山下ゆさんの拙著書評
ネット書評家として名高い山下ゆさんが、拙著『管理職の戦後史』(朝日新書)を取り上げてくださいました。
http://blog.livedoor.jp/yamasitayu/archives/52428053.html
「メンバーシップ型雇用」「ジョブ型雇用」などの用語を普及させ、日本の雇用システムについてその特徴を明らかにしてきた著者が日本の管理職の問題に迫った本。
以前の著者の本でも書かれていたことですが、日本だと中途採用の面接で来た中高年が「部長ならできます」と言えばそれは笑い話として消費されてしまいますが、欧米では当たり前の受け答えになります。「管理職」という職務がしっかりと確立しており、ビジネススクールでマネジメントについて学んできた人が就くポジションだからです。本書は、そんな日本の管理職の特殊性を戦後の歴史を紐解きながら探り、アメリカの影響を受けた労働法と実際の日本の管理職のズレと、そこから生まれるさまざまな問題を論じています。
著者は複数のレーベルから新書を出していますが、同じ朝日新書から出た『賃金とは何か』と同じく、この新書もやや硬めで決して読みやすいとは言えませんが、「なぜ管理職が罰ゲームになってしまったのか?」ということがよく分かる内容になっています。
少し前のXでの短評でも言われていたように、「この新書もやや硬めで決して読みやすいとは言えません」というのはやはり確かなようです。
書いているときは、話の中身が結構波乱万丈で自分で書きながら面白いので、ついつい原資料を長々と引用してしまいがちになるんですが、そうすると一般読者にとっては読みにくくなってしまうんですね。
冒頭にも書きましたが、資料や法令などで管理職の実態を浮かび上がらせようとするスタイルは新書にしてはやや硬めかもしれません
個人的には今までの新書との重複を恐れずに、例えば、最後のほうのパワハラの話などを紙幅をとって論じたほうが多くの人が手に取りやすかったのではないかと思いますが、その代わりに日本の労働法と実態のズレといった部分は印象に残りました。
本書は、日本の管理職の困難を歴史と法制度の両面から教えてくれる内容になっています。
まあ、パワハラの話はそれだけで一冊の本にできるネタでもあるので、むしろ、資料部分をもっと削るべきだったかな、と今は思っています。
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