若者と労働

拙著書評いくつか

Chuko さて、この間、いくつかの書評サイトで拙著への書評がいくつか続々とアップされていたことに気づきました。

まずは「読書メーター」で、『若者と労働』に対する書評が連投されています。

https://bookmeter.com/books/7002043

10/20 : はるたろうQQ 著者のセミナーに参加するためにまず最初の一冊として読む。著者の考え方はそのブログを愛読しているので理解しているつもりだが、勉強になった。ジョブ型正社員の漸進策として、特に、新書の書評で有名な「山下ゆ」氏が言うように公務員、地方公務員から始めてはどうなのか。標準化できるのでは。地方公務員の職種毎に資格制度みたいなものを作って大学で養成するのはどうだろうか。これほど災害が多発するのでは、各地で一時的な地方公務員の需要は高まると思う。その時に資格を持っている人がその地域や近隣の都道府県にいるといいのではないか。

 
10/31 : 帯長襷 人事関連本2冊目。雇用の形態にはジョブ型とメンバーシップ型があり、日本は様々な経緯によりメンバーシップ型の組織づくりに、国を挙げてなってしまっている、ということがわかる。すると、今ホットな話題の働き方改革や就活・採用の議論のニュースや書籍が読みやすくなった。この概念を知ってる前提で書かれていたからよくわからなかったのね。ていうか、このジョブ型やらってそんなに常識なのか…?これ知らなかったらあのニュースや東洋経済の記事、意味わからんで?

 
11/2 : GAKU ジョブ型労働社会とメンバーシップ型労働社会に関して、よく理解することが出来た。そしてブラック企業、ニート、就活、終身雇用制崩壊等、現在の労働に関する諸問題の背景というか根源というのも、そのような事だったのかと。私個人としては欧米のような、ジョブ型労働社会の方が馴染めたな。中々興味深い内容だったので、この方の著書もう少し何冊か読んでみようと思います。

 
11/3 : くたくた 欧米型労働類型であるジョブ型労働社会と、日本型労働社会類型であるメンバーシップ型労働社会の対比とその異質性に関して詳細に述べられている。メンバーシップ型(言い換えれば終身雇用・年功序列賃金体系)は、仕事に最適な能力を持つ人を採用してその仕事に貼り付けるジョブ型に対し、まず人を確保してからその人に社内で仕事を貼り付ける。一方が職から職に人材が移行する、横流れの構造であるのに対し、一方は「入社」から「定年」まで縦に流れる構造。不況時に、ジョブ型では若年者失業者が社会問題となるのに対し、かつての日本では中高年の失業者対策が、労働施策の中心となっていた。それが変化してきたのは1990年代の不況に労働市場が急激に縮小し、企業に収納されきれない新卒者が出現してきたから。それでもフリーターと呼ばれた彼らは「(会社という)束縛を嫌う自由で気ままな若者」というレッテルのもと問題が矮小化されて、実際に社会問題=労働問題として意識されるようになったのは、彼ら就職氷河期に出現したフリーターが不安定な身分のまま年長となり、その後の景気回復によって新卒就職できるようになった後から来た新卒との格差が無視できなくなってきた2000年代。 一方、労働法制は、戦後米国ベースで制定された流れもあり、基本ジョブ型類型を踏襲。法体制と労働実態の乖離があるなか、実効的な労働施策も施さねばならず、その処方箋として、著者が提唱するのは、正規雇用であるメンバーシップ型雇用と、拡大する非正規雇用の間に、ジョブ型正社員を置くこと。うーん、まとめきれないが、日本の労働市場が特異だということは良く分かった。その中にどっぷり浸かっているのは一方で安穏だが、無制限の(会社への)奉仕を要求される過酷さも、また実感として良く分かる。 個人的事情としては、長年、ワークシェアリングが制度化されて、業務量の分散と人間的生活の回復を図ることを願って来たにもかかわらず、不況と聞こえの良い労働力流動化政策によって低賃金の非正規雇用が急速に広まり、短時間労働者である非正規職員との賃金格差が拡大する一方、正規職員の労働強化という波に巻き込まれて過労死寸前。この日本、いやこの会社、どうしたものだか。多分筆者の提案が実現すりゃあいいんだけど。

 
11/4 : Richard Thornburg 日本でも設計事務所等では、20年くらい前からジョブ型雇用を採用しているところが多いです。  私も働き始めてからほとんどの期間をジョブ型雇用の条件下で働いていますが、束縛のないことや報酬を約束されていることで楽に働ける制度だと思います。

