金沢大学能登半島地震と法研究会編・早津裕貴編集代表『災害をめぐる法と政策を考える』
金沢大学能登半島地震と法研究会編・早津裕貴編集代表『災害をめぐる法と政策を考える 能登半島地震・奥能登豪雨を通じて』(日本評論社)をお送りいただきました。
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/9691.html
令和6年に能登で発生した地震と豪雨。「現場の声」をもとに、研究者をはじめ多分野にわたる専門家が法的支援のこれからを考える。
目次は下記の通りですが、第6部の「復旧・復興の現場を支える人々」が被災地対応の最前線に立つ公務員を取り上げています。早津さんの最終章の一つ前に、JILPTの前浦さんが「被災自治体職員の離職意向の背景──自治労石川県本部のアンケート調査を基に」を書いていて、こう述べています。
これまでの災害対応は、自治体職員の努力で何とか乗り切るという方法が採られてきた。しかし、本章の分析結果が示すことは、これまでと同じやり方では、今後は対応しきれなくなるということである。もちろん、能登半島で発生した自然災害からの復興は最優先事項であるが、それと同時に、被災地の復興に関わる取組みの一つに、被災自治体の離職防止を位置づけ、平時からその対応策を構築しておく必要があるのではないか。
これを受けて、編者の早津さんも最後にこう述べています。
被災地では多くの公務員もまた奮闘している。しかし、「公務員叩き」といった風潮も存在した中で、公務員にかかる予算・人員は削られる傾向にあり、被災自治体も、応援職員を送り出す職場も、平時からギリギリの人員体制で公務を支えているのが現状である。
もちろん、人口減少が続く自治体では、財政難の中で安易に人員増に踏み切ることができない事情もあろう。しかし、日本社会全体の問題として、日々の国民・住民の生活とは切っても切り離せない「公務」の持続可能性を考えた場合に、はたして公務員の置かれた状況が今のままでよいのかどうか、どこか「公務員なのだから、どんなにしんどくても頑張って当たり前」と傍観してしまっていないかどうか、読者の皆さまも、この機会に改めて考えてみていただければ幸いである。
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