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2026年4月14日 (火)

ジョブ型って、どの部分のジョブ型?

日経新聞のこの記事に対して、

会社員の4割超が「静かな退職」、20代は半数 マイナビ調べ

マイナビは13日、必要最低限の仕事しかしない「静かな退職」に関する調査をまとめた。同調査では会社員の46.7%が静かな退職をしていると答え、前年調査から2.2ポイント増えた。20代では50.5%だった。・・・

山下ゆさんがこう嘆いていますが、

https://x.com/yamashitayu/status/2043900863245365372

必要最小限の仕事をしているのに、それが「静かな退職」などと呼ばれてしまう国でジョブ型雇用をわかってもらう難しさ…

これはもう百万回くらい繰り返してきたことですが、ジョブ型雇用社会って、上澄みも下積みもジョブの原理でできているとは言いながら、その中身が対照的なんですね。

先週刊行された『中央公論』のエッセイに載せたこの図が分かりやすいと思いますが、

Chuko2605_fig1_20260414204201

・・・一言でいえば、日本のホワイトカラー職場には、管理職兼専門職兼事務職の総合職サラリーマンという一種類の職種しか存在せず、上から下までマネージャー的、スペシャリスト的、アシスタント的なタスクがその割合を少しずつ変えながら連続的に分布しているのである。これは戦時体制と戦後改革によって作り上げられた戦後日本独自の雇用システムであって、戦前に存在した「入社時から管理職」というエリート層はいなくなり、みんなヒラ社員として入社し同期で猛烈に競争して管理職に出世していくという仕組みである。専門職とは多くの場合、管理職になれない者の処遇のためのポストの名称であった。この競争的平等主義システムは、猛烈サラリーマンを生み出し、日本の高度成長に貢献した一方で、過労死を始めとする様々な社会問題の要因ともなった。・・・

ジョブ型の上澄みは自己裁量権が与えられ、自発的にばりばりどんどん仕事を進めていくエグゼンプト型のジョブ型であるのに対し、ジョブ型の下積みは裁量性はほとんどなく、まさに職務記述書に書かれた範囲のことだけをきちんとやるだけのノンエグゼンプト型の「静かな退職」タイプ。

それに対して、日本の職場は上から下まで一つながりの連続体であって、管理職と言えどもジョブ型のマネージャーに比べて裁量権が乏しいし、ヒラ社員といえども言われたことだけやっているなんてことは許されず、自発的にばりばりどんどん仕事を進めていくことが期待される。

そして、なぜか経団連や日経新聞は、多数を占める下積みのジョブ型は全く目に入らず、上澄みの裁量的で自発的なエグゼンプト型だけがジョブ型だと思い込んで、それに引き換え日本のカウンターパートはちんたらちんたらやってるだけの情けない連中だとばかり罵る。

いやいや、それは少数派の上澄みジョブ型の話であって、多数を占めるノンエグゼンプト型のジョブ型のランクアンドファイルの連中に比べると、日本のヒラ社員たちの猛然と自発的に働きたがる姿勢はすさまじいものがあるんだけれど、それがちょびっとでも薄れかけてくると、「静かな退職」と罵らざるを得なくなるようですね。

 

 

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コメント

「経営」の話を聞いていたはずなのに、いつの間にか最近のヒラ社員ケシカラン!みたいな話に収斂していく...という事例が何件かあり、この裁量性の連続の図表を思い返していたところです。ノンエクゼンプト型のジョブ型ランクアンドファイルをやりたい(=「静かな退職」をしたい)というニーズは間違いなくあるのに、一知半解でじょぶ型カイカクをやりたがる人達にはそういう層がいない/そういう層が目に入らない、というミスマッチをどうしたものか、と思います。

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