26184472_1 同じ「読書メーター」で、上記『若者と労働』の書評も書かれているGAKUさんが、『日本の雇用と労働法』も評されています。

https://bookmeter.com/books/8075732

2018/11/04 : GAKU   日本で何故メンバーシップ型労働が根付き、それに伴い中高年労働者はどのように扱われ、そして現在は?日本の雇用問題、人事政策、労基法の変遷、現状とコンパクトに、分かり易く纏められており、参考になった。これからの日本、メンバーシップ型労働から、ジョブ型労働へ上手く移行出来れば良いと私は思うのですが。中々、難しいでしょうね。最後の方で、やっと女性労働者に関しても触れられていた。引き続き同著者の「働く女子の運命」を読み、働く女性の活躍を阻害する要因を、より深く考察していきたい。

Img_752f5d874047328e26f434ce08fbda5 この方の『働く女子の運命』評はまだですが、ブクログという書評サイトでは、ここ数日間に同書の書評が連投されていました。

https://booklog.jp/item/1/4166610627?perpage=10&rating=0&is_read_more=1&sort=2

10/24 : bqdqp016, 労働問題の専門家による、女性の労働環境を中心に日本の雇用システムについて論じた本。精緻な調査に基づく学術的な内容となっている。特に、女性の雇用のあり方について、明治から現代に到るまでの経緯についての記述が興味深かった。
 
10/29 : akiney, 女性労働問題の本質は総合職正社員の実質残業無制限と転勤無制限制にあるということ。 だからこれに対応しにくくなる子持ち女性は疎外される。 女性の権利保護よりも労働時間規制が大事 組合が派遣社員の権利保護に消極的なように歴史的には女性労働者の権利保護にも消極的だったということも知りえた。 雇用問題の議論にも流行り廃りがあり、自分がどのような制度的文脈のもとで仕事をしてきたのか改めて認識できた。女子社員に対する自分の考え方もこの文脈の影響を無自覚的に受けてきたのだということに気付けたのも良かった。(人は皆、過去の理論の奴隷) 関連法案の紹介。過去の判例など無味乾燥にならぬように引用されていて参考になる
 
11/3 : oaktree0426, 著者の新しい労働社会を読んだ際も思ったが、現在問題となっている様々な労働関係の問題を考えるに際して、メンバーシップ型雇用システムという概念は、補助線として抜群の切れ味を有している。本書は、その概念をもとに、働く女子について考察が加えられている。ただ、メンバーシップ型雇用システムという観点から考えると、女性労働の問題は、必ずしも女性労働に原因があるのではなく、雇用システムの問題が女性にしわ寄せされているということがよくわかる。これは、東京医大の入試不正操作の際に起こった議論でも感じたことと相似形であった。さて、切れ味鋭い女性労働問題の解説の後、では果たして、どのような道を今後女性の労働は、また、日本の労働社会は、進んでいくべきなのか、そこに至って初めて、この問題は解きほぐしがたい、錯綜したものであると気づかされたのだった。
 
11/4 :inu, 難しい。どうすれば良いのか悩ましい。

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『若者と労働』第7刷決定

Chuko 中央公論新社から、拙著『若者と労働』(中公新書ラクレ)の第7刷が決定したと連絡をいただきました。

これも、拙著を熱心に読んでいただいた読者の皆様のおかげと心より感謝申し上げます。

http://hamachan.on.coocan.jp/chukobookreview.html

なお、amazonレビューにも昨日、koheinet608さんによる『若者と労働』に対する大変熱のこもった長大な書評が載ったようです。電子版でお読みいただいたようで、やはり電子版を出すと新たな読者が広がるのでしょうか。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R2ZX69WDSOKYKD/ref=cm_cr_getr_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4121504658

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雇用システムと教育システムの問題

読売教育ネットワークの「異論交論」に、経済同友会代表幹事で、三菱ケミカルホールディングの代表取締役社長の小林喜光さんが登場しています。

http://kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsuryoku/iken/contents/46.php (国立大学よ、時代感覚を磨け)

ある種の人々にカチンとくる発言がてんこ盛りなのですが、まあそこは別として、私が興味をそそられたのは、そこまで大学を批判するんなら、企業側はどうなんだと問われたのに対するこのやり取りです。

――大学に変われと言うのなら、企業はどう変わるのか。大学にきちんと学生を育てよと言うが、その教育期間を短くしているのは企業だ。一括採用システムのために、学生は2年生後半にはそわそわしていて学業どころではない。
 
