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2025年8月 7日 (木)

河野龍太郎・唐鎌大輔『世界経済の死角』

9784344987807 河野龍太郎・唐鎌大輔『世界経済の死角』(幻冬舎新書)をお送りいただきました。

https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344987807/

 新NISAの導入をきっかけに海外の金融資産を保有する日本人が増加するなど、日本経済はかつてないほど世界経済への依存度を高めつつある。
そうした中、トランプ大統領による相互関税措置を受け、国際金融市場は大きく揺れ動いている。
しかし、そもそも世界経済には、日本人が見落としがちな「死角」がいくつも存在する。それらを押さえずして先の見通しを立てることはできない。
そこで本書では超人気エコノミストの2人が世界経済と金融の“盲点”について、あらゆる角度から徹底的に対論する。
先の見えない時代を生き抜くための最強の経済・金融論。

タイトルは、河野さんのベストセラー『日本経済の死角』になぞらえてつけたとおぼしいですが、お二人のテンポよい会話であれこれが見事に斬られていくのは心地よい読後感です。

非常に多くのことが語られているのですが、思わず膝を打って「そうそう!」と思ったのは、「なぜ日本には“一発逆転”を狙う政策が多いのか」に対する説明です。

唐鎌 金融緩和に限ったことではないのですが、日本の政策論壇を見ていて常に感じるのは、何か問題が起ると「一発逆転」の妙手にすぐ飛びついてしまう傾向があるということです。・・・

河野 日本でこうした「一発逆転型」の政策が増えた背景には、いろいろな要因があると思いますが、1990年代に行われた選挙制度改革や行政改革の影響も大きいと思います。・・・

河野 ・・・しかし、日本では官邸の意向を実行する部署に優秀なエース人材を集中させるため、データの作成や分析に人員を割く余裕がありません。その結果、政治家の耳学問に基づいたアイディアを、そのまま政策に落とし込む傾向が強くなってしまいました。

唐鎌 まさに一発逆転型の政策が重宝されるメカニズムですね。これは重要な話です。

河野 それがアベノミクスなのですよ。

このやりとり、実にじわじわきます。じわじわ、じわじわ・・・。

ところで、唐鎌さんはバローゾ時代の欧州委員会に勤務していたのですね。時期は違いますが、ブリュッセルの街を経験しているのですね。

 

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コメント

まだアベノミクスゆうてるのは、誰も総括してないのか、次が出てないのか、まだまだアベ商法が通じるからなのか。

>まだアベノミクスゆうてるのは、誰も総括してないのか、次が出てないのか、まだまだアベ商法が通じるからなのか。

 全部でしょう(^^;

>「なぜ日本には“一発逆転”を狙う政策が多いのか」

ギャンブルで破滅する人は、負けが込んできた時に
  次の勝負に勝って今までの負けを取り戻そう
と考えて大金をかけて負け、それを繰り返して真っ逆さま というケースが多いそうです。
第二次大戦でも、1944年になって負けが込んできた日本軍が
  大きな勝利を挙げてこれまでの負けを帳消しにして連合国に講和を申し込もう
と考えて行ったのがインパール作戦だった という話を聞いた事があります。その点では緒戦の不利な状況でも一発逆転を狙わず耐え忍び、少しずつ押し返して最後に勝利した蒋介石や毛沢東には敵わないと思います。
現在の“一発逆転政策”の典型がラピダスだと思います。これは世界最先端の技術(2nm)によるロジック半導体の開発・量産を目指すプロジェクトです。現在の日本の技術(40nm)は世界レベルでは20年近く前の水準なのでいきなり世界最先端を目指すのは大逆転政策だと思います。ラピダスでは世界で最初に2nmに成功したIBMが協力する事になっていますが、それだけで2nmの製品を量産できるとは思えません。上手い例えではないかもしれませんが、私が
  前回オリンピックのマラソンで優勝した選手のコーチが指導してくれるので、
  次回オリンピックのマラソンでの優勝を目指します
というようなものだと思います。中国は2nmより3世代古い7nmの技術を実用化し現在は次の5nmの技術を開発中だそうです。日本と違って最先端技術が導入できないという不利がありますが、いきなり最先端の2nmで大逆転ではなく、できる範囲から実現していくという中国のやり方は着実であり今回も中国の方が最後に勝つような気がします。
戦前の対米開戦に関する会議で賛成派が
  経済制裁でこのままではジリ貧だが今開戦すれば戦える
と“一発逆転政策”としての開戦を主張したのに対して反対派は
  ジリ貧を避けようとしてドカ貧にならないように願いたい
と述べたそうです。“一発逆転政策”の連発でこれからの日本がドカ貧にならない事を願っています。

