水町勇一郎『「同一労働同一賃金」のすべて 第3版』
水町勇一郎『「同一労働同一賃金」のすべて 第3版』(有斐閣)をお送りいただきました。初版が働き方改革関連法成立前の2018年2月、新版がその翌年の2019年9月だったのに対し、第3版は7年後、いわゆる同一労働同一賃金ガイドラインが改定されたのを受けての刊行です。
https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641244108
初版、新版の時と基本的には同じ感想になってしまうのですが、鳴り物入り(安倍元首相曰く「同一労働同一賃金に踏み込む!」)で改正した割には、従前のパート法と労契法の有期規定を合わせて若干のおまけをつけた程度のものに、政治的に「同一労働同一賃金」という(少なくとも学問的にはミスリーディングな)ラベルを張って進めてきたこの政策を、その最大のイデオローグとして活躍した著者が、客観的な第三者の如き淡々たる筆致で描き出していくのです。
実は、ちょうど昨日、中央大学ビジネススクールの講義(日本の労働法政策)で、このテーマを取り上げたのですが、そもそも職務給を前提とした欧米の同一労働同一賃金と全く異なり、職務内容や配置が変更されることが前提の「通常の労働者」を中心に置いた均等・均衡処遇の理屈がかくも奇妙なものになるのかという話に、「ずっと謎だったことがようやくわかった」という感想が来たように、依然として多くの人々は何が同一労働同一賃金なのか、腑に落ちないまま今日に至ってきているように思われます。
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