小林 4月に入社する定期採用をやめざるを得ないだろう。こんな仕掛けを持っているのは日本だけだから。同時に、新卒入社で3年ぐらいは別の会社に移れるようなバッファゾーン(緩衝地帯)をつくっておくことも必要だろう。僕自身も途中入社だ。1974年12月2日入社だ。長男が生まれてイタリアから帰国して、とっくに人事なんか終わっていると言われた。一応、来てみたらと言われ、論文を持って研究所の担当の常務に会って入社した。あの時代だって、本人が入ろうと思えば入れた。なんでこんなに日本はリジッド(厳格、固定されていて動かない様子)になっちゃったのかな。学生もなんで変えようとしないのか。
 
――学生が企業を変える? 自分たちの所属する大学の改革の議論にもかかわっていない。だが、そういう学生が突然、発生したわけではない。育てた世代がいる。
 
小林 そう、その世代が誹謗(ひぼう)されるべきだ。人々が疲れている、リスクをとらない、大人がリスクを拒んでいることが問題だ。
 
――リスクをとらない企業人の傾向が端的に現れているのが、採用だろう。大学教育が大切だと企業人はよく口にするが、重視しているのはいまだに大学入学時の偏差値と大学名だ。
 
小林 会社で一番保守的なのは人事と総務。最悪だ。体験的に、そして今でも実感している。彼らは体質上、仕掛けを守るようにできている。だが、それは社長が悪い。社長が本気で変えようとすれば変わるはずだ。
 
――大学と同じか。では、それを壊すことができるか。小林さんは「ぶっ壊す」という言葉をよく使っているようだ。
 
小林 壊さなきゃ、新しいものは生まれないからね。壊せそうなエネルギーのある人を社長にするしかない。大学も同じだ。

いやいや、評論家の言葉なら、なるほどですむけれども、それしゃべっているのは現役の経営者、三菱ケミカルホールディングス取締役社長ですよね。

では、三菱ケミカルの人事部はどういう採用をやっているかといえばもちろん新卒一括採用をしているわけだし、社長はそれを認めている。

ではそれを一社だけ止めたらどうなるかといえば火を見るより明らかで、いい人材を三井化学や住友化学にとられて終わるだけでしょう。それは、日本の労働社会がそういう(六法全書には書いていないけれども、社会学的に拘束している)ルールで動いているからで、それがまさに雇用システムの問題であるわけです。

その雇用システムを前提に、教育システムが構築されてしまっており、その教育システムがまた雇用システムを規定する。

そのように相互に拘束されている中で個々のアクターはそのルールに従って行動しない限り、そこから排除されるというペナルティを受ける。

三菱ケミカルという会社の人事部も、三菱ケミカルを受ける就活生もルールテイカーであって、ルールメイカーではないという点で何の変りもありません。

「学生もなんで変えようとしないのか」と学生を責めてみたり、「会社で一番保守的なのは人事と総務。最悪だ」と人事部をけなしてみても、事態は変わりません。

最後は「社長が本気で変えようとすれば変わるはずだ」というブーメランが飛んでくるだけです。

システムこそが問題であることを個人や集団の問題にしてはいけないということのもっとも典型的な実例が、ややカリカチュア的な形で示されているわけです。

(参考)

