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2024年4月 5日 (金)

石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』

9784818826540 石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』(日本経済評論社)をお送りいただきました。

http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2654

市場経済の急速な展開、とりわけコロナ禍を契機に習近平政権下の労働社会はどう変化したか。農民工=非正規労働者や職業教育、労使関係の実態などを通して解き明かす。

日本サイドは石井知章さんを始めとして、梶谷懐さん、及川淳子さん、阿古智子さんといったおなじみの方々が、習近平政権に対して辛口の批判を繰り広げる一方、常凱さんを始めとする中国サイドは多分そううかつなことも言えないので、プラットフォーム労働や工会についての実証的な議論を展開しているという感じの、日中共著の本です。

Nicchu 実は、以前似たようなメンツの『日中の非正規労働をめぐる現在』に加わったこともありますが、たぶんそのときに比べても中国の言論の自由度は厳しくなっているのでしょうね。

序章 ポストコロナ時代における中国の労使関係………………石井知章   
  ―「集団的」なものから「個別的」なものへの逆行か
はじめに
1. 「個別的」労使関係から「集団的」労使関係へ―歴史的経緯とその背景
2. 習近平体制の成立と工会の役割の変化
3. 習近平体制下における労働NGO
4. ゼロコロナ政策下における生産の再開と新たな雇用形態の拡大
5. コロナ感染症の暫定的収束にともなう国民経済の回復と労使紛争増加の諸要因
6. 企業活動の本格的再開にともなう生産現場での労使紛争の拡大
第1章 中国プラットフォーム雇用における不完全なる労使関係………………常 凱  
―その性質と規制
はじめに
1. 不完全なる労使関係 ― 新しいタイプの労使関係
2. プラットフォーム雇用関係の特徴と法規制の原則
3. 中国のプラットフォーム企業の雇用モデルと法的規制要件
おわりに
第2章 中国の工会 ………………王 侃
― 現状と課題
はじめに
1. 中国工会の研究におけるいくつかの視点
2. 党指導部と企業別工会の組織構造
3. 労働者と労働者組織形態の統合
おわりに
第3章 中国の生産拠点における従業員参加メカニズム……… ………劉 剣
― プロジェクトの現場から
はじめに
1. 企業の社会的責任監査と従業員代表のマネジメント参画
2. 中国の地方工会の核心的取り組み ― 従業員参加メカニズムの確立にむけて
おわりに
第4章 福祉国家中国と商品化サイクルにおける出稼ぎ労働 ………………ジェーク・リン
はじめに
1. 市場レーニン主義的政治経済システムと出稼ぎ労働
2. 出稼ぎ労働の商品化と農民工
3. 脱商品化によって導かれた「新しい普遍主義」
4. 福祉の市場化と労働の再商品化おわりに
第5章 デジタル時代の新しい働き方に関する証言と課題 ………………澤田ゆかり
―「外売騎手」を事例として
はじめに
1. 王林副処長の体験記 ― 外売騎手の「働き方」
2. 外売騎手の種類 ―「専送」と「衆包」
3. 騎手のプロフィール ― ルポとアンケート調査より
4. 騎手の生活保障
おわりに ― 政府の対応と圧力
第6章 中国における非正規労働者の就業状況と課題………………梶谷 懐
― 家計調査データを用いた実証分析
はじめに
1. 中国の非正規労働者をめぐる現状について
2. 家計調査からみる非正規労働者の諸類型とその社会的背景
3. インターネット接続時間と労働収入に関する実証研究
4. 労働カテゴリーの決定要因に関する実証分析
5. 結論
第7章  中国における技能労働者不足と職業教育不振のジレンマ………稲垣 豊・山口真実
― 職業系高校の就職と進路をめぐる考察
はじめに
1. 中国の教育政策と職業教育
2. 職業系高校の地域性 ― 労働力受け入れ地域と送り出し地域
3. 職業系高校の実習と就職
4. 技能労働者を取り巻くその他のアクター ― 総工会、NGO
5. まとめ
第8章 労働をめぐる社会意識の変化と習近平政権………………及川淳子
はじめに
1. 問題意識・研究対象・分析方法
2. 労働をめぐる社会意識の変化
3. 習近平政権の「勤勉主義」
おわりに
第9章 中国の女性たちによる性暴力と構造的な差別への反発 ………………阿古智子
― 浸透する運動、法整備の問題
はじめに
1. 中国のMeToo運動
2. 国家安全とゼロコロナ政策の圧力下でも広がった怒り
3. セクハラ関連訴訟とその問題点
4. 女性に対する構造的な差別にどう向き合うかおわりに
あとがき

いままであまりそういう視点のものを見たことがなかったのは、稲垣豊さん、山口真実さんの「中国における技能労働者不足と職業教育不振のジレンマ」で、職業教育があまり好まれないことの社会的原因にも日本と中国とでは違いがあることが窺われます。

 

 

 

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