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2024年4月

2024年4月16日 (火)

日本政府の職務分析・職務評価推奨@WEB労政時報

WEB労政時報に「日本政府の職務分析・職務評価推奨」を寄稿しました。

https://www.rosei.jp/readers/web_limited_edition/list?genre[]=1100

 日本政府はかつて高度経済成長時代には、政府を挙げて職務給を推奨していました。1960年の国民所得倍増計画や1963年の人的能力政策に関する経済審議会答申では、外部労働市場志向の労働力流動政策を唱えるとともに、「今後の賃金制度の方向としては、公平な職務要件にもとずく人事制度を前提とする職務給が考えられる。すなわち職務給のもとで職務評価によって公平に職務間の賃率の差を定めることができるとともに、個個の職務においては同一労働同一賃金の原則が貫かれる」と高らかに宣言していたのです。・・・・

 

 

2024年4月15日 (月)

公共性を持つヨーロッパの労働組合 日本の労働組合とどこが違うのか@『情報労連リポート』4月号

2404_cover 『情報労連リポート』4月号が「歴史と運動から学ぶ 労働組合はなぜ必要なのか」という特集を組んでいて、そこにわたくしも「公共性を持つヨーロッパの労働組合 日本の労働組合とどこが違うのか」という小文を寄稿しています。

http://ictj-report.joho.or.jp/2404/

http://ictj-report.joho.or.jp/2404/sp02.html

労働組合の存在意義とは何か。それぞれの社会において異なる。欧米の労働組合と日本の労働組合の位置付けはどう異なるのだろうか。ヨーロッパにとっての労働組合の性格を主に解説してもらいながら、日本と比較してもらった。

アングロサクソンの労働組合

労働組合とは社会にとっていかなる存在なのかというのは、国によって異なります。大きく分けて、英米のようなアングロサクソン諸国、独仏のような大陸ヨーロッパ諸国、そして日本では、労働組合の位置付けが大きく異なっているのです。もちろん、労働者の利益を代表する組織であるという点においては共通です。しかしながら、その利益代表のありようが異なります。

アングロサクソン諸国における労働組合とは、労働者の私的な利益代表組織です。労働者はみんな高い賃金を獲得したいと思っているので、彼らの利益代表として企業と団体交渉をして、労働協約という形でそれを実現するのがその役割であり、その対価として彼らから組合費を徴収します。私的な取引関係である雇用契約関係の中に、一方の利益代表組織として関与し、その利益を実現することに存在意義を有するのですから、言葉の正確な意味での圧力団体であり、それ自体として公共的な性格は有しません。1世紀以上前のアメリカでは労働組合は不当なカルテルとして摘発されていましたが、それがそうではなくなったというだけです。

大陸ヨーロッパ諸国の労働組合

これに対して大陸ヨーロッパ諸国における労働組合は、国によってニュアンスは異なりますが、なにがしか公共的な色彩をもった利益代表組織です。裏返していえば、ヨーロッパにおいてはある社会的集団の利益を代表するということに一定の公共的性格が認められるということになります。もちろん、労働組合は労働者の自発的な結社であり、その意味では徹頭徹尾、私的な存在です。しかしながら、労働組合が労働者のために団体交渉をして締結した労働協約は、単なる複数当事者間の私的な契約に過ぎないものではなく、同じような労働者に適用されるべき公共性を持ったルールとしての性格を併せ持つと考えられています。そのことをよく示す仕組みが規範的効力であり、とりわけ日本の労働組合法にも申し訳のように規定がある労働協約の一般的拘束力制度というものです。

最近日本でもUAゼンセンや自治労がこの制度を利用したことで注目を集めていますが、多くの人にとっては、契約の当事者でない第三者がなぜ他人の締結した労働協約に巻き込まれなければならないのだと疑問を感じるかも知れません。労働組合という私的な団体が結んだものであっても、労働協約というのは本来同種の労働者に同様に適用されるべき公共的な性格のルールであり、それを権限を有する公的機関が認証するのが一般的拘束力制度だと考えなければ、理解できないでしょう。

実は一般的拘束力制度をもたない諸国もあります。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーといった北欧諸国では、労働組合の高い組織率を背景に、一般的拘束力制度なしに労働組合の締結した労働協約が社会全体のルールとして通用しています。フレクシキュリティで一時有名になったデンマークなど、他国で労働法典になっているような内容も労働協約で処理されており、そのため六法全書に解雇規制が見当たらないので、解雇自由な国だと勝手に誤解されたりするわけです。国家が認証しなくても、労働組合の結んだ労働協約は議会が制定した法律と同様の公共的なルールなのです。

社会民主主義と労働組合

こうした大陸ヨーロッパ諸国の発想を元に作られたのが、EU運営条約に規定されているEUレベル労働協約をそのまま理事会指令にするという仕組みです。詳細は拙著(『新・EUの労働法政策』)等に解説していますが、欧州委員会から協議を受けたEUレベルの労使団体(欧州労連と欧州経団連等)が、自分たちで交渉して労働協約を締結したら、閣僚理事会の指令によって拘束力ある法令になるというものです。もともとは先日亡くなったフランス出身のドロール欧州委員長によって条約に取り入れられた制度ですが、以来育児休業指令、パート労働指令、有期労働指令などいくつもの指令として実現してきました。

これを政治哲学のレベルで考えると、大陸ヨーロッパ諸国においては、直接選挙で選ばれた議会を通じた代表民主制の原則と並ぶ、労使団体や市民社会団体を通じた参加民主制の原則とが、ともに民主制原理として並列して存在していると考えることができます。それを明示していたのが、2004年にいったん合意されながら国民投票で否決されたEU憲法条約でした。同条約は、欧州議会がEU市民を代表する旨の代表民主制の原則(I-46条)と並べて、代表的団体や市民社会を通じた参加民主制の原則(I-47条)を明記し、その代表例として労使団体と自律的労使対話に関する規定(I-48条)を設けていました。その歴史的背景としては中世的なギルドや身分制議会の伝統もあるのでしょう。政治社会学者のコリン・クラウチは、中世の伝統と社会民主主義が結合して20世紀のコーポラティズムを生み出したと説明しています。

日本の労働組合の位置付けは?

