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« 「雇用と法」2012年度試験問題 | トップページ | EU最低賃金指令は条約違反で無効!?@『労基旬報』2025年2月25日号 »

2025年2月19日 (水)

大井赤亥さんの国会通信で拙論が引用されました

Img_907f714a109d3ef74b123f30c21a7db92055 政治学者で国会議員秘書の大井赤亥さんが、JBPressの「国会通信」最新号で、「「減税主義・税還元主義・手取り主義」が政界で流行る構造的理由」を書かれており、その中でわたくしの議論も引用されています。

【大井赤亥の国会通信】「減税主義・税還元主義・手取り主義」が政界で流行る構造的理由

今年1月から始まった第216回通常国会。本会議場に響く各党の演説を聞いていると、主として国民や維新など野党側から、いわゆる現役世代に視線をあわせた「減税主義・税還元主義・手取り主義」とでもいうべき趨勢が生じている。・・・・

それはなぜなのか?

そこで大井さんが引用するのがわたくしがかつて論じた「神聖なる憎税同盟」なのです。

「手取りを増やす」で真っ先に想起されるのは、かつて労働研究者の濱口桂一郎が指摘した「神聖なる憎税同盟」、すなわち、税金を憎む人々の群れがもたらす日本政治独自の磁場である。・・・・

これについては、拙ブログをいつもお読みの皆さんは「ああ、あれね」とうなずくことでしょう。そう、

・・・このような雇用環境のなかで、中産階級化した正社員労働者は、企業内福祉に守られて国家からの再分配の恩恵から外れ、公的福祉を例外的貧困者のための支援と見なしつつ、それらを支える税や保険料だけ担わされることに不満を抱き、漠然とした負担感や痛税感を蓄積させてきたのである。濱口にしたがえば、これこそ「左派が憎税派になる物質的基盤」といえる。

 その結果、日本においては、真正の「新自由主義イデオロギー」と安定した正社員労働者の生活意識とが「反増税」で共振し、そこにインテリ・リベラルの反権力的な政府否定意識が重なって、強力無比な「『神聖なる憎税同盟』というトリアーデ」(濱口)が築かれてきたというのである。このような磁場は、現下の「手取り主義」という趨勢を考える上でも示唆的であろう。・・・

大井さんの「国会通信」は、これ以前の記事も結構面白いものが多く、是非リンク先に行って読んでみられることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

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コメント

 立憲民主党の議員さんたちがまたまた消費税減税だ!と言い出し始めたようです(^^;

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250312/k10014747951000.html

 え~加減にせんかい!

 私が年金関係の役所にいた頃、国民年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げるのを決めたにもかかわらず旧民主党が消費税増税をせずに「つなぎ国債」でごまかしていたので役所の幹部たちが「大丈夫か?」と冷や冷やしていたこと、野田内閣でのいわゆる三党合意で国庫負担引き上げの安定財源が確保できて彼らはようやく胸をなでおろすことが出来た事は当時霞が関にいた友人から聞いております。

 もし消費税減税するとして年金の国庫負担の財源をどのように賄う気なのでしょうか。
 消費税減税分を所得税、あるいは社会保険料の引き上げで賄うのなら(どっかの政党みたいですが)当然手取りは減ります。

 国庫負担引き上げは厚生年金保険料の上限を18.3%にするための大前提だったことをもうお忘れですか?
 年金以外の公的サービスもいずれ削減するしかなくなるでしょう。

 もしかしたら彼らは法人税や金融資産を持っている金持ちに大増税すれば財源なんかすぐに賄える、と考えているのかもしれません。
 甘い甘い。
 そう言う金持ちたちはトランプやイーロン・マスクみたいな商業右翼とつるんで国家権力を握り、さらなる税逃れを企むでしょう。
 富裕層への課税強化のためには税権力の国際協力を一層強化しなければいけませんが、商業右翼どもはそのような国際協力を平気でぶち壊そうとするでしょう。
 立憲民主党の議員の皆さんはそう言う連中と本気で戦う気がおありなのでしょうか。
 口では勇ましい事を言うでしょうが、いざとなったら腰砕けになるのではないでしょうか。
 

balthazar殿

>立憲民主党の議員さんたちがまたまた消費税減税だ!と言い出し始めたようです(^^;

