賃上げ与党に減税野党という構図でいいのかね?への回答
連合が、参院選の総括原案で、支持政党のはずの立憲民主党・国民民主党の消費税減税公約を批判するとともに、
連合の参院選総括原案、立民・国民の消費税減税公約を批判…議席伸び悩んだ立民は「党存続の危機」
芳野会長が石破首相の賃上げ発信に対しては「評価に値する」と評したそうですが、
いやまあ、世界の政治の常識からすれば、それはそうやろなあ、という感想しか漏れてきませんがな。
なんにせよ、野党が減税ポピュリズムに突進する一方で、与党は賃上げを旗印に掲げるようで、まことに西欧の政党政治を見慣れた目には、賃金労働者の支持を背景にした社会民主主義勢力対お金持ちの支持を背景にした自由主義勢力の、きれいな対立図式にはまり込んでしまっておりますな。ほんとにそれでいいのかね。
というか、もちろん、それではまずいと思っている人もいっぱいいるわけで、それこそ、わたくしを呼んでいただいた立憲民主党の方々は、賃上げ(を始めとする労働問題)こそを旗印にしようと一生懸命に考えておられるわけですが、そういうまっとうな方々の意見がなかなか主流化しないところが、つらいところなのでしょう。
雇用労働者の労働組合の組織的支持を受けているおかげで何とか当選してきた議員をいっぱい抱えているはずの政党が、なぜかひたすら相対的に労働者の利益にはつながらないはずの減税ばかりを叫ぶ一方で、そこからは票を得ていないはずの政党の政府の担当外の閣僚が、なぜか支持基盤の企業に対して、その権限を越えてまで賃上げを叫び続けるという、西欧政治を見慣れた目からすると、ほとんど目が回って立ち眩みしそうな事態が平然と起っているんですから、極めて例外的にまともな目で物事を見る人にとっては、「それはそうやろなあ」以外の感想は出てこないはずなんですが、これでまた、全く物事の筋道をわからない連中の、あれやこれやのコメントが山のようにつくんでしょうなあ。ご愁傷様です。
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コメント
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いつも大変参考にさせていただいております。
何かで日本には世間はあるが社会は無いと聞いたことがあります。生活保護・公務員への過剰なバッシングや過剰な自己責任論など、日本人は自分の所属するグループ(家族や友達)以外に非常に冷たいと思います。そのせいか、赤の他人に対して自分のお金が使われる事に強い拒否感があるようにおもいます。
思考実験ですが、日本人と欧米人に以下の問いをするとします。
問1:貴方だけに1万円をあげます。受け取りますか?
問2:貴方に1万円をあげますが、受け取ると赤の他人に2万円を渡します。受け取りますか?
全くの想像ですが、日本、欧米ともに問1は殆どの人が受け取ると思います。反対に問2は日本人の殆どが受け取らないと思います。同じ1万円が貰えるにもかかわらず、にです。
問2に対し、日本人は「赤の他人に2万円渡るぐらいなら、1万円はいらない」という人が多くなると思いますが、欧米人は「1万円もらえるなら有難く頂くわ。2万円貰える人はラッキーね」とか言って、日本人よりも受け取る人が有意に多くなると想像します。
そんな日本で西欧型の社会意識、社会福祉は成り立たないように思います。まさしく日本はメンバーシップ社会ではないでしょうか?
また、日本はメンバーシップ型雇用と連動する形で現役世代への社会福祉を企業が肩代わりしています。反対に西欧は家族手当を政府が支給するなど、現役世代であっても政府を身近に感じているのではないでしょうか?
投稿: 名無しの投資家 | 2025年8月25日 (月) 23時30分
どうもわからないのは、減税の主張は労働者を支持基盤とする政党(国民民主が主)にとって不合理なのかということですね。高齢者への所得移転が大きい、日本の税や社会保障の配分からして、現役世代には減税されたほうが懐が温まると考えるのは納得できますけどね。
このblogを読んでいるから、連合が社会保障を重視していることはわかっているつもりですが、よくよく考えると、この20年間ぐらい賃上げではなく、雇用維持を目的にしてそこまで賃上げに積極的でなかったから、そういう社会保障や税やら(夫婦別姓やらlgbtだとか、リベラルらしい主張)ばかりになってしまっているのではないでしょうか
投稿: 鳥山 | 2025年8月26日 (火) 16時03分