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« 川口美貴『新版 労働者概念の再構成』 | トップページ | 『賃金事情』で鈴木誠さんが古い方の拙著を書評 »

2024年4月19日 (金)

「リベサヨ」異聞

雁林という人が、北村紗衣さんを「ポリコレリベサヨうんこ学者」とツイートした等により220万円の慰謝料を命じられたと報じられています。「うんこ学者」というのが誹謗中傷の類いに当ることは確かですが、「ポリコレ」とか「リベサヨ」というのは、思想的対立そのものの表現であることも確かでしょう。

それよりなにより、わたくしはもともと自分が創った気の利いた言葉のはずだった「リベサヨ」が、世の中を転々流通するうちに、原義とは全く違うただの左翼罵倒用語になって、こうして裁判ネタにまでなってしまったことを、若干の悲しみをたたえつつ、眺めるしかありません。

リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い

一昨日のエントリーで紹介した後藤さんの本ですが、なかなか面白い記述があります。1960年代に左派からなされた福祉国家批判なんですが、例えば鈴木安蔵編『現代福祉国家論批判』にこういう叙述が見られるとして紹介しているんですが、福祉国家論の自由競争批判と国家機能の拡大擁護という議論は、「レッセ・フェールの原理の否定」「国家統制の強化と個人意思の社会全体への従属の必要性の強調」だといって批判しているんですね。後藤さん曰く、「福祉国家は個人の自由を奪うものだという批判は、通常は資本家サイドからのものであり、古典的自由主義からの批判である。つまり、右派が言うべき批判を日本では左派が述べていたことになる。保守派ではなく、左派が個人主義と自由主義を擁護する先頭に立つという、よく見られた光景の一こまであろう」。

こういう左がリベラルで右がソーシャルという奇妙な逆転現象の背景に、当時の憲法改正をめぐる動向があったようです。当時の憲法調査会報告は「憲法第3章を眺めると、それは18世紀的な自由国家の原理に傾きすぎており、時代遅れである」「20世紀的な社会連帯の観念、社会国家の原理にそれを切り替える必要があり、基本的人権の原理については、現代福祉国家の動向に即応すべきである」と強調していました。サヨクの皆さんにとって、福祉国家とは国民主権の制限の口実に過ぎず、ただの反動的意図にすぎなかったのでしょう。

かくのごとく、日本のサヨク知識人はリベラルなことノージックよりも高く、アンチ・ソーシャルなことハイエクよりも深し、という奇妙奇天烈な存在になっていたようです。そうすると、福祉国家なんぞを主張するのは悪質なウヨクということになりますね。これを前提にして初めて理解できる発言が、「構造改革ってなあに?」のコメント欄にあります。田中氏のところから跳んできた匿名イナゴさんの一種ですが、珍しく真摯な姿勢で書き込みをされていた方ですので、妙に記憶に残っているのです。

>稲葉さんの偉さは、一左翼であることがリフレ派であることと矛盾しないことを左翼として始めて示した点だと思う。それまでの左翼は、ある意味ネオリベ以上の構造派で、つまりはアンチ・リフレであったわけだから。それに対して、稲葉さんはそれが「ヘタレ」にすぎないことを左翼として始めて断言したわけで、これは実はとても勇気のあるすごいことだと思う。

投稿 一観客改め一イナゴ | 2006/09/20 14:46:18

普通の人がこれを読んだら頭を抱えてしまうでしょう。特にヨーロッパ人が見たら、「サヨクは市場原理主義者であるはずなのに。稲葉氏はめずらしくソーシャルだ、偉い」といってるようなもので、精神錯乱としか思えないはず。でも、上のような顛倒現象を頭に置いて読めば、このイナゴさんは日本のサヨク知識人の正当な思考方式に則っているだけだということがわかります。

しかし、いい加減にこういう顛倒現象から抜け出さないといけませんね。その点(だけ)はわたしはゴリゴリサヨクの後藤氏と意見を同じくします。

リベサヨって、リベラル左派の略だったの?

