつも、このままどんな社会になるべきなのか答えも考えていかないといけないとも思った。

http://blog.goo.ne.jp/gurubu/e/c09f300eadcf5f346f511346801f6154 (ぐるぐる・ぶらぶら)

読んでたらなんだか吐き気がしてきた(すみません>作者の方)。 それは、きわめて私的な理由で。 働く女子たる私や同僚が悩まされているものの正体が垣間見えたから。 この本で解説されている雇用システムの形成経緯において、折々に ぶち込まれてきた恣意性の存在が、よく分かったから。 今読めば眉をひそめてしまうような、過去の有力団体や有識者・研究者 の発言・解釈説明など、時代がそうだったと言えばそれまでだけれど、 積み重なって現在の状況に確実に影を落としている。 最近で言えば「ダイバーシティ」「ワークライフバランス」、 否定しえない正論の姿で天から降ってきた感のあるこれらのお題。 大事なことなのに、何故こう、何度も、形骸化や形式化を繰り返すの だろう?もっと言えば、毎度形骸化を内省しないのはなぜ? …理由の根っこが少し分かった。 みんなでこぞって換骨奪胎。構造的に換骨奪胎体質。きついわ。

http://udonmotch.hateblo.jp/entry/2016/02/15/205216 (単角子宮で二児の母(予定))

読んでいてちょっと重い気持ちになったので読み進めるのに時間がかかりましたが、 ・自分が企業に総合職として働き、子供を産み、産休・育休をいただき復帰したものの、育児との両立に行き詰まり社内でジョブチェンジした経緯の中で感じたことが、わかりやすく言語化されていた ・そしてその現象はどうして起きているのか、が、日本特有の雇用構造、労使関係の歴史から生まれているということがとてもわかりやすく説明されていた というところがとてもよかったので、ざっと紹介させていただこうと思います。

http://workingwoman.hamazo.tv/e6742524.html (ワーキングウーマンプロジェクト)

「働く女子の運命」には、今の日本企業が、男性優位の社会が、死に体に、なるべくしてなっている理由の全てが書かれていた。 うなずき過ぎて、頭がもげるかと思ったくらい。

http://zouzouzou138.hatenablog.com/entry/2016/06/26/170438 (孤独な女子総合職ブログ)

この前読んだ本 「働く女子の運命」で心に残りすぎた言葉を紹介します。 「私、自分が女だということに気づくのが遅すぎたんですよ」 本当にこれ、これ!!!!!!!! 大学の時は気も酒も強いし男友達も多いし、お金自分でたくさん稼いで1人で生きていくぞ!って思ってたけど 結局わたしも女だったんだ結婚したいし子供欲しいし。男にはなれないしなりたくもないや。 総合職ってオカマみたいだなって思う。 仕事では、男と同じように扱うからねって言われて厳しいことを言われたりさせられたりする でも飲み会とか、仕事を一歩離れると急に女の子扱いされて お酒つぎにいったり男の人の横に座らせられたり触られたり馴れ馴れしくされたりする 自分が何だかわからなくなる。 でも私だって女なんだから。 生理痛がひどくてまだ動けない。

http://kaerunosumika.weblog.to/archives/6447058.html蛙のすみか

若くはないが軽いお仕事で生活させて頂ければ文句はない、期限付きの仕事が多かったから、生活困難な時期も長かった。無期雇用だけど手取り15万で都内7万8千円の部屋に住み2年半仕事する、とかどうやってやっていってたんだ私は、とよく思い出せない。20代後半は僻地の実家で月手取り15万、ボーナス年間50万を5年やってた。仕事って色々よね。のど元過ぎれば熱さ忘れる、今は有期雇用で手取り25万ですが、この先収入下がるとどうなるか?住まいは変えたくないな。書いてても気分が鈍磨してる。心配してもしょうがないという境地なのかもしれないが、もうみんなそんなに悩まなくても良くなればいいのにね

http://globis.jp/article/4988 (GLOBIS 知見録)

この本は、タイトルがややこしい。「働く女子」とか「運命」とか。私と同じように、タイトルから敬遠された方も多いのではないか。出版から一年、既読者から勧められて手にとってみると、自分の置かれてきた環境に「なるほど、そういうことだったのか!」と膝を打つような納得感が大いに得られた。敬遠するのはあまりにもったいなく、今回取り上げたい。

ツイートでも、御自分の経験をもとに深い感想を述べられる方々が・・・。

https://twitter.com/mitchanx/status/696330221121724417

興味と出来心で、最近TLで見かけた「働く女子の運命」を読むことにした。なぜ働く女子は苦しいのか。序章から容赦ない。会社で働く母をやっているともう痛感している現実を、はっきり言語化されて叩きつけられる…「働く女子の運命」濱田桂一郎

この先読み進められるかちょっと不安。買ったからには読んじゃわないと悔しいし、なんかのヒントにしたいな…

子供を産んでから、何度か、自分と仕事、自分が会社員として仕事してることでかろうじて維持している社会性のことを考える機会があった。今またそれについて考えている。かなりの大きさで。そういう時期なんだ。

