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2025年3月16日 (日)

シングルマザーの労働法政策@『季刊労働法』2025年春号(288号)

288_h1768x1108_20250316213401 『季刊労働法』2025年春号(288号)に「シングルマザーの労働法政策」を寄稿しました。

https://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/12853/

 

はじめに

 「母子家庭の母及び父子家庭の父の就業の支援に関する特別措置法」という名前の法律があります。一見すると、高年齢者雇用安定法、障害者雇用促進法、青少年雇用促進法といった特定類型の人々を対象にした雇用対策立法のように見えますが、労働法の世界ではほとんど見ることができません。『労働関係法規集』(労働政策研究・研修機構)や『労働六法』(旬報社)のようなコンパクト版だけではなく、『労働総覧』(労働法令)や『労働法全書』(労務行政研究所)のような包括版の労働法令集においても、この法律は収録されていないからです。主だった労働法の教科書にもこの法律は登場してきませんし、過去何回か編纂された労働法講座でもこのトピックが取り上げられたことはありません。要するに、労働法の世界ではシングルマザーの問題は対象外のようです。
 もっとも、これはやむをえない面があり、この法律の所管は現在はこども家庭庁であり、同庁設置前は厚生労働省の児童家庭局でした。つまり、雇用対策ではなく福祉対策と位置付けられているため、労働法令集には載っていないのです。逆に、『社会福祉六法』(第一法規)のような社会福祉関係の法令集には、母子及び父子並びに寡婦福祉法や児童扶養手当法とともに収録されています。それならそれでいいではないか、ただでさえ問題山積の労働法がシングルマザーなんかに手を出さなくても、と考える人もいるでしょう。しかし、実は雇用助成金の対象者というかたちで、シングルマザーはごく僅かながら雇用対策の対象になっています。細々とした雇用対策はつながっているのです。さらに、1970年代には当時の野党から、障害者雇用促進法に倣って母子家庭の母の雇用促進法案が提案されたこともありました。
 今回はまことに周縁的なトピックに見えるかも知れませんが、シングルマザーをめぐる福祉政策の流れを概観しつつ、その中に垣間見える雇用対策的要素を確認していきたいと思います。

1 母子保護法
2 戦後の母子家庭対策
3 児童扶養手当法
4 母子福祉法
5 野党の母子家庭の母の雇用促進法案
6 雇用助成金
7 母子及び寡婦福祉法
8 2002年改正
9 母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法
10 近年の動向

 

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