旭日大綬章に古賀伸明元連合会長
文化の日の今日、秋の叙勲が行われ、最高位の旭日大綬章に古賀伸明元連合会長が選ばれたとのことです。
旭日大綬章に古賀伸明氏 バレリーナ森下洋子さんに重光章―秋の叙勲
政府は3日付で、秋の叙勲受章者3987人を発表した。元連合会長の古賀伸明氏(72)、元環境相の小沢鋭仁氏(70)が旭日大綬章に決定。旭日重光章にバレリーナの森下洋子さん(75)が選ばれた。発令は同日付。
古賀氏は2009~15年に連合会長を務めた。在任期間は民主党政権と重なり、同党最大の支援組織のトップとして日本の労働組合運動を主導した。
まずはおめでとうございます。
ただ、現下の政治状況を考えると、なかなか意味深長でもあります。
古賀さんは今回の叙勲について次のように語っています。
立・国は「一つの固まりに」 旭日大綬章の古賀元連合会長―秋の叙勲
旭日大綬章を受章した元連合会長の古賀伸明氏(72)は、旧民主党政権を黒子役として支えてきた。現在、その連合が支援する立憲民主、国民民主両党に関し、「分かれていること自体ナンセンスだ。一つの固まりになるべきだ」と主張。立民の野田佳彦代表には、国民の玉木雄一郎代表への歩み寄りを求めた。・・・
その上で、両党の合流を唱える。「玉木氏は原発、安全保障、憲法といった基本政策にこだわっている。立民が歩み寄るべきだ。一緒にやるには大きな方が譲るのが組織の鉄則だ」。
合流の成否にかかわらず、「少なくとも来夏の参院選の1人区では統一候補を出すべきだ」と強調。野田氏にその旗振り役を期待した。
実をいうと、旧民主党が立憲と国民に分裂したことの被害を一番被っているのが古賀さんの出身である電機連合なんですね。
本ブログで過去2回の参議院選挙の労働組合星取り表を見ると、
昨日の参議院選挙で、立憲民主党と国民民主党に分かれた比例区の連合推薦候補者は10名中8名が当選し、2名が落選したようです。立憲民主党は5名中5名全員当選に対し、国民民主党は5名中3名当選2名落選と明暗を分けました。
石上俊雄(国 電機連合) 192,124票 落選
昨日の参議院選挙結果については、マクロな話は政治学者と政治評論家と政治部記者にお任せするとして、ここでは連合が股裂きになりながら推薦していた比例区の労働組合組織内候補の勝敗だけ見ておきます。
参院比例区は組織内候補者の名前を書かせる各労働組合の力量が試される選挙であるとともに、政党自体への風の吹き工合にも大きく左右されるので、必ずしも各産別の力量それ自体ではない面もありますが、その順位はやはり意味を持つでしょう。
矢田稚子(国民、電機連合)159,929 落選
というわけで、ただ一人落選の憂き目を見た矢田さんは、自分の名前はそれなりに書かせられたけれども、政党効果で落ちてしまったことになります。電機は3年前に引き続き落選で、組織内議員がいなくなってしまいました。
逆に、前回国民から出して落選したJAMは、今回は立憲から出た基幹労連に乗って雪辱を果たしたことになります。
そして、この矢田稚子さんが、岸田前首相に一本釣りされて首相補佐官になるというおまけまでついてしまいました。
といういきさつがあるわけなんですね。
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