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2025年12月16日 (火)

フィンランド人と汎ツラニズム

フィンランド人がアジア人を馬鹿にした云々という騒ぎを聞いて、

フィンランド、ミスや国会議員つり目投稿 くり返されるアジア人差別

恐らく今日の日本人のほとんど誰一人として記憶していないかもしれないけれども、戦前結構流行ったイデオロギーに汎ツラニズムというのがあって、東は日本から、朝鮮、満州、モンゴル、ウイグル、トルコ、ハンガリー、フィンランドまで、ユーラシア大陸を東西に貫くいわゆるウラル・アルタイ系の民族運動があったことを思い出しておりました。

ごく簡単には、Wikipediaに「ツラニズム」という項目がありますが、

ツラニズム

この政治イデオロギーはフィンランド人ナショナリストで言語学者のマティアス・カストレンに起源を発する。カストレンは汎ツラニズムのイデオロギー、すなわちウラル・アルタイ系民族の人種的な統一性と将来にわたる重要性の信念を擁護し、フィン人は中央アジア(アルタイ山脈)に起源をもち、ハンガリー人、テュルク人、モンゴル人などを含む民族集団の一部であったと結論付けた[1][2]。カストレンは汎トルコ主義におけるすべてのテュルク人のみならず、より広範に類縁関係のツラン人種、すなわち「ツラン語族」の話者としてウラル・アルタイ人種の団結を唱えたのである。アーリアンという語のように、〈ツラニアン〉と言う語は言語学用語として主に用いられ、ウラル・アルタイ語族に相当するものとされた[3]。

Linguistic_map_of_the_altaic_turkic_and_
 

Turan01 今岡十一郎『ツラン民族運動とは何か』日本ツラン協会(1933年)は、国会図書館デジタルコレクションで読めますが、「ハンガリー人、トルコ人、フィンランド人、バスキール人、タタール人、蒙古人、満州人、朝鮮人などと『ツラン民族同盟』を組織」していたのですな。いや、まじめに、そういうイデオロギーがあったのですよ、.そしてその言い出しっぺはフィンランド人だったのです。

Turan02

Turan03 ちなみに、デジコレでは他にもツラニズム関係の本が何冊も読めますが、野副重遠の『日本民族指導原理としての汎ツラニズム』には、ユーラシア北半をツラン系同胞民族の祖国を描く地図も載っています。

Turan04

「吊り目」でアジア人差別ごっこをしているフィンランド人が、その吊り目のアジア人と同族であるとしてかくも壮大な世界民族闘争計画を立てていたという事実は、残念ながら当のフィンランドでも、それに感動奮起してツラン同盟を訴えた我が日本においても、ほぼ完全に忘れ去られているということなんでしょうね。

Turan00 も一つ、デジコレから野副重次『ツラン民族運動と日本の新使命』所収の、フィンランド人詩人ラリンキュオスチの「日本に捧ぐ」という詩を紹介しておきましょう。「我ら二つの国をつなぐ 伝統ゆかしき自由の日本 解放されし若きスオミ」云々には、ロシア帝国から独立を果たして意気盛んなフィンランド人の民族意識がよく現われています。

Turan01_20251218132701

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Turan03_20251218132801

 

 

 

 

 

 

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