スタートアップ企業の労働時間規制
昨年以来、内閣府の規制改革推進会議ではスタートアップ企業の労働時間規制の緩和が繰り返し求められてきていますが、先月閣議決定された「規制改革実施計画」では、スタートアップ企業で働く役職者について、これまでの厳格な管理監督者の解釈を緩める方向で検討せよということになったようにみえます。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/program/250613/01_program.pdf
スタートアップの柔軟な働き方の推進
a 厚生労働省は、スタートアップ関係団体等からの意見聴取や、スタートアップが裁量労働制の活用に当たって直面している課題、スタートアップで働く労働者の就労実態、業務内容、スタートアップで働く労働者が希望する働き方等を把握するための調査を行った上で、その結果を踏まえ、裁量労働制の適正な活用等、スタートアップにおける柔軟な働き方に資する検討を開始する。
b 厚生労働省は、スタートアップで働く役職者等の労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 41 条第2号に規定する「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」という。)への該当性の判断の基本的考え方を「スタートアップ企業で働く者や新技術・新商品の研究開発に従事する労働者への労働基準法の適用に関する解釈について」(令和6年9月 30 日厚生労働省労働基準局長通達)において示しているが、スタートアップにおいては、分野によっては同一スタートアップ内に専門家が1名又はごく少数しかいないなど、経営や人事等に関する重要な決定権限を有する一方で部下を持たないケースが多く存在し、近年はAIの活用によって更に増加しているという実態である中、こうした場合に管理監督者に該当するか否かが不明確であり、スタートアップの現場で判断に悩む場合が多いとの声があることも踏まえ、スタートアップ関係団体等の意見を聴取すること等を通じて、スタートアップにおける役職者等の実態や課題等を把握した上で、スタートアップにおける役職者等(部下を持たない場合を含む。)の管理監督者への該当性の判断の考え方の更なる明確化について検討し、結論を得次第、必要な措置を講ずる。a,b:令和7年度検討開始、結論を得次第速やかに措置
うーむ、でもこれは法律論的にはなかなか筋がむずかしい話ではありますね。まあ、そもそも1977年にスタッフ職を管理監督者と認めてしまった段階で筋は外れているとはいえますが。
管理監督者該当性を別にすれば、スタートアップ企業の(事務作業員を除く)仲間たちというのは労働時間規制になじまない存在だという議論はそれとしてありうる話ではあるんですね。管理も監督もしていないけれども、そんじょそこらの管理職たちよりも遥かに、事実上「経営者と一体」みたいなものかもしれません。
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