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2026年4月 2日 (木)

『現代フランス労働法令集Ⅰ―総則、契約終了―』

外国労働法の研究には、法令集があると便利です。JILPTの山本陽大さんが中心になって編集した『現代ドイツ労働法令集』は各方面から評価されていますが、他の国のはないのか?というお声も聞かれました。

France 今回、JILPTの岩堀佳菜さんが中心になって、青山学院大学の細川良さん、宮崎大学の古賀修平さんとともに編集したフランス労働法令集の第1巻が、資料シリーズの形で世に出ました。

https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2026/documents/0300.pdf

第1巻は総則と雇用終了を収録しています。

 本資料シリーズは、「まえがき」に示した通り、日本における労働法政策の立案・形成に資するための第一次的な参照資料を提供することを目的とする。フランスの労働法令は、日本や、すでに山本陽大[編著]『現代ドイツ労働法令集』(労働政策研究・研修機構、2022 年)等により邦語訳が提供されているドイツ2のように、労働関係に関する規律が個別の法律に分散して規定されているのとは異なり、労働法典(code du travail)として体系的に法典化されている。フランス労働法令は、法典化されて以降、収録条文数が増加傾向にあり、直近では条文数が 11,000 を超えている。したがって、これらすべての条文を訳出することは、条文改正が頻繁に行われていることとも相まって、大きな困難を伴う。そこで、本資料シリーズでは、さしあたり現在の日本の労働法政策の立案・形成において、より重要な位置づけを有する個別的労働関係法に関する規定のうち、フランスにおける立法が現在特に関心を集めているものと考えられる以下の領域について、優先的に検討対象とすることとした。
 第一に、法の基本ルールを定める労働法典第 1 巻「総則」については、法の適用におけるルールや、フランスにおいて重要な基本的権利に関する規定が置かれていることから、フランスの労働法典の理解の上での大前提となるものとして、訳出を行った。「総則」部分は全5編(適用範囲と従業員数の算出〔第1編〕、企業における権利と自由〔第2編〕、差別〔第3編〕、女性と男性の間の職業上の平等〔第4編〕、嫌がらせ〔第5編〕)から成り、その多くがフランスにおける基本理念を反映した規定であり、同時に、日本における労働政策の立案・形成に関して、フランスの立法が注目を集める領域を多く含んでいる。
 第二に、労働法典第2巻「労働契約」については、第3編「期間の定めのない労働契約の破棄」に関する規定を訳出した。「労働契約」に関する規定は全7編から成り、いずれも重要であるが、とりわけ期間の定めのない労働契約の破棄については、フランスの労働法令の特徴である、実体規定および厳格な手続き規定を定めていること、法定合意解約等、注目すべき独自の立法がなされていることに加え、日本において近年、解雇をはじめとする契約終了にかかる紛争解決のあり方をめぐる政策的検討が進められていることを踏まえ、他の編に先立って訳出することとした。
 本資料シリーズは、以上の領域について訳出の対象とした。今回対象とするに至らなかった領域については、今後、逐次訳出・刊行する予定である。

Iwahori なお、岩堀さんは同時に、『フランスにおける自営業者の職業能力開発法制』というディスカッションペーパーも公表しています。フリーランスの労働に関わる問題は近年様々な分野で議論されてきていますが、フリーランスの教育訓練というテーマはこれまで欠落していた部分のように思われ、このDPの知見は色々と参考になります。

https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2026/documents/DP26-03.pdf

 

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