常見陽平『日本の就活』
常見陽平『日本の就活 新卒一括採用は「悪」なのか』(岩波新書)をお送りいただきました。
https://www.iwanami.co.jp/book/b10151795.html
何社にもエントリーシートを提出し、厳しい面接を繰り返し、ひたすら内定を追い求める。この就職戦線には学歴フィルターにオワハラ、学業の阻害といった様々な問題が山積みだ。財界も学者もその原因は「新卒一括採用」にあるという。しかし本当にそうなのか? 就活の現実を直視し、労働社会の根幹にメスを入れる。
副題にあるように、またオビにでかでかと書かれているように、新卒一括採用が「悪」なのかという問いに徹底的に向き合った本です。
ただ、私からすると、新卒一括採用というのは、終身雇用とか年功序列とか企業別組合とか、はたまた定期人事異動とか解雇回避努力義務とか定年後再雇用だとか、全て諸々と同じように日本型雇用システムがもたらす不可避的な現象です。その現象の一つだけと取り上げてあれこれあげつらってみても、あんまり意味がないんだよと言うことを私自身は繰り返し語ってきましたし、とりわけ本書の対象である若者の学校から仕事への移行については、もう12年前の『若者と労働』で嫌というほど論じ、新卒一括採用のメリットもデメリットも全て表裏がピッタリと張り付いているのであって、都合のいいところだけつまみ食いができるようなものではないと論じてきたことなので、正直あんまり目新しいことが書かれている感じはしませんでした。
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