自分で揶揄的にでっち上げた言葉のはずですが、いつのまにか流通するうちに意味のシフトが起こっていたそうです。

https://twitter.com/hhasegawa/status/307596899450503168

左を自任しながら国家権力の介入を嫌悪するあまりネオリベに近づく層を左派と区別し揶揄する造語だった「リベサヨ」(発展史=)が単にリベラル左派の意で使われる現状は、新語が伝播するに従い通俗化していく縮図を見るよう(vgl. 「文化資本」)。

ちなみに、その(私が認識している限りの)発展史は次の通りです。

ちなみに、本ブログにおける「リベサヨ」なる概念の発達史(笑)は、以下の通り。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_a90b.html(リベじゃないサヨクの戦後思想観)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_5af3.html(リベラルサヨクは福祉国家がお嫌い)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_28cd.html(ネオリベの日経、リベサヨの毎日)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_3f06.html(フリーターが丸山真男をひっぱたきたいのは合理的である)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_c3f3.html(赤木智弘氏の新著)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_2af2.html(赤木智弘氏の新著その2~リベサヨからソーシャルへ)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-b950.html(だから、それをリベサヨと呼んでるわけで)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_2040.html(松尾匡さんの「市民派リベラルのどこが越えられるべきか 」)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-6cd5.html(日本のリベサヨな発想)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-a130.html(特殊日本的リベサヨの系譜)

 

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コメント

まあ、「バカとアホが喧嘩する」のアホのことを指している訳ですが
北村先生は断じてアホではない、と私は確信しています(なんてね)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-02b2.html

リフレ派はアホの主流でなく、アホの主流は

 既得権益が公共サービスを破壊している
 税金は既得権益の保護のために使われる
 税金を止めれば既得権益は死滅し、公共サービスが再生する

ですが、その中で「小泉改革を支持」と「自民は既得権益を保護する党だから、野党を支持」(今、マスコミで人気)に分かれます

> 国民のニーズよりも公務員としての既得権益を優先させるエゴイズムとして、厳しく批判されるべき
> 労働者にやさしい亀井静香を目の仇にし、冷酷な個人主義者小泉純一郎にシンパシーを隠さなかった
> 言ってみればマスコミみたいな連中
> クリーン追求とか清算主義的な部分でかなり共通点がある
> 庶民のための公共サービスを「市民感覚」で叩き潰したがっている
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_28cd.html
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/11/post_a90b.html
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-4cfd.html

 最近あったニュースで、日本の「リベサヨ」と欧州の「社会主義」が如何に異なるかを教えてくれるのは、このニュースでしょう。

 3月14日付「デンマーク、女性も徴兵対象に 「戦争避けるため再軍備」」(時事ドットコム)
「デンマーク、女性も徴兵へ 欧州3カ国目、軍備再編」(共同通信)など

 先進的な福祉国家として知られる、北欧デンマークのフレデリクセン首相(女性、社民党)による発表でした。デンマーク以前に、男女とも徴兵することにしていたのは、同じ北欧のノルウェー、スウェーデン両国です。
 なお、ノルウェーの徴兵制の実態については、「女性も徴兵のノルウェー軍、部屋も「男女混合」(AFP通信、2016年9月6日付)」という写真付記事が参考になります。

>既得権益が公共サービスを破壊している
>税金は既得権益の保護のために使われる
>税金を止めれば既得権益は死滅し、公共サービスが再生する

>ですが、その中で「小泉改革を支持」と「自民は既得権益を保護する党だから、野党を支持」(今、マスコミで人気)に分かれます

 これってむしろ維新?(^^;
 もっとも維新も大阪以外では伸びてないですね。

 一応左派とされている立憲民主党はと言えば今国会で子育て支援の財源として「医療保険に上乗せして徴収する「支援金」の代わりに日銀が保有する上場投資信託(ETF)から得られる分配金を充てる」と言う代案を出してあっさり否決されました。