さて、以上説明してきたアングロサクソンモデルと大陸ヨーロッパモデルは、いずれも日本には当てはまりません。日本の労働組合はアメリカのような団体交渉請負人でもなければ、同種の労働者一般の利益を代表する公共的存在でもありません。

では何かというと、ある会社に雇われている正規従業員という「同種の労働者」の利益を代表する存在であり、その意味で会社の社内ではある意味で公共的存在(社員という「私」に対して会社という「公」に近い存在)ともいえます。しかし一歩会社の外に出ると、全く私的な存在であり、公共的性格を有するとは考えられていません。その労働組合が産業別に寄り集まって作った産業別組織や、全国的に寄り集まったナショナルセンターも、基層の企業別組合が有しない公共的性格を創発的に有するとは見なされていないのが実態でしょう。戦後80年近く存在してきた一般的拘束力制度を活用した事例が十指に及ばないことが、それを物語っています。

それでも高度成長期までの日本では、毎年の春闘で労働組合が社内でかなりのベースアップを勝ち取り、それが社会全体に波及するというメカニズムも働いていました。その意味では、それなりに公共的な役割を果たしていたということもできないわけではありません。ところが1990年代の不況期以来のいわゆる失われた30年において、これら企業別組合は社内の正規従業員のために定期昇給を維持することに集中し、結果的に他社に波及すべきベースアップを実現できてきませんでした。労働組合が発揮すべきであったこの公共性を、安倍政権や岸田政権といった自民党政権が労働組合に代わって発揮しようとしてきた近年の動きは、皮肉なものと言わざるを得ません。

 

 

 

 

 

 

2024年4月10日 (水)

スキルはヒトの属性かジョブの属性か

依然としてリスキリングが流行っていますが、世間の言説を見る限り、依然として圧倒的に多くの日本人はスキルをヒトの属性だと考えているみたいです。いや日本社会では現実にそうなんだからそうとしか考えようがないのですが、海の向こうからのはやり言葉として流れ込んできているリスキリングという言葉の語幹であるスキルってのは、海の向こうのジョブ型社会では当然の常識として、ジョブの属性以外の何ものでもない。

そもそもスキルってのは、世の中にあまたあるジョブってものを、これはスキルド(熟練)なジョブ、これはアンスキルド(非熟練)なジョブ、これはセミスキルド(半熟練)なジョブと振り分け、それぞれにふさわしい値札を貼るための概念であり、それがどの程度実体を有するものなのか、それとも社会的に構築されたフィクションに過ぎないのか、といった議論が、とりわけ同一価値労働同一賃金という、異なるジョブの間の賃金格差を問題とする議論の中で提起されてきているわけですが、ごく一部のジェンダーな方々を除くと、ジョブって概念の欠落した圧倒的に多くの日本人には何のことやら全然わからんちんという状態のままなわけです。

今のリスキリングの流行も、これまでのスキルドなジョブに安住していたらだめだぞ、そんなのは早晩廃れるぞ、デジタル社会の新たなスキルドジョブに就くべくスキルを身につけろといういう脅しなんだが、曖昧模糊たる知的熟練を情意評価されてきていると、なんのことやらわからんちんになるのも仕方がないのだが、騒いでいる人々もそこの一番肝心なところが曖昧模糊なままでリスキリング、リスキリングとむやみに騒いでいるだけに見える。

 

2024年4月 9日 (火)

川口美貴『労働法〔第8版〕』

Normal_aa23f987c1ba48bdb0bd368eef84a1dc 川口美貴『労働法〔第8版〕』(信山社)をお送りいただきました。

https://www.shinzansha.co.jp/book/b10080095.html#

完全に年鑑となっている川口労働法です。

毎年改訂の最新2024年版。要件と効果、証明責任を明確化。育児介護休業法と関連法令の改正等、新たな法改正・施行と、最新判例・裁判例や立法動向に対応。長年の講義と研究活動の蓄積を凝縮し、講義のための体系的基本書として、広く深い視野から丁寧な講義を試みる。全体を見通すことができる細目次を配し、学習はもとより実務にも役立つ労働法のスタンダードテキスト第8版。

分厚さは昨日の菅野・山川本に匹敵する大冊です。

ただ、昨日の今日なので両者を比べると、もちろん説が真っ向から対立している点が多々あることはいうまでもないのですが、それよりも、川口労働法が個別的労働関係法と集団的労働関係法の二元論で、労働市場法という分野がほぼ完全に無視されてしまっている点がとても気になりました。歴史のところにはちらりと出てくるのですが、本論ではほぼ完全に出てきません。派遣は非典型労働契約として出てきますが、職業紹介も労働者供給も、最近出てきた募集情報提供も、結構重要な論点がいっぱいあるはずだと思うのですが、川口さんの労働法の枠内には入っていません。

なぜこういうことが気になるかといえば、実はいま昔の最高裁判例で「職安法上の労働者概念」というのを見つけて、労働法学者のほぼ誰もまともに論じていないことが気になっているからなんですが。