Chuko 拙著『若者と労働』より、「教育と職業の密接な無関係の行方」

 このように日本型雇用システムと日本の教育システムとは、お互いが原因となり結果となりながら、極めて相互補完的なシステムを形作ってきたといえます。それは、一言で言えば「教育と職業の密接な無関係」とでもいうべきものでした。
 受けた学校教育が卒業後の職業キャリアに大きな影響を与えるという意味では、両者の関係は極めて密接です。しかしながら、学校で受けた教育の中身と卒業後に実際に従事する仕事の中身とは、多くの場合あまり(普通科高校や文科系大学の場合、ほとんど)関係がありません。これを再三引用している本田由紀氏は「赤ちゃん受け渡しモデル」と呼んでいます。職業能力は未熟でも、学力等で示される潜在能力の保証に基づき、新規学卒一括採用された若者を企業が企業に合う形に、とりわけ職場のOJTを通じて、教育訓練していくという回路が回転している限り、極めて効率的なシステムでした。
 しかし、次章以降で詳しくみていきますが、その回路からこぼれ落ちる若者が大量に発生するという事態の中で、単なる弥縫策ではなく、雇用システムと教育システムの双方で本質的な解決を図る必要が浮き彫りになってきました。
 雇用システムの側における議論は次章以降で行いますが、それは必然的に教育システムの側に跳ね返ってきます。具体的には、現在の大学、とりわけ量的に大部分を占める文科系大学の在り方に対し、抜本的な見直しを要求するはずです。大学の教育内容が就職後の仕事と無関係な形で膨れあがってきたことが、学生が大学で学んだ中身ではなく「ヒト」としての潜在能力で評価する仕組みを助長してきた面があることは明らかだからです。今までの「素材はいいはずですから是非採用してやってください」という受験成績による質保証主義ではなく、「これだけきちんと勉強してきた学生ですから、それは保証しますから、是非採用してやってください」というあるべき姿に移行するためには、大学教育の中身自体を職業的意義の高いものに大幅にシフトしていく必要があるでしょう。
 とはいえ、その過程においては、非実学系の大学教師の労働市場問題が発生し、大騒ぎになる可能性が高いと思われます。ある意味では、企業が職業的意義のある教育を求めていなかったがために、そして生活給制度の下で、職業的意義のない教育に対しても親が教育費をまかなうことができていたがゆえに、本来であれば存続し得ないほど大量の非実学系大学教師のポストが確保されていたといえなくもありません。しかし、学生の職業展望に何の利益ももたらさないような大学教師を、総量としてどの程度社会的に維持しなければならないかについては、社会全体で改めて考える必要があるはずです。これこそ、日本的な教育と職業の密接な無関係の上に成り立っていた「不都合な真実」なのでしょう。

 

 

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社会人になる前にこの本を読めて本当に助かった。。。

Books918521_1920 「ふぁらんちゅぷれぜんつ」というブログで、「大学生におすすめな本を徹底厳選!理系・文系問わず読んで欲しい!」というタイトルで、約20冊の本が紹介推薦されています。

https://faraspice.com/book/1111/

僕が読んだ本の中で、自信を持ってオススメできる本を厳選してを紹介いたします!

どんな本が挙がっているかというと、藤原帰一の『戦争の条件』、西内啓の『統計学が最強の学問である』、中室牧子の『「学力」の経済学」と、いかにもいかにもという本が並んでいます。

Chuko で、その次にこんな本が:

お次は『若者と労働』です。

拙著が出てきました。

どこがお勧めなのか?

僕は『大学ってなんのため?』という素朴な疑問に悩んだ時期がありました。この疑問に対し、労働の観点から深く考えることができるようになったのは、ひとえにこの本のおかげです。学術的な内容でハウツー本ではないですが、是非大学生のみなさんに読んでほしいと思っています!

素朴な疑問に、深く考える素材を提供できたというのは、この上ない褒め言葉だと思います。ありがとうございます。

「若者と労働」で得ることができた知識は僕の考え方を大きく変えました。社会人になる前にこの本を読めて本当に助かった。。。

とのことです。

 

 

 

 

 

 

 

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ここら辺が一挙に胸に落ちた感じがある

Chuko_2久しぶりに『若者と労働』への書評。「本のアプリStand」というサイトで、評者は「天パ太郎」さん。

https://standbk.co/b/%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%81%A8%E5%8A%B4%E5%83%8D%20%E3%80%8C%E5%85%A5%E7%A4%BE%E3%80%8D%E3%81%AE%E4%BB%95%E7%B5%84%E3%81%BF%E3%81%8B%E3%82%89%E8%A7%A3%E3%81%8D%E3%81%BB%E3%81%90%E3%81%99-%E6%BF%B1%E5%8F%A3%E6%A1%82%E4%B8%80%E9%83%8E/82859

ずっと積まれていたのを今更読了。
就活に悩まされた一個人として、「なるほど!」と思わず唸る良書。

筆者は厚生労働省の役人から労働政策研究の専門家になった人。

労働のあり方を、
欧米は特定の仕事に人を割り当てるジョブ型社会、
日本は特定の人に仕事を割り当てるメンバーシップ型社会
と二つに大別した上で分析。

入社というものがどういうものかを分析。
何故、就活に苦しむのか?
どうしてブラック企業が日本にはびこるのか?
といったことを歴史、判例や研究を元に綺麗に説明。

誰しも就活で思ってしまうであろう、
・何故、新卒採用の時に、大学で学んだことではなく、テニスサークルの副幹事長の話をするのか?
・禅問答に近しい自己分析と就活の関係性
・大学の学びの空虚さ
ここら辺が一挙に胸に落ちた感じがある。

