「外国人労働政策と日本型雇用システム」及び古賀玖美さんの書評@『季刊労働者の権利』366号
日本労働弁護団の『季刊労働者の権利』366号が「排外主義と外国人労働」という特集を組んでおり、そこにわたくしも「外国人労働政策と日本型雇用システム」を寄稿しております。
特集1 排外主義と外国人労働
2 ILO専門委員会の育成就労制度における募集・斡旋手数料を移民労働者に課すことを撤廃する提言 香川 孝三
11 外国人労働政策と日本型雇用システム 濱口 桂一郞
19 三重県職員国籍要件事件 金 銘愛
わたくしの論は、『外国人労働政策』のダイジェストですが、ちょうどこの号に古賀玖美さんによるこの拙著の書評が載っているので、その参考にも使えるかと思います。
1 はじめに日本の外国人労働政策は長らくフロントドア型ではなくサイドドア型であった。本音では人手不足を補うために外国人労働力を導入したいのに、建前上はそうではなく、労働者ではなく身分として在留を認める日系人が、入国後は労働者として自由に働けるという仕組みと、労働者ではなく学生のような立場である研修生として在留を認め、実際には労働者と同じ作業をさせるという仕組みが、1989年の出入国管理及び難民認定法(入管法)改正で設けられた。前者はほぼそのまま維持されたが、後者は後述のような経緯で少しずつ労働者性を認め、労働者として在留を認める方向にシフトしてきた。2 霞が関の権限争いと日本型雇用イデオロギーの影響
3 日系南米人というサイドドア
4 非就労在留資格としての研修
5 研修と技能実習の無原則的結合
6 技能実習の確立
7 特定技能というフロントドア
8 特定技能の前段階としての育成就労へ
9 労働力需給調整システムの問題
10 技人国と日本型雇用システムの矛盾
11 高度専門職の虚実
12 留学生のアルバイト
そして、この号の後ろの方の書評コーナーでは、古賀玖美さんによるこの本の書評が載っています。
濱口桂一郞 著 中央公論新社
『外国人労働政策-霞が関の権限争いと日本型雇用慣行が招いた混迷の30年史』 古賀 玖美
丁寧な紹介で、「新鮮かつ刺激的な一冊」と評価いただいております。
・・・・・政策の形成過程に焦点を当て、客観的な史料とともにその根本的なねじれの原因を解き明かす。歴史書でありながら外国人労働政策を巡る議論に新たなアプローチを試みるもので、新鮮かつ刺激的な一冊である。
本書は、外国人労働者政策が政治主導で行われ、労働政策からの観点を欠落させてしまっていたことを「混迷の30年」の教訓とする。育成就労制度の開始も控え、外国人労働者政策がなにかと注目を浴びる昨今、混迷の歴史と教訓を伝える本書の果たす役割はますます重要であると思われる。
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