森直人・澤田稔・金子良事編著『「多様な教育機会」をつむぐ』
金子良事さんから、金子さんが編著者の一人となっている二冊セットの本をお送りいただきました。「公教育の再編と子供の福祉」という2冊シリーズの第1巻『「多様な教育機会」をつむぐ ジレンマとともにある可能性』と、第2巻の『「多様な教育機会」から問う ジレンマを解きほぐすために』です。
https://www.akashi.co.jp/book/b652786.html
本書に収録されている金子さんの「第2章 「無為の論理」再考 」の最初のところを読んで、金子さんが大阪の方に行かれてから、拙著へのコメントもされなくなり、なんだか没交渉になってしまった感が強かったのですが、その理由が分かりました。
金子さんとは、彼が大原社会問題研究所にいた頃、私が2年間ほど法政大学社会学部で講義をしに行ったときにお目にかかり、その後、『日本の雇用と労働法』『若者と労働』『日本の雇用と中高年』『働く女子の運命』といった本を献呈するたびに、
濱口さんの『日本の雇用と労働法』日経文庫を何度かざっと読みながら、何ともいいようのない違和感があったので
しかし、最近の濱口先生の本は、というか、前からそうでしたけど、読み切りにくいですねえ。
老婆心ながら、この本で女性労働の歴史を学びたいという方には、おやめなさいと申し添えておきます。
といった厳しいご指摘をいただいてきていたので、その後の本には何の反応もなくなってしまったのは寂しい思いがしていました。
今年の『賃金とは何か』には久しぶりに充実したコメントをいただいたので、とても嬉しかったのですが、ではその間金子さんは何に関心を持ち、何をしていたのか?
今回お送りいただいた本の中で、金子さんはこう語っています。
2018年に大阪にやってきてから、縁があって、私は外国ルーツの子どもたちの学習支援(居場所活動的な意味も含まれています)や小学校の居場所活動、若者支援に携わってきました。また、そうした現場で培ってきたことをフィードバックして、今度は本務校での学生支援に力を入れてきました。研究者としてのキャリアをスタートさせてから、そのアイデンティティは歴史研究者だったのですが、大阪に来てからは歴史研究者ではなく、実践者としてやってきました。・・・・
ああ、そうだったのですね。大阪の子どもたち、若者たちにとって金子さんがかけがえのない存在になっていたのであれば、拙著にコメントをするなんて言う余計なことをしている暇はなかったのでしょうね。
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濱口先生、ご紹介いただき、ありがとうございます。今までかかわったことがないタイプの若者たちや、町の人たちと言葉を交わす上で、関東で、とりわけ研究者的な頭を使った言葉だと話が通用しないというのがあって、最初の頃はそのシフトチェンジが難しかった、という感じなんです。最近、少しずつ、運転できるようになってきたので、ボチボチ、リハビリしていきます。また、引き続き、よろしくお願いします。
投稿: 金子良事 | 2024年10月 4日 (金) 18時45分
また前のような生きのいい批判をぶつけてください
投稿: hamachan | 2024年10月 4日 (金) 20時39分