 確かに自民党の医療保険の上乗せ徴収が「負担実質ゼロ」である、と言う詭弁は許されませんが、だからと言って「日銀が保有する上場投資信託(ETF)から得られる分配金を充てる」はないでしょう。
立憲民主党の前身の民主党政権時代の「霞が関埋蔵金」の悪夢を思い出しました。

 「政権を取りさえすれば無駄を削って財源はいくらでも捻出できる。増税不要だ!」と言ってた小沢一郎、それに同調していた枝野幸男氏がご健在では仕方ないのか(^^;
 このお二人は「市民派」とか「リベラル」を標榜していた人に支持されていた気がします。
 特に小沢氏なんざ自民党にいた頃は自衛隊海外派遣とか息巻いていたころは「市民派」「リベラル」に嫌われていたはずなのですが、自由党と民主党が合併した後はかえって熱狂的に支持していた人が多かった気がします(^^;

 ところがそんな立憲民主党も支持が広がらなくて無党派層が増加しております。
 いい加減気付けよ(T_T)

リべサヨさんは、「税金を減らせば公共サービスは確かに減るだろうけど、それ以上に私的サービスが充実するでしょ」と言う本当のリベラルとも違うんだよな。

女性も徴兵がいいんだったら、男性も徴保育士したらいいように思いますね。
どちらか選べるようにしましょう、って言ったらフェミニストが反発しそう。

でも、例えば、女性アスリートの際どいショットを収集する趣味を持つことの
証拠を提示したら、徴保育士されないかもしれません。その代わり、刑務作業
ですかね。「リべサヨ師匠の皆様は何がしたいっすか?」の感は否めません。

> 育児をはじめとするケア労働の負担は女性に大きく偏ってきた。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15916241.html

それこそ、「神聖なる憎税同盟」の皆様方があれほど熱心に「増税はダメ、、ゼッタイ!!!」とわめき叫んでいただいたおかげで、少子化対策に税金を使うという一番まっとうな道筋があらかじめ封じられてしまったからこそ、健康保険からの子育て支援金といういささか姑息な手段を執らざるを得ないようにされてしまったのであるにもかかわらず、その「憎税同盟」の先頭に立って「憎税許すまじ」とわめいていた人々が、「税金でやるのが筋ではないか」などと、そこだけ聞けばいかにももっともな台詞を振りかざして偉そうにねめつけるという、この笑劇こそが、いまの日本政治の象徴なのでしょう。

hamachan先生

いや、全くもってその通りでございます。
健康保険、あるいは年金保険からの子育て支援金と言う発想は権丈善一先生が強く言われていましたね。
権丈先生は「神聖なる憎税同盟」の皆様方がギャースカバースカ言ってるものだから他の先進国ではありえないこういう方法を主張せざるを得ないのだというような事も言われていましたし(^^;

SATO様が提起された

>先進的な福祉国家として知られる、北欧デンマークのフレデリクセン首相(女性、社民党)による発表でした。デンマーク以前に、男女とも徴兵することにしていたのは、同じ北欧のノルウェー、スウェーデン両国です。

について。
日本では信じ難いことなのですが、欧米諸国では民主主義と徴兵制はセットで考えられていますね。

フランス革命で成立した革命政府は君主や貴族が支配する他国の侵略を跳ね返すために当初は旧国王軍主体の軍隊を投入したものの、戦意に欠けるため、国民皆兵、徴兵制に踏み切り、祖国防衛に成功しました。
日本と同じ敗戦国のドイツはプロイセンの地主貴族のユンカーが指導する国防軍がナチス党と結託し、戦争を招いたとの反省から再軍備後は軍隊の民主化のために徴兵制を採用しています。
スイスは1970年代にようやく婦人参政権が確立しましたが、それは女性は民兵になれないから参政権を与えるわけにはいかない、と言う事だったそうです。

それから第一次世界大戦では徴兵された一般市民に戦死者が多く出た事から富裕層に累進課税による負担を求める声が高まり、累進所得税が実現したように徴兵制が格差是正の実現に貢献した例もあります。

