雇用労働者か職業革命家か?
産経新聞が共産党を報じた記事ではありますが、なかなか本質的な問題に関わっているトピックではあります。
<独自>共産党福岡県委に是正指導、福岡中央労基署 就業規則の届け出怠る
福岡中央労働基準監督署が共産党福岡県委員会に対して、労働基準法で義務付けられている就業規則の労働基準監督署への届け出を行っていなかったなどとして、党側に是正指導していることが20日、分かった。
元職員の男性が党福岡県委に勤務していた際の未払い分の残業代があるなどとして昨年5月、同署に相談したのがきっかけで判明した。
「労働者の党」が労働法令違反、職員「革命家」の意識か 共産党福岡県委の是正指導問題
「労働者階級の党」である共産党が、党で働く専従職員の労務管理を適切に行っていない事案が判明した。共産党福岡県委員会は労働基準法で定められた就業規則を労働基準監督署に提出していなかっただけでなく、労働安全衛生法(安衛法)で義務付けられた労働時間の管理も適切に行っていなかった。党側には専従職員は「職業革命家」との意識があり、労働法令の対象外という認識があったとみられる。
共産党中央委員会の広報部は産経新聞の取材に対し、党福岡県委の労働法令違反について「党機関専従者は党綱領に基づき、国民の切実な要求実現と社会進歩の促進のために自主的自発的に活動している。党機関専従者も労働法制を順守することは必要と考えている」と回答した。
こういう発想は、実はかつて本ブログで取り上げたすき家の「革命」思想と共通しているようにも思われます。
世界革命を目指す独裁者!
世界革命がなった暁には、お前たちにも民主主義が与えられるであろう。
だが、革命戦争のまっただ中の今、民主主義を求めるような反革命分子は粛清されなければならない!
まさしく、全共闘の闘う魂は脈々と息づいていたのですね。
そして、歴史は何と無慈悲に繰り返すことでしょうか。
一度目は悲劇として、二度目は・・・、すき家の外部の者にとっては喜劇として、しかし内部の者にとっては再度の悲劇として。
ちなみに、この報道の件は、福岡県委ということからも想像がつくように、ご飯論法の紙屋高雪さんこと神谷貴行さんの件ですね。
「党専従は労働者ではない」という歴代の見解(謬論)が否定された瞬間です。共産党は1970年代の宮地健一さんの裁判で公式にこの謬論を主張し最近もこの主張で現場を指導してきました。党運営の根本に関わることであり、こんな簡単なコメントでなく大会や中総で反省を表明すべきではないでしょうか。
さすがに、どこぞの中小企業のオヤジよろしく「我が党は労働基準法なんぞ関係ないワイ」で押し通すわけにはいかなかったようです。
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