「ジョブ型社員の配置転換を進めやすくするための新たな制度」って・・・
日経新聞にはこれまでもいろいろと苦情を申し上げてきましたが、さすがにこれは・・・
一方的な配置転換を「違法」とした4月の最高裁判決の思わぬ余波が出ている。大手小売業がパート社員をジョブ型の正社員に格上げする計画を凍結。労務を専門にする弁護士のもとには、労務対応に悩む企業から相談が相次ぐ。ジョブ型社員の配置転換を進めやすくするための新たな制度が必要だという指摘もある。
いやいや、配置転換したいわけでしょ、職務や配置が限定された硬直的なジョブ型じゃなくって、職務や配置が無限定でいくらでも会社の命令で動かせる柔軟性が欲しいわけでしょ。
硬直性が嫌で柔軟性が欲しいくせに、なんで硬直的だと百万遍繰り返して舌がすり切れそうになっているジョブ型を導入するとかいうんですかね。
悩んでいる企業にしても、この記事を書いている記者にしても、そもそもジョブ型をなんだと思っているのかしら。
定義の中の最もコアの定義であり、イロハのイのそのまた筆頭に来るべき硬直性が嫌なら、知ったかぶりして「ジョブ型」とか言わなければいいのに、としか思えないのですが、でも日経新聞の中ではそういうのは非常識であって、いくらでも配置転換できる柔軟な「じょぶがた」ってのがあるべき理想像なのかも知れませんね。
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笑うしかないですね。
投稿: 佐藤博樹 | 2024年7月26日 (金) 23時34分
> ジョブ型の正社員に格上げ
正社員=無期雇用ではなく、正社員=メンバーシップ型の中で認定された社員くらいの意味なんでしょう
ジョブ型の正社員とは???
投稿: まじ | 2024年7月28日 (日) 08時12分
まあ、しかしながら、外野から見るなら、元を糺せば、
「メンバーシップ型の雇用契約」なる意味不明なものを
判例法理で確立をしてしまったことの混乱ですからね。
雇用契約でなく、実態に合わせて、別物として保護する
べきですね
投稿: まじ | 2024年7月28日 (日) 08時56分
> 無限定でいくらでも会社の命令で動かせる柔軟性が欲しいわけでしょ。
> 硬直的だと百万遍繰り返して舌がすり切れそうになっているジョブ型を導入するとかいうんですかね。
「テンポラリーに特定の業務に従事することを業務命令で指示していること」(ジョブローテーション)と「契約締結時点で特定の業務に限定していること」(ジョブ型)を混同しているのでしょう。
日本人は、例えば、勤務時間についても似たような混同をしがちかもしれません。
後者ならば、変更をするなら「交渉し、新たな契約を締結」する必要があります。
> 使用者側弁護士から,さまざまな媒体においてリーディングケースとして紹介される羽目になり、肩身の狭い思いをした
> 原告となったOさんにとっては少なくないメリットがあった
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2024/08/post-86972f.html
メンバーシップ型だと、そのときどきの一時的な状況によって、どっちに振れるのか、というのは一概に言えない、という面はあるでしょう。
投稿: かず | 2024年8月26日 (月) 15時12分