民主主義の発展と公正な社会の実現をめざす北欧諸国で女性も男性並みに兵役に就く、と言う発想が出てくるのは当然の事なのでしょうね。

 そこは、hamachan氏本人が、新しいエントリーで、「リベサヨ」の定義を、簡単な言葉でかみ砕いて、改めて説明した方がいいと、私は思いますね。
 過去のエントリーのURLを貼り付けてリンクして事足れり、とやらないで。

防衛増税に悲憤慷慨しているナショナリスト(タカ派)はリベウヨということでしょうか…
増税反対で自民安倍派と日共が一致するというまるで月食のような話はもう一年半前になるんですね
 
防衛費増額で増税検討を要請「1兆円強は国民の税制で」岸田首相
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/93006.html

>増税反対で自民安倍派と日共が一致するというまるで月食のような話はもう一年半前になるんですね

 日共、すなわち日本共産党は冷戦時代はソ連共産党、中国共産党と対立していましたし、今でもロシアに対して全千島列島を返還しろ!と息巻いているナショナリストですから(^^; 自民党安倍派と一致するのはむしろ当然かと(^^;
安倍元総理の祖父、岸信介氏もマルクス主義、あるいはソ連に影響を受けた国家社会主義者だったしね(^^;

>それこそ、「神聖なる憎税同盟」の皆様方があれほど熱心に「増税はダメ、、ゼッタイ!!!」とわめき叫んでいただいたおかげで、少子化対策に税金を使うという一番まっとうな道筋があらかじめ封じられてしまったからこそ、

岸田文雄氏は自民党総裁選挙では金融所得に対する増税による分配重視を公約にしていましたが当選後は反対が強くて実現できませんでした。
金融所得に対する増税に反対する方や法人税の税率の引き下げを主張する方や所得税の最高税率の引き下げを主張する方は ”「神聖なる憎税同盟」の皆様方” に含まれるのでしょうか?

balthazar殿

>日本では信じ難いことなのですが、欧米諸国では民主主義と徴兵制はセットで考えられていますね。

民主主義国家では徴兵制は一般市民(非上級階層)の国家や上級階層への信頼がなければ成り立たないと思います。そしてそのような国では上級階層は非上級階層以上に危険を負担している事を示すために軍に志願する人が多かったと思います。例えば以前のアメリカでは上院議員や大統領には若い時に志願して従軍した人が多かったそうです。もし国民の大部分を占める非上級階層が国家や上級階層への信頼を失い
  上級階層は危険を負担せず、我々にだけ徴兵によって危険を負担させている
と思うようになったら徴兵制は存続できないと思います。
少し前ですが高齢の女性評論家がSNSで
  「若者に問う!君は祖国のために戦えるか?」
という記事を投稿しましたが、
  ”自分は安全な場所にいて若者を危険にさらすな”とか ”そういうあなたがまず前線に行って下さい”
という批判が殺到して炎上したそうです。


>それから第一次世界大戦では徴兵された一般市民に戦死者が多く出た事から富裕層に累進課税による負担を求める声が高まり、累進所得税が実現したように徴兵制が格差是正の実現に貢献した例もあります。

第一次世界大戦のイギリスでは、貴族の多くが開戦と同時に軍に志願し将校として部隊の先頭に立って敵の機関銃座に突撃したそうです。このため志願した貴族の戦死者や重症者の割合は徴兵された一般市民のそれよりも高かったそうです。イギリスでも仰るように第一次世界大戦後には格差是正が実現しましたが、基本的な社会構造(貴族, 労働者等)が残ったのは、
  貴族等の上級階層はいざという時は非上級階層よりも多くの犠牲を払う
という事を社会が合意していたからだと思います。
但し現在のイギリスの上級階層には、このように考えていない人も多いようです。例えばイギリスの現首相の妻は自分で起業して成功した大富豪だそうですが、(合法的な)節税により少額の税金しか納めていないそうです。国の上級階層が多くの犠牲(負担)を払う事を拒否すると非上級階層は上級階層への信頼を失い国が分裂する危険があると思います。例えば本来なら国にとってマイナスであるEU離脱に対して、”大嫌いな金持ちが反対しているから” と言う理由で賛成した非上級階層も多かったため離脱が決定してしまいました。

