石山恒貴『人が集まる企業は何が違うのか』
石山恒貴『人が集まる企業は何が違うのか』(光文社新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。
https://books.kobunsha.com/book/b10146600.html
日本企業の仕組みは、なぜ変わりにくいのか――。本書ではその理由を「三位一体の地位規範信仰」にあると分析する。三位一体の地位規範とは、無限定性(正社員総合職という働き方に代表される)、標準労働者、マッチョイズムを意味する。日本企業の仕組みと日本的雇用の在り方を変えるには、何が必要なのか。組織行動論、越境学習、キャリア形成の研究者が示す、人口減少・労働力不足の時代に必要な「10の提言」。
このメインタイトルからすると、企業に人が集まるようにするにはこうしなさいというハウツーもののように見えますが、中身はむしろ、日本型雇用システムの歴史をひもとき、現在それが露呈している様々な矛盾を指摘して、その解決の方向性を指し示すという骨太な本です。
オビの「強大な人事権を縮小せよ!」というのが、その一部を示してはいますが、メインタイトルとちょっとずれがあるように感じました。
目次は以下の通りですが、ここでいう「三位一体の地位規範信仰」とは、(正社員総合職の)無限定性、標準労働者、マッチョイズムを指しており、わたしのいうメンバーシップ型規範とほぼ同じです。
その意味ではその主張はそれほど目新しいものではないのですが、その歴史を細かくたどり、とりわけあまり他の人が注目しない1955年の生産性3原則をその地位規範信仰が確立した出発点ととらえているところが、興味深い点です。
はじめに
【1章】生産性三原則という神話の誕生
【2章】三位一体の地位規範信仰
【3章】三位一体の地位規範信仰はなぜ時代に合わないのか
【4章】三位一体の地位規範信仰成立の歴史
【5章】三位一体の地位規範信仰はなぜ変わりにくいのか
【6章】従来の処方箋の限界
【7章】変革の処方箋ーー無限定/限定中立社会へ
[提言1]グランドデザインの明確化
[提言2][企業に対して]本人同意原則の導入ーー企業が自ら強大な人事権を放棄する
[提言3][企業に対して]無限定/限定の処遇中立化
[提言4][企業に対して]ライフキャリア最優先企業の実現
[提言5][企業に対して]企業のあり方の再定義と日本企業的パターナリズムの放棄
[提言6][企業に対して]ICTを活用して「社員の平等」の強みを活かす
[提言7][企業に対して]入口改革ーー構成する人材の多様化とオンボーディングの強化
[提言8][企業に対して]出口改革︱定年の見直し、オフボーディングの強化
[提言9][労働組合に対して]無限定/限定の中立化と多様な働き手の包摂
[提言10][国・社会に対して]グランドデザイン(無限定/限定中立社会)の実現
おわりに
最後の第7章で提示される10の提言は上記の通りですが、「無限定/限定中立社会」がその根幹に位置するものです。
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