私は、
A)今後も物価上昇を容認せざるを得ない
B)物価上昇への対策として他の施策より問題が少ない
という点から、物価上昇への対策として消費税の軽減税率を下げるべきだと思います。
A)物価はそれ自体では上がるより上がらないほうが良いと思います。しかしこれまで物価が上がらなかったのは低賃金や悪い労働条件で働く人にしわを寄せていたからだと思います。低賃金や悪労働条件を改善するためのコストの上昇は認めざるを得ないと思います。
B)物価上昇への対策の条件として
B-1)対象範囲が適切である
B-2)非富裕層を重視する
があると思います。
B-1)現在でも物価上昇への対策としてある範囲(例. 住民税非課税)の人に一定額を支給していました。これではその範囲を外れると全く支給されません。このため範囲をわずかに外れて全く支給されなかった人等の不満は大きいと思います。軽減税率の低下であれば全ての人が対象なのでそのような不満は出ないと思います。
B-2)軽減税率は自宅で消費する食品が対象です(外食は対象ではありません) エンゲル係数と言われているように所得が低いほど家計に占める(自宅で消費する)食品の割合は高くなります。このため減税対象を軽減税率に限定する事で非富裕層に重点的に支援できると思います。何百万円もするバッグや時計を購入できる(余裕のある)方にはどんなに値上がりしようとしっかり10%の消費税を払って頂きたいと思います。


>もし消費税減税するとして年金の国庫負担の財源をどのように賄う気なのでしょうか。

軽減税率を下げる財源としては物価上昇に伴う消費税の増収分を充てれば良いと思います。
消費税は定率税なので物価が上がれば消費税も自動的に増収になります。私は低賃金や悪労働条件を改善するために物価が上がるのは認めざるを得ないと思いますが、ぞれに伴う消費税の(自動的な)増収は認められません。そのような増収分は物価上昇への対策財源にすべきだと思います。


>もしかしたら彼らは法人税や金融資産を持っている金持ちに大増税すれば財源なんかすぐに賄える、と考えているのかもしれません。

私は、米英のように格差が拡大して社会の存続が困難になる状況を防ぐために富裕層に対する増税が必要だと思います。
最近では、 ”俺達の税金を減らせ!” という財務省解体デモが行われているそうですが、私は
 頑張って富裕層からもっとしっかり税金を取って俺達にまわせ!
という財務省応援デモを行いたいです。


>甘い甘い。
>そう言う金持ちたちはトランプやイーロン・マスクみたいな商業右翼とつるんで国家権力を握り、さらなる税逃れを企むでしょう。

民主国家では国家権力を握るためには選挙で過半数の票を得る必要があります。
富裕層は非富裕層より少数なので、富裕層への増税で富裕層が反対してもそれにより格差が是正される事が非富裕層に理解されれば非富裕層からの支持により国家権力を握る事は可能だと思います。
アメリカのように格差が極端になると自分の将来に絶望した”無敵の人”の投票によりまともな政策が実行できず社会の存続が困難になる可能性があります。日本はまだそこまでひどくないと思うので今のうちに富裕層に対する増税により格差を是正すべきだと思います。


>富裕層への課税強化のためには税権力の国際協力を一層強化しなければいけませんが、商業右翼どもはそのような国際協力を平気でぶち壊そうとするでしょう。

しかし最近では国際協力によりタックスヘブンの情報も以前より開示されるようになったそうです。また日本では5000万円以上の海外資産は申告しなければならないので税金逃れは難しくなっていると思います。頑張れ 財務省!


>立憲民主党の議員の皆さんはそう言う連中と本気で戦う気がおありなのでしょうか。
>口では勇ましい事を言うでしょうが、いざとなったら腰砕けになるのではないでしょうか。

balthazar殿の御意見を拝見して、中島みゆきの”ファイト”という曲の
  戦う君の唄を戦わない奴等が嗤うだろう
という歌詞が浮かびました。

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