スタートアップ企業で働く者や新技術・新商品の研究開発に従事する労働者への労働基準法の適用に関する解釈について(基発0930第3号)
本日届いた『労働新聞』には、私の書評(『女の氏名誕生』)のほかにも興味深い記事が載っていました。
厚生労働省は、新しい技術やビジネスモデルで急成長をめざす企業である「スタートアップ企業」について、そこで働く者への労働基準法の適用を巡る解釈に関する通達を都道府県労働局長に発出した。スタートアップの役員であっても労基法上の労働者に該当するかどうかは、勤務場所・時間の拘束性の有無や報酬の労務対償性などを判断要素として個々の実態を勘案し、総合的に判断するとしている。
この通達はこれですが、
スタートアップ企業で働く者や新技術・新商品の研究開発に従事する 労働者への労働基準法の適用に関する解釈について
新たに事業を開始し、かつ、新しい技術やビジネスモデルを有し、急成長を目指す企業は、一般に「スタートアップ企業」と呼ばれ、こうした企業においては、特にその創業当初において、経営者と従業員の線引きが明確でない場合が見られるところである。
労基法の適用については、企業の創業年数に応じて異なるものではなく、企業の創業年数にかかわらず労基法を遵守すべきことは言うまでもないが、スタートアップ企業における働き方の特徴を踏まえ、その解釈及び運用の観点から、当該企業で働く者への労基法の適用について、以下のとおり判断の基本的考え方を示すこととする。
本ブログでもときに取り上げてきましたが、スタートアップだから労働法の適用はなしにしようというようなやや乱暴な議論が時々出てきますが、もちろん原則は「労基法の適用については、企業の創業年数に応じて異なるものではなく、企業の創業年数にかかわらず労基法を遵守すべきことは言うまでもない」わけです。
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