私が子供がいても働くのは、経済的自立はもちろんなんだけど(経済的自立が己と子供を救うということを母を見てわかってるから)、働いていることでやっと社会性を保ててると思っているので、かなり大事なポイントなんです。人から見たらつまらないものにしがみついてるように見えるかもしれないけど…

子供産んでから、仕事やめたいと本気では思ったことがない、どうしたら続けていけるか、そればかり考える。続けていけなくなることが怖い。

https://twitter.com/tatenosr/status/697209054398033920

今更濱口先生の「働く女子の運命」を読んでて、いちいち頷けるとこばっかりで首が落ちそうなぐらいなんだけど。私はなんとかなった。でも娘はどうか。本当に女性が幸せに働き続けられる社会にならないと。

https://twitter.com/mitchanx/status/699232636535832580

「働く女子の運命」、やっとの事で読み終えたけどヘビーだったわ…。女子に降りかかる運命。タイトルのセンスがもうすごい。そして日本の労働環境の特殊さ、銃後を守る妻がいる男性と同じフィールドで戦わないといけない働く母。いやほんとヘビー

https://twitter.com/tatenosr/status/700294094644338688

今日、やっとこさ「働く女子の運命」読み終わったんだよー。世の中が違って見えるよ。濱口先生、やっぱりすごいよ。

昔「新しい労働社会」読んだときも感動にうちふるえたもんだけど、期待を裏切らないね。おすすめです。

「働く女子の運命」kindleで読んだんだけど、やっぱり新書でも買っておくかな。繰り返し読むことになりそう。

まー、自分が1990年代初めに就職活動した時に感じた違和感、産後働きたいと思ったときに感じた怒り。その理由が書いてあるのよ。すっきりしたわ。

私は「会社」に入りたかったし、大学生の時は入れるということを疑ってなかった(ちょっと前までバブルだったから)。でもなかなか入れてもらえなかった。一生懸命勉強したのになんで?とずっと思ってた。それがすっきりわかった。

産後再就職に向けて頑張ってた時も、実務経験もあって資格もあるのになんで再就職市場からも締め出されるの?と思ってた。それよりも何もできない人のほうが市場価値が高いのはなんで?って疑問もすっきり解決。

ずーっと疑問だったんだよなあ。私は頭の中が欧米だったのねwww

だから、娘には日本の会社で働いてほしくないんだな。

そして、アマゾンカスタマーレビューにも、極めつけのこの実感レビューが。

https://www.amazon.co.jp/review/R29CA42OUR8DV4/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4166610627&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books数少ない生き残り働くオバサンも納得の書

濱口先生のような東大卒・キャリア官僚も務められたエリート男性が、日本の働く女性が置かれている状況をかくも正確にとらえられ、わかりやすくフェアに著述されていることに非常に驚いた。私の偏見だが、この世代の男性は、「女は馬鹿でいい。家にいろ」が主流で、働く女を異物・色物としか見ていないオジサンがほとんどだからである。 私は、均等法直前世代である。 その頃の日本はひどかった(今もひどいが)。今のようにWEB経由ではなく、電話をかけて会社説明会に行き、面接、内定となるが、大手企業の求人票には堂々と「男子のみ」と記載されていた。 電話をかけ、某国立大の学生であるむねを告げると「はあ?国立大の女子?。うちはねっ、やる気のある女なんかいらないの!!!」と電話をたたききられたものである。 努力しても、女は報われないということを、私は22歳にして悟った。勉強にはなったが、頭にきた。 ブルース・スプリングスティーンのBorn in the USAではないが、はらわたが煮えくり返る思いで生きてきたのである。 その後、なんとかかんとか就職し、苦節30年。一億総活躍?よう言うわ。せっぱつまって、もう女でも年寄りでも、何でもいいから働いて税金払え、そういうことだよね。30年前、女が働いたら国が亡びるって言ってたのは経団連(当時は違う名前だったかもしれない)なのに、語るに落ちるとはこのことである。 気が付くと、同期女性はほとんどいなくなってしまった。結婚、出産、育児。日本の会社は長時間「いる」ことを要求する。育児・家事をこなしながら、おっさん並みに会社にいろとは、土台無理な話である。 同世代の男はいいのである。帰ったらご飯ができている。 こっちは自分がご飯を作って子供の世話をしてプラス仕事である。この20年の記憶はない。あまりに大変で記憶が飛んだ。 それでもやめなかったのは、周囲の男が、男というだけで優秀でもなんでもなく、ただ単に日本という男に甘い社会に守られて下駄をはかせてもらっているだけの存在だったからである。なにくそと思った。負けるものか。ここまで来たのは意地だけである。 いろいろぐちゃぐちゃ書いたが、濱口先生は、日本で女が真面目に働くことの困難さを豊富なデータを背景に見事に説明なさった。ありがとうございます。男性でも先生のような方がいるとわかって、長年の恨みつらみが少しは溶けました。

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