米運輸労組チームスターズがトランプ支持?
ポリコレでウォークな民主党なんかよりもラストベルトの労働者に寄り添うトランプの方がいいというわけか。
トランプ氏が全米運輸労組に秋波、企業寄りだった共和党の立場複雑に
15日開幕した米共和党全国大会で全米運輸労組(通称チームスターズ)のショーン・オブライエン(Sean O’Brien)会長が、 同党の大統領候補に正式指名されたトランプ前大統領を「タフなS.O.B.」と呼んだとき、前大統領は顔をほころばせ、支持者らは歓声を上げた。・・・
同大会におけるオブライエン氏のスピーチは、130万人の組合員がトランプ氏支持にオープンであり、また正式な支持表明さえあり得ることをほのめかした。こうした明確な示唆は、米労働組合指導者としては異例だ。・・・
あれほどバイデンが一生懸命UAWのストライキのピケラインに参加して、親労組ぶりをアピールしても、バラモン左翼から貧困ビジネス右翼への流れはせき止められないのでしょうか。
でも、この記事が続いて書いているように、選挙向けの貧困ビジネスの装いの下には、本物のビジネス右翼の本音が隠されているはずですが、そこのところの葛藤はどう解きほぐしていくのでしょうか。
もっとも演説は労組加入の奨励と企業の強欲に対する非難も伴った。こうしたメッセージは、共和党の大多数に加え、党内がトランプ氏と共にポピュリズムに傾斜しても同党を資金面で支える大口献金者とってなお禁句といえる。・・・
労働者を標的とする「経済的テロ」を批判した同氏の辛辣(しんらつ)な発言に、会場内の共和党員が冷ややかな反応を示す場面もあった。
共和党指導者や全国大会代表は、一段と広範な組合加入を呼び掛けるオブライエン氏の立場を全面的に受け入れることには抵抗しつつも、ポピュリズムの訴えで、民主党から有権者を引き剝がしていると自信を抱いている。・・・
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チームスターズといえば、1950~60年代の委員長だった、ジミー=ホッファがマフィアと癒着して逮捕され、出所後、失踪してしまった、という労働運動の歴史に残る不祥事を起こしたことで悪名高い労組でもありますが、その後も2022年まで、20年以上にわたって、ホッファJr.が委員長を務めていました。
この、ホッファJr.委員長の後継候補と2022年に委員長の座を争い、改革派=一般組合員の労組活動への参加を重視する民主化派の支持を受けて、組合員の直接投票で圧勝したのが、オブライエン現委員長です。
良くも悪くも、海千山千の現委員長としては、民主党側にプレッシャーをかける、駆け引きの材料として、また、共和党政権が成立した場合の保険として、共和党大会でも演説する、という手段を選択した、ということのようですが、さすがに、これに対しては「共和党が反労組的姿勢を改めるわけがない」として批判する声が,早速、副委員長などからあがっていますね
(参考記事:Teamsters president Sean O'Brien savages big business in RNC speech
AXIOS;2024/7/15 https://www.axios.com/2024/07/16/teamsters-sean-obrien-trump-rnc-speech など)。
投稿: SATO | 2024年7月20日 (土) 20時36分