岡村優希『従業員代表を通じた経営関与法制』
岡村優希さんより『従業員代表を通じた経営関与法制 労使自治の多様性に着目した日・EU比較法研究』(日本評論社)を送りいただきました。
https://www.nippyo.co.jp/shop/book/9504.html
経営上の意思決定に対する労働者の手続的関与を、法的にどのように保障すべきか。EU法を比較対象とし、日本法への示唆を得る。
EUの情報提供・協議・参加法制は、私も長年にわたって追いかけてきたテーマですが、岡村さんはこれを明確に日本法との比較法、そして日本法への示唆の源泉として研究しています。
日本では、実定法レベルではもっぱら団体交渉型の労働組合法制のみが確立され、西欧諸国のような労使協議制ないし経営関与制はほとんど存在しないにもかかわらず、その団体交渉型のはずの労働組合がほとんどもっぱら企業内組合として(あくまでも労働協約に基づき)労使協議型の労使関係を形作ってきたという経緯があるので、この手の話はなかなか単純ではなく、論じれば論じるほど複雑怪奇な罠に陥っていくことになるのですが、岡村さんはEU法を深掘りすることで、示唆を得ようと努めています。
正直日本の現状からすると、本書で取り上げている正面玄関からの道はなかなか困難で、解雇法制や労働時間法制、非正規労働者等といった個別の実体法領域に絡ませる形でないと、難しいと思いますが、でもそういう議論の前提として、本書で詳しく論じているような正面玄関からの仕組みをきちんと論じておく必要があるのは間違いありません。
第1編 序論
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第1章 問題の所在
第2章 我が国における経営関与をめぐる法的な議論状況
第3章 本書の課題と構成
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第2編 EU労働法分野における被用者の経営関与制度
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第1章 情報提供・協議制度の総説
第2章 基本権としての経営関与
第3章 特別法(1)――EU集団的整理解雇指令における被用者関与制度
第4章 特別法(2)――EU企業譲渡指令における被用者関与制度
第5章 一般法――欧州労使協議会指令
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第3編 EU会社法分野における被用者の経営関与制度
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第1章 欧州会社制度の概要
第2章 欧州会社における被用者関与制度
第3章 欧州会社制度に関する小括
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第4編 日本法への示唆
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第1章 本書の問題意識と検討課題
第2章 EU法上の諸制度の比較分析と我が国に対する示唆
おわりに
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