   石破首相退陣→高市内閣成立→大規模減税と進行したら、一発逆転ならぬドカ貧確実ですね(苦笑)。
  「進歩のない者は決して勝たない 負けて目覚める事が最上の道だ 日本は進歩という事を軽んじ過ぎた」(『戦艦大和ノ最期』)

>石破首相退陣→高市内閣成立→大規模減税と進行したら、一発逆転ならぬドカ貧確実ですね(苦笑)。

 高市内閣成立して大規模減税策が発表されたら、確実に日本版トラスショックでしょうね。
 それで自民党や参政党を含む右派が完全にこけて、英国の労働党のように左派が政権奪還!・・・と日本ではならないのが悲しいですね。
 立憲民主党も国民民主党も党名の通り右派に近いですから。
 井手英策さんに平謝りして井手さんの政策を全面採用する、と言うクソ度胸のある政治家はほぼ皆無(^^;

 その英国のスターマー労働党政権も新自由主義的な考えを完全払拭できず、社会保障予算を削減しているため、地方選でファラージの改革党の擡頭を招いてしまいました。
 最近スターマー政権がパレスチナの国家承認を打ち出しましたが、これはコービン派の復帰を狙ってもいるのだろうか、と勘繰っています。

SATO殿

> 「進歩のない者は決して勝たない 負けて目覚める事が最上の道だ 日本は進歩という事を軽んじ過ぎた」(『戦艦大和ノ最期』)

パンドラの箱ではありませんが、あのドカ貧大敗北の果てに得た貴重な教訓だと思います。しかしあれから80年も経つとドカ貧大敗北を体験せず目覚めていない方が増えている気がします。今の日本はそれらの方を目覚めさせるくらいの敗北には耐えられないと思うので、負けなくても目覚めさせる別の道があればよいのですが。

balthazar殿

>それで自民党や参政党を含む右派が完全にこけて、英国の労働党のように左派が政権奪還!・・・と日本ではならないのが悲しいですね。
>立憲民主党も国民民主党も党名の通り右派に近いですから。

以前にもお伺いしたかもしれませんが、balthazar殿の仰る ”右派” や ”左派” の定義を教えて下さい。
世間一般では ”右派” というのは保守つまり理論よりも伝統を重視する立場だと思いますが、それと経済政策とは無関係だと思います。例えば第一次安倍政権は、教育基本法を改定したり戦後レジームに反対したりして、第二次安倍政権よりも保守的な政策を行いましたが経済政策は普通だったと思います。balthazar殿は第一次安倍政権を ”右派” だとお考えでしょうか?


>その英国のスターマー労働党政権も新自由主義的な考えを完全払拭できず、社会保障予算を削減しているため、地方選でファラージの改革党の擡頭を招いてしまいました。

私は、労働党政権が増税をせず社会保障予算を削減しているのは新自由主義的な考えに基づく(増税はできるがやらない)からではなく、増税はやりたくても出来ないからだと思います。英国の主要産業である金融業ではごく少数の極めて優秀な方が莫大な収入を得られます。そしてそのような方は英国以外の国でも同じように収入を得られます。
これは私の感想ですが、そのような国の政府はジョブ型雇用の会社の経営者のようだと思います。ジョブ型雇用の会社の社員がその会社に勤務しているのは、その会社(や従業員)に愛着があるからではなくその会社の雇用条件が他社よりも良いからだと思います。もしジョブ型雇用の会社の経営者が有能だが高給の社員に
  昨今の物価上昇で一般社員が困窮しているので、あなたの給料を下げてその分を一般社員に回したい
と言ったら言われた社員は即座に退職して別の会社に移ると思います。
これも私の感想ですが、日本の場合は英国と異なり日本以外の国でも同じような高収入を得られる富裕層は少ない気がします。日本でも海外在住の有名人はいらっしゃいますが、それらの方の多くは日本人向けの仕事をされていると思います。その意味では日本は英国と異なり富裕層への増税が可能だと思います。


>井手英策さんに平謝りして井手さんの政策を全面採用する、と言うクソ度胸のある政治家はほぼ皆無(^^;

英国では保守党にも労働党にも、井出氏が提唱する非富裕層の困窮対策として消費税を増税するというお腹の空いている蛸にその蛸の足を切って食べさせるような政策を採用しない判断力はあるようです。

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