社会的に指導的立場にある(金銭的に余裕のある)方が金銭的に余裕のない国民も含む広範囲の国民を対象とする負担増を主張されているのを見ると、 "noblesse oblige" とは縁のない方が日本にもいらっしゃるのだと思いました。上級階層にこのような方が増えると、非上級階層からの信頼を失い日本もいずれイギリスのように国が分裂する恐れがあると思います。

少子化対策のために「富裕層が率先して保育士になる」よりも
「保育士に多くの税金を充てる」の方が現実味はありそうです

輝く殿

>少子化対策のために「富裕層が率先して保育士になる」よりも
>「保育士に多くの税金を充てる」の方が現実味はありそうです

  保育士に充てる税金を(生活に余裕がない)非富裕層も含めて徴収するのではなく富裕層から徴収すべきだ
というのが私の考えです。

「上流階級のみに義務を課す」と「上流階級を積極的に生み出す」という政策が同時並行する。
どこかで、見たような。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-5924c7.html

がが殿

>「上流階級のみに義務を課す」と「上流階級を積極的に生み出す」という政策が同時並行する。
>どこかで、見たような。

申し訳ありません。仰る事がよく理解できません。
なお引用されているhamachan先生の記事に関しては私は以下の様に考えています。

この方が仰っているのは、
 A)選抜は公平に行うべきだ
 B)選抜されなかった人にも配慮すべきだ
の2点だと思います。
A)はエリートとかフェミニズムとかに関係なくどんな選抜の場合も該当すると思います。例えば自動車工場で車体にハンドルを取り付ける作業員を採用(選別)する場合でも
  作業員の採用は応募者の作業を行う能力に基づくべきで、それ以外の性別や出身地等を考慮すべきでない
という事は当然だと思います。但し最近では能力以外の応募者の出身地が考慮される選抜というのはほとんどないのに対して能力以外の応募者の性別が考慮される選抜というのはまだ存在するので、それに抗議するフェミニズムが目立つのだと思います。
B)は一般の選抜では該当しないと思います。例えば自動車工場の採用担当者は採用しなかった人に配慮する必要はありません。しかしA)B)は両立可能で社会全体にとってはB)も重要だと思います。このため政治家、官僚、学者、ジャーナリスト等の社会全体を考慮すべき人(上級階層, エリート)はA)だけでなくB)も考慮する必要があります。
この方がスピーチをされた大学の入学者は将来A)B)双方を考慮する立場になる可能性が高いので、入学式でこのようなスピーチをされた事は極めて真っ当だと思います。

エリートは弱者が誰かを判断する。
エリートは弱者を守る義務を負う。
エリートは配下の者に命じることで義務を果たす。
この辺りがリべサヨ先生のマインド・セットです。

> 人種やジェンダーによる差別を糾弾するアイデンティティ・ポリティクスだった。
> 終業後もボス階級が目を光らせ、不健康な飲食にふけるのを注意したり、プロレタリアート向けの俗悪で煽情的な情報を「検閲」したがるのだ。
https://www.rodo.co.jp/column/172266/

深い殿

>この辺りがリべサヨ先生のマインド・セットです。

申し訳ありません。仰る事がよく理解できません。


>エリートは弱者が誰かを判断する。

私は民主主義社会では、弱者が誰かをエリート(上層階層)が判断する事はできないと思います。学者やジャーナリスト等が特定の集団の悲惨な状況を提示する事はできると思います。しかし民主主義社会では、非上層階層を含む多くの人がそれに同意しなければ社会としての対処は行われないと思います。


