『スキルとデキル』に労務屋さんが書評
刊行されたばかりの拙著『スキルとデキル』(角川新書)に、労務屋さんがさっそく書評していただいています。
https://roumuya.hatenablog.com/entry/2026/09/12/152514
アイキャッチ―な書名にもかかわらず、内容は本格的な職業教育/能力開発政策史(一部文部省案件も含みますが)なので、ある程度の予備知識がないと読み進めるのに苦労するかもしれません。私自身はといえば、濱口先生の過去作と同様、本書でも日本版デュアルシステムやジョブ・カード(中点の有無が紛らわしい(笑))、日本版NVQなどそれなりに関わった内容もあって懐かしさもある一方、労政や労働基準ほどには深入りしなかった分野なので、新たに知ることも多く勉強になりました。・・・・・・
その通りでありまして、キャッチ―なタイトルにもかかわらず、第1章から第5章プラス補章までは、職業教育訓練の歴史のコンパクトなまとめとしても使える内容になっていると思います。逆に、タイトルやオビで煽り立てている話はどこに行ったのかといらいらされるかもしれません。
そこが全開になっているのが、終章ととりわけ「おわりに」であります。
・・・ということで参考書として大変に有益な本ですが、著者のメッセージは終章と「おわりに」で展開されており、簡単に紹介すると(そんなに簡単に説明されては困りますとの苦情がありそうですが)日本企業では能力(特定業務を遂行できるスキル)に加えて(あるいはそれ以上に)今風にいえば協調性やコミュニケーション能力などの「能力」(本書で「デキル」と称されている、一種のメタスキルのようなものか)が重視されており、それによる賃金決定が生計費確保につながってきたのであり、したがって前者のスキルをリスキリングしましょうと行政が旗を振っても誰も乗り気にはならないでしょう、ということでしょうか。・・・
ですので、タイトルの煽りで買われた方は、まずは終章と「おわりに」から読まれた方がいいかも知れません。そこで書いてあることの歴史的検証として、前に戻って歴史叙述のところをぼちぼち読まれるというのも一法かと思います。
読者によっては、「おわりに」を読まれて怒り心頭に発する方もおられるかもしれませんが。
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