ブラック企業の分析に多少言葉が足りなかったり、
いわゆる一般職をもう少し広げた限定正社員の導入による労働政策の見直しが少し楽観的ではないか?と思う部分もあるが、
概ね頷くことばかり。

就活のテクニック本に疑問符をつける人には、是非読んで欲しい一冊。

「ここら辺が一挙に胸に落ちた感じがある」という言葉が嬉しいです。

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日本の雇用の常識を知ることは、自社の雇用の思い込みを知ること@ヒトフレ

Chuko 「人事や採用担当をフレーフレーと応援するメディア」の「ヒトフレ」というブログで、拙著『若者と労働』が取り上げられていたことに気がつきました。

http://www.hitofure.jp/posts/3116186

題して「日本の雇用の常識を知ることは、自社の雇用の思い込みを知ること「若者と労働」人事の代わりに読みました。」

今回の人事の代わりに読みましたは、「若者と労働」。

少し古い本ですが、ビッシリ貼られた付箋を見てわかるように、HR系のビジネスをしている私には非常に勉強なった本でした。

と言うことで、リンク先にブログ主のお持ちの本の写真が載っていますが、びっしりと付箋が付いていますね。

・・・本書は、当時、社会的な問題としてヒートアップしていた、若者雇用の問題を日本の「メンバーシップ型雇用」と欧米の「ジョブ型雇用」を比較しながら日本の雇用システムの特殊性をあぶり出しつつ、歴史的な経緯とともに、その日本独自の雇用システムが誕生し袋小路に陥った理由と、それを解決しようとした労働政策がうまく機能しなかった背景と、その結果としての若者雇用問題を、分かりやすく冷静な議論で解き明かしてくれます。

もちろん欧米の雇用システムの方が、優れているわけではありませんが、比較対象が生まれることで、客観性が生まれ、その特殊性が、よりクリアに理解することができます。

日本の採用市場の特殊性や構造を知ることは、そこで優秀な人事を獲得するための戦い方のヒントをもらうこと。

さらに日本の雇用の常識を知ることは、私たちが無意識で前提にしてしまっている自社の雇用の常識を、意識することにつながります。

気づいていなかった固定観念が外れれば、自社の採用や人事制度に関しても、新しい発想がでやすくなるのではないでしょうか。

「彼を知り、己を知れば、百戦して危うからず」と言いますが、その両方が、一冊でできるのがこの「若者と労働」。おすすめです。

「彼を知り、己を知」るが両方できる本というのは身に余るお褒めの言葉で痛み入ります。

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就活生による拙著書評

Chuko

拙著『若者と労働』に対して、大学4年の就活生の方がこういう書評を書かれていました。夏休みに読んだ30冊の中で、特にお奨めの3冊の一つということです。

http://timeleft-blog.hatenablog.com/entry/2017/10/04/001340

「は?なんで私が面接で落とされるの?能力の面で見れば他の就活生と比べて劣ってるわけでもないし、むしろ優れてるほうでしょ?なんで?は?これが人柄採用ってやつ?糞だね!!」と思っている方におススメの一冊。日本式就職活動の基盤となっているものが良く分かります。これを読んだからといって、内定獲得のテクニックを得ることは決してできません。しかしこの本は、就職活動でこれまで当たり前だと考え、問題にさえしなかったことを可視化させます。読者によっては多くの盲目的な就活生が持ってしまう既存の価値観を捨て去ることができるでしょう。私のように就活に失敗した人。特に、それにより自信を無くした人は是非一読してみてください。

まさに「これを読んだからといって、内定獲得のテクニックを得ることは決してでき」ない本ですが、ある構造が可視化されることは確かだと思います。

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『若者と労働』への書評

Chuko「ともだちがいない人の日常」というブログで、拙著『若者と労働』への大変丁寧な読み解きとコメントをしていただいています。

http://blog.livedoor.jp/friendless_tomoe/archives/18411885.html

東大の労働法の荒木先生が推薦していた新書。荒木先生は「判例百選」という法学部生にポピュラーな判例評釈の本のなかでも本書を用いている。荒木先生が推薦するからには読まなければならない一冊だろうと思っていたが、まさにそのとおりだった。・・・

ありがとうございます。ただ、実は『労働判例百選(第9版)』のブルームバーグ・エル・ピー事件の評釈の中で引用されているのは、『若者と労働』ではなくて、『日本の雇用と労働法』の方なんですが、いやまあでも、それを契機に本書をここまで深く読んでいただいたとすれば、大変有り難いことです。

