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2025年12月22日 (月)

桓檀古記騒動

先日、『労働新聞』に寄稿した書評は、「東日流外三郡誌」という偽書をめぐる新聞記者の奮闘を描いた「斉藤光政『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』」でしたが、

斉藤光政『戦後最大の偽書事件「東日流外三郡誌」』@『労働新聞』書評

実は日本というのはこの手の古代史を騙る偽書がゴマンとある国でして、大きな本屋さんに行くと、古史古伝コーナーというのがあって、上記(うえつふみ)だの秀真伝(ほつまつたえ)だの、宮下文書(富士古文書)だの竹内文書だのといった、超古代史本が所狭しと並んでいます。

Img_cb05ba146e72d5ba58062aaf872530144020 つい最近も福井県で、ひな祭りの発祥は福井県越前市だという話の根拠にホツマツタエが持ち出されるという悲劇が起っていたようです。

ひな祭り発祥地、福井県越前市か…歴史書「ホツマツタヱ」に原型儀式の記述

2025121680115_0 この手の古史古伝にコロリという現象は、日本だけではなくお隣の韓国でもはびこっているようで、李在明大統領が桓檀古記に言及したということで、歴史家たちが困惑しているようです。

公の場で偽書「桓檀古記」に言及した李在明大統領に韓国歴史学界は困惑顔

『桓檀古記』は、檀君朝鮮以前に桓国3301年、倍達国1565年の歴史が存在し、韓国史の始まりは1万年前にまでさかのぼり、桓国の領土はアジア大陸のほぼ全てを含む「南北5万里、東西2万里」だったと記している。また「12の桓国の一つである須密爾(スミリ、スミル)は、世界最高の文明を築いたシュメール」と解釈され、世界の文明は韓民族から始まったという主張の根拠となった。中国神話の人物だった蚩尤が、『桓檀古記』では「倍達国第14代の王だった」と記されたことから、サッカー韓国代表の応援団のシンボルになるなど、社会的影響も少なくなかった。

 しかし学界では、偽書だという根拠は明白だとみている。内容の大半が他の歴史書には全く書かれていない上に▲1979年以前に『桓檀古記』を見た人物が李裕岦以外にいない▲「国家」「人類」「世界万邦」「男女平権」など、近代以降に出現した漢字語が多く書かれている▲考古学的にも桓国や倍達国の時期は国家が生まれていない新石器時代だった-といった理由からだ。

 概して『桓檀古記』を「本物」と考えるのは保守傾向の人々だとされているが、2008年に『新翻訳 桓檀古記』を出版した人物は、「主体史観で我が国の歴史を捉えなければならない」と主張していた親北傾向のカン・ヒナム牧師だった。左派の民族主義陣営にもあがめられる書物だったというわけだ。

「エセ歴史学に対して断固たる立場を」 韓国の歴史学界、李在明大統領「桓檀古記」発言に批判声明

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コメント

おお!hamachan先生らしい素晴らしい記事です(^-^)

韓国の檀君神話は中公新書「物語韓国史」(金両基著)の冒頭にも出てきますが、初めて読んだ時は驚きました。
「おいおい、韓国人は記紀の天照大神は皇室の祖先であるとか、日本の初代天皇は神武天皇であるという主張を否定しているのに、自分たちも似たような事を言ってるのかい」と困惑したものです(^^;

別記事にありましたかつてフィンランドに存在した汎ツラニズムもフィンランド版「古史古伝」「檀君神話」と言えなくもないですね。

まあ、北朝鮮は平壌郊外にでかいピラミッドのような檀君陵を造り、国宝に指定しているくらいですから、ほとんど神権政治というべきなんでしょう。

汎ツラニズムは、この手のやつとは違い、神話伝説の類は全くなく、近代言語学によってフィンランド語がウラル・アルタイ語族に属するとされたことから、それまでそんな発想はかけらもなかったのに、ユーラシア大陸の東西を貫く同族意識が新たに生み出されたものでしょう。

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