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2024年5月29日 (水)

大森泰人『金融と経済と人間と』Ⅰ・Ⅱ

B_14173_1 先日、都内某所で講演したところ、そこで刊行された二冊の本をいただきました。大森泰人『金融と経済と人間と』Ⅰ・Ⅱ(金融財政事情研究会)です。

金融と経済と人間と I

金融と経済と人間と II

金融検査官を一刀両断した「サルにマシンガン」発言から14年ますます冴える大森節―

現役官僚時代、本質を突く発言でたびたび物議を醸した筆者が『週刊金融財政事情』で2016年4月から連載を続ける名物コラムを2巻45章に分けて集録。行政官として、金融のせいで人間が不幸になる不条理を目撃した経験から、古今東西の金融経済理論・事象はもとより、映画、小説、音楽、旅の記憶にまで素材を求め、より望ましい制度や運用の処方箋を、人間の心理や行動を含めて考え模索する旅。「努力しても報われない弱者を公平に扱ってこそ豊かな社会」との優しい目線が底流に流れる、時を経て読み返しても色あせない珠玉の286本!

ちなみに「サルにマシンガン」というのは金融界隈では伝説的なエピソードであるようですが、

https://toyokeizai.net/articles/-/2096

金融庁幹部が執筆したコラム記事が金融界で話題になったのは夏の盛りのこと。筆者は大森泰人総務企画局企画課長。日頃から型破りの官僚として知られる同氏は『旬刊 金融法務事情』誌上で、金融検査の実態を次のように表現してみせた。

「猿にマシンガンを持たせて野に放っているようなもんだな」

B_14174_1 その大森泰人さんが、森羅万象古今東西当たるを幸いことごとくなで切りにしているのが本書で、当然そのなで切られる対象には労働政策ってのもはいってきます。

第1章 手探り

第2章 イギリス小説から

第3章 古典派の経済思想

第4章 ケインズとピケティ

第5章 アメリカの観察

第6章 通念を疑う

第7章 進化論周辺の散策

第8章 労働政策

第9章 教育政策への接近

第10章 読み返して笑う

第11章 ドストエフスキー+1

第12章 社会保障政策と周辺

第13章 ライフステージ

第14章 佐川宣寿さん(元財務省理財局長)の連想

第15章 職業選択

第16章 福田淳一さん(元財務次官)の連想

第17章 弱者へのまなざし

第18章 ブロックチェーンの近未来

第19章 あまのじゃくな日々

第20章 ICOからグーグルへ

第21章 本音とギャグの混然一体

第22章 規制の諸相

第23章 無意識連想の連鎖

第24章 老後資金2000万円報告

第25章 リブラへの視点

第26章 MMT瞥見

第27章 脱線話集

第28章 浮世の出来事

第29章 目黒謙一さんの訃報

第30章 南インドの旅

第31章 コロナが対岸の火事だった頃

第32章 コロナ時代の幕開け

第33章 レジーム・チェンジの再現

第34章 コロナ時々外出

第35章 企業組織論

第36章 部門別資金過不足の変容から

第37章 旅の再開

第38章 医療制度の持続可能性

第39章 行政経験を思い出しながら

第40章 新境地?

第41章 見え隠れする大蔵省

第42章 実力、努力、運

第43章 不発の総括

第44章 甲斐なき政策検証

第45章 正解のない問題

付 録 ちょっと長めですが

この第8章の労働政策でも、同一労働同一賃金、時間外の上限、日本的経営、女性保護、ホワイトカラー、三者協議、規制運用が取り上げられ、金融政策を時々補助線に引きながら、まあなで切りしています。それだけではなく、下巻の第42章では、3回にわたって「45歳定年制の構図」を論じていますが、最後のほんの数行の記述は、多分労働界隈でもそれくらいちゃんとわかってものをいっている人は少ないんじゃないかな、と思うくらいです。

・・・長期雇用は別に日本の専売特許ではなく、むしろアメリカの短期雇用の方が国際的には珍しい。そして女性はヨーロッパの方が日本より長期雇用なのは無論、日本では出産を機に過半の女性が会社を辞めるからである。だから男性の処遇を年功序列にして、ライフステージに応じて家族が相応に暮らしていけるよう年々の報酬はもとより、退職金も企業年金も長く勤める方が有利に設計してきた。45歳定年制に新浪さんが指摘するマクロ経済の効率化の恩恵があっても、ミクロ経済で不利だから家族のために転職できない。

 転職を経済的に不利にしないためには、本気で「同一労働同一賃金」にしなければならないから、日本社会の深遠な変容を意味する。社内での先輩と後輩の関係、男性と女性の関係、正規と非正規の関係、そして家庭での家事や育児の夫婦の役割分担まで差が消えて公平にならない限り、議論が噛み合わない紛糾が続く。・・・

ちなみに、「ブリーフ裁判官」の項では、「これで懲戒なら、オレは何度懲戒されても不思議じゃなかったな」との感想をもらしています。

ちなみに、これが最後のちなみにですが、大森さんは大学(駒場)時代の同級生だったりします。お互いに変な奴だと思っていたようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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