おんなこどもとウルトラマンと雇用システム
今から60年近くも昔のテレビ番組なので、初代ウルトラマンを見ていると、この間の社会の変化を痛感させられることが多く見られますが、やはりフジ・アキコという紅一点の科学特捜隊隊員と、小学生のくせになぜか隊員になっているホシノ少年の描き方に、この約2世代の間の変化の大きさを感じます。
たまたま今朝、NHKBSP4Kでウルトラマンの再放送をやっていたので、懐かしさのあまりじっと見入っていましたが、冒頭、大武山付近で起こった怪異現象に対して、イデ隊員が「おんなこどもで十分」と口走ったことで、フジ隊員が一人で出動、と思いきや、例によってホシノ少年もビートルに乗り込んでいた、という設定で、まさに「おんなこども」状態。そこに毒ガス怪獣ケムラーが登場し、ビートルは不時着し、フジ隊員とホシノ少年は気を失う。そこに迫るケムラー。
先に目覚めたホシノ少年は、無線でムラマツ隊長の指示を受けながら、必死でビートルを操縦して怪獣の魔手から抜け出す。やたらに複雑怪奇な操縦方法を、隊長の指示に従って一生懸命学んでいくホシノ少年。
その後、いろいろあって、最後の場面は、病院に入院しているフジ隊員の病室で、見舞いに来たムラマツ隊長以下、アラシ隊員(毒蝮三太夫)とイデ隊員が、(実はウルトラマンの)ハヤタ隊員がいるのを見て喜び、フジ隊員曰く「私のお見舞いに来たんじゃなかったの?おんなこどもは軽く見られるんだから・・・」
いやたしかに、この番組、おんなこどもを軽く見る当時の感覚が満ち溢れていますが、より細かく見ると、おとなのおんなはいざというときに気を失って使い物にならない「職場の花」扱いであるのに対して、おとこのこどもの方は、資格がなくても現場に潜り込み、(日本型雇用システムが誇る)オン・ザ・ジョブ・トレーニングでもってスキルを身につけ、現場で役に立つ人材に育っていくという、まさに日本型雇用システムの理想像が描き出されているのですね。
そういう意味で、60年前の日本の職場の感覚を知るためには、ウルトラマンを見るのが一番ということで。
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