・・・非常にすばらしい本で、日本がいかに特殊な雇用慣行をとっているのか、その問題、今後の方向性まで示している。やや冗長な部分があったが、それでもこの本で得られた知見は日本の労働環境を考える上で必要不可欠なものだった。・・・

と述べて、本書のエスキスを見事に解説していただいております。

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『若者と労働』第6刷

Chuko拙著『若者と労働』に第6刷がかかることになりました。2013年に刊行して以来ほぼ4年ですが、この間着実にロングセラーとして読み継がれていることになり、改めて読者の皆様に感謝申し上げます。

改めてそのまえがきから

 若者の労働問題は何重にもねじれた議論の中でもみくちゃになっています。
 一方には、日本の労働社会では中高年が既得権にしがみついているために若者が失業や非正規労働を強いられ、不利益を被っていると糾弾する議論があります。他方には、近頃の若者は正社員として就職しようとせず、いつまでもフリーターとしてぶらぶらしているのがけしからんと非難する議論があります。現実社会の有り様をきちんと分析することなく情緒的な議論で世の中を斬りたがる人々が多いことの現れなのでしょうが、いつまでもそのような感情論でのみ若者の労働が語られ続けること自体が、この問題をきちんと位置づけ、正しい政策対応を試みる上での障害となる危険性があります。
 本書は、今日の若者労働問題を的確に分析するために、日本型雇用システムやそれと密接に結びついた教育システムの本質についてかなり詳細な議論を展開し、それを踏まえて若者雇用問題とそれに対する政策の推移を概観し、今後に向けた処方箋の提示を行います。
 そのポイントをごくかいつまんで述べれば、まず第一に、仕事に人をはりつける欧米のジョブ型労働社会ではスキルの乏しい若者に雇用問題が集中するのに対して、人に仕事をはりつける日本のメンバーシップ型労働社会では若者雇用問題はほとんど存在しなかったこと、第二にしかし、一九九〇年代以降「正社員」の枠が縮小する中でそこから排除された若者に矛盾が集中し、彼らが年長フリーターとなりつつあった二〇〇〇年代半ばになってようやく若者雇用政策が始まったこと、第三に、近年には正社員になれた若者にもブラック企業現象という形で矛盾が拡大しつつあること、となります。これらは、メンバーシップ型社会の感覚を色濃く残しながら都合よく局部的にジョブ型社会の論理を持ち込むことによって、かつてのメンバーシップ型社会でも欧米のジョブ型社会でもあり得ないような矛盾が生じているものと見ることができるでしょう。
 これに対して本書が提示する処方箋は、中長期的にはジョブ型労働社会への移行を展望しつつ、当面の政策としては正社員と非正規労働者の間に「ジョブ型正社員」という第三の雇用類型を確立していくことにあります。
 分かりやすく攻撃対象を指し示すようなたぐいの議論に慣れた方には、いかにも迂遠で持って回った議論の展開に見えるかも知れませんが、今日の日本に必要なのは何よりもまず落ち着いて雇用システムや教育システムの実態をきちんと認識し、一歩一歩漸進的にシステムを改革していくことであるとすれば、本書のような議論にもそれなりの意味があるのではないかと思われます。

これまでにいただいた各種書評はこちらにまとめてあります。

http://hamachan.on.coocan.jp/chukobookreview.html

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むかしの銀行員・・・

昨日の日経夕刊の「あすへの話題」というコラムに、元内閣府事務次官の松崇さんが「サラリーマン川柳」というエッセイを寄稿していて、その中に拙著のある部分が引用されておりました。

http://www.nikkei.com/article/DGKKZO13570750S7A300C1MM0000/

第一生命保険が毎年行っているサラリーマン川柳の入選作が発表された。今年は、政府が働き方改革の旗を振っていることもあって長時間労働是正などに関する句が目立つ。「効率化 提案するため 日々残業」「生産性 部長の異動で 急上昇」など思わず苦笑する句が多く選ばれている。
 それにしても、こんなに余裕のない働き方になってしまったのはいつ頃からだろうか。・・・

Chuko「いつ頃からだろうか」ということは、そのむかしはそうでもなかった、ということで、その一つのエピソードとして、拙著『若者と労働』のこの部分が引用されています。

・・・濱口桂一郎氏の「若者と労働」という本は、30年くらい前に銀行を定年退職した人の話として「俺たちの頃は、だいたい3時にシャッターを閉めたらある程度仕事をし、その後、近所の子供たちの野球のコーチをしていた」というエピソードを紹介している。・・・

で、その後には、私も講演なんかではよく引っ張り出す例の「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ」が出てきます。

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