>エリートは弱者を守る義務を負う。
>エリートは配下の者に命じることで義務を果たす。

以前のコメントでも申し上げましたが、上級階層にも金銭的に余裕のない国民も含む広範囲の国民を対象とする負担増を主張される方がいらっしゃるので、上級階層は非上級階層を守る義務を負う とは言えないと思います。しかし上級階層が自分の属する社会の存続を希望するなら非上級階層からの信頼を失わないために非上級階層よりも多くの負担(従軍、納税等)をする必要があると思います。そしてそれらの負担は上級階層の配下では行えず上級階層自身が行わなければならないと思います。


>> 人種やジェンダーによる差別を糾弾するアイデンティティ・ポリティクスだった。

人種やジェンダーによる差別が糾弾されるようになったのは、少数の上層階層が命じたからではなく、非上層階層を含む多くの人が”これは酷い””こういう行為はやめるべきだ”と判断したからだと思います。


>> 終業後もボス階級が目を光らせ、不健康な飲食にふけるのを注意したり、プロレタリアート向けの俗悪で煽情的な情報を「検閲」したがるのだ。

”不健康な飲食”や”プロレタリアート向けの俗悪で煽情的な情報”が具体的に何を指すかが分かりませんが、例えば健康に悪いといわれている習慣に喫煙があります。
最近は喫煙者が減少していますが、それはボス階級(上級階層)が注意したり「検閲」したからではなく、上級階層が提供した情報(喫煙は健康に良くない)を非上層階層を含む多くの人が納得して喫煙しない人が増えたからだと思います。

> 立憲民主党も支持が広がらなくて無党派層が増加しております。

立民さんの支持者は「少数精鋭」のようなので
投票率が下がった方が強いみたいですね

自発的結社を作り、その中で仲良く、おやりに
なったらいい、とも思います

ところで、例えば東大って自発的結社ですか?

> 大学教員がソーシャルメディア上でのハラスメントを行わないような教育を、大学教員に対して行うべき
> 他人(特に女性)への集団攻撃先導を大学教員が率先して(嬉々として)行っていることは、研究者倫理に反しないのでしょうか
https://twitter.com/ando_ryoko/status/1784568654169772336
https://twitter.com/ando_ryoko/status/1784570229923926383

なぜ、特に大学教員に限定をしているのか?そこが、さっぱり分からないんですよね
「大学教員はエリートであるから、特に人格的に優れている者だけが成るべきだ」ということですかね

この機に「離婚後の養育費がどうのこうの」って盛んに言っているリべサヨさんが多いようですが、
養育費を「国税として徴収、国が支給」のセットが一番、確実な訳ですよ。

> 「多くの母子家庭はまじめに働き限界まで頑張っている」ことすら本当は必要ない。
https://twitter.com/Cristoforou/status/1786440972886298893

憎税派も返礼品や控除が受けられるふるさと納税にはかなり好意的なんですよね
現金というかなんと言うか…

>憎税派も返礼品や控除が受けられるふるさと納税にはかなり好意的なんですよね

そりゃそうです。
憎税派にとってみれば憎い税を合法的に取り返せるのですから(^^;
矛盾はしてないわけです。

さらに言いますと、ふるさと納税は富裕層がむしろ利用しているはず。
彼らが熱心にふるさと納税で還付金もらいまくるせいで、一部の地方自治体は財政が苦しくなって困ってます。
まあ、憎税派にとってはどうでもいいんでしょうね。
彼は公平とか平等とか格差なんざどうでも良いんでしょう。
憎き税が少しでもなくなれば良いわけです。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎し(^^;

リべサヨ先生というより、ハイエク御大のようなリベラル先生のようにも、お見受けいたしますが。

> 若者からバカ高い税金・年金・社会保険料をむしり取っておいて的外れな支援するのヤメロって。
> 【政府が婚活支援へ 検討会立ち上げ】
https://x.com/himeuzura2/status/1814088282026000460

むしろ、リべサヨ先生たちのご活躍の甲斐もあって、「憎税」で財源がないから「アホな啓発活動」みたいなことしか、できないんだと思うんだけれど。

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