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2026年3月17日 (火)

水町勇一郎『労働法 第11版』

L24404 水町勇一郎さんの超絶分厚くない方のそれでも結構中身の詰まったテキスト『労働法 第11版』(有斐閣)をお送りいただきました。まことに正確に2年おきに刊行されているシリーズです。

https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641244047

第10版以降2年間の法令改正をフォローするとともに,130件を超える新判例を解説。好評の事例もアップグレードした。学修に,実務に,研究に。社会と法のダイナミックな変化を取り込んで,理論的な道筋を明確に,労働法の全体像とエッセンスを描き出す。

このテキストの特徴は、主要判例を固有名詞だけどこかで聞いたような名前に変えて事例として掲げているところです。

事例52

 荒木鐵工所で働いている神吉さんは、ある政治団体への勧誘活動を非公然に行っていたところ、同社の同僚で同じ政治団体に加入していた石崎さんが突然失踪した。同社は、石崎さんの失踪について調査を行う中で、石崎さんと神吉さんが同じ政治団体に加入していることを示す資料を入手した。同社の人事部長である笠木さんは神吉さんと面談し、その資料を神吉さんに提示したところ、神吉さんは茫然自失の態でしばし沈黙した後、突然退職する旨を告げ、慰留も拒み、「一身上の都合」と記入した退職届を提出した。人事の最終決裁権者である笠木人事部長は、この退職届を受領した。翌日、神吉さんは弁護士と相談し、同社宛に退職の意思表示を撤回する旨の内容証明郵便を送付した。退職の撤回は認められるか?

なんだか社内の人々の顔が生々しく思い浮かんできてしまいますが、いやもちろんこれは大隈鐵工所事件(最三小判昭和62年9月18日労判504号6頁)の固有名詞だけ変えたものです。普通の判例紹介ではたとえば、

退職届の撤回に関する基本的な判例は大隈鐵工所事件(最三小判昭和62918日労判5046頁)である。本件は、鉄工業を営むYの社内で同期入社の同僚と共に政治団体の活動を行っていたXが、同僚の失踪について上司から事情聴取されたときに、自分は関係ないと述べてA人事部長に退職届を提出し、その翌日にその撤回を申し入れたが拒否されたという事案である。本判決は、「A部長がXの退職願を受理したことをもって本件雇用契約の解約申込に対するYの即時承諾の意思表示がされたものというべく、これによって本件雇用契約の合意解約が成立したものと解するのがむしろ当然」と判示した。

というような無味乾燥な感じになるので、生々しさは格別です。

 

 

 

 

 

 

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