石井保雄『沼田稲次郎の労働法学』
石井保雄『沼田稲次郎の労働法学』(旬報社)をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://www.junposha.com/book/b671078.html
戦後労働法学は80年に近い時間を重ねてきた中で、当初から大きく二つの理論的な潮流が対抗していたといわれる。本書は、その潮流のひとつである「プロレーバー労働法学」をけん引し、多くの労働法学徒の支持・共感を集め、学界の主流を占めた沼田稲次郎(1914~1997年)の研究の軌跡を通し、その思索と生涯を追った研究書である。
前著『わが国労働法学の史的展開』が、末弘厳太郎、孫田秀春、森山武市郎、木義男、中村武、永井亨、菊池勇夫、津曲蔵之丞、後藤清、吾妻光俊、浅井清信といった創生期の労働法学者たちの評伝集であったのに対し、ほぼ同じくらいの分厚さの本書は、その全てが沼田稲次郎という一人の労働法学者に注ぎ込まれています。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-df2d.html
その内容は次の通りですが、
序 章――戦後労働法学と「戦後労働法学」
第一章 「戦後労働法学」以前――沼田稲次郎の青春
補 章 翻刻/沼田稲次郎「労働協約理論史の一齣」稿
第二章 唯物史観労働法学の開局と形成――敗戦時から一九五〇年代初め
第三章 唯物史観労働法学の展開――一九五〇年代から一九六〇年代初め
第四章 唯物史観労働法学の成熟と終局――一九六〇年代中頃から一九八〇年代初め
終 章――沼田の長逝と「戦後労働法学の見直し」論
実はこの浩瀚な本の中に二か所、注として、わたくしの論が引用されています。
一つ目は391ページの注49で、労基旬報に書いた「戦後労働法学の歴史的意味」で、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-b38a94.html
もう一つは、449ページの注137で、『HRmics』に寄稿した「帰ってきた原典回帰最終回 沼田稲次郎『現代の権利闘争』」です。
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-e9b6bb.html
おそらく、石井さんのまなざしに比べると、私の沼田に対する視線は限りなく冷ややかに見えるだろうと思うのですが、でも沼田の議論は論ずるにたる面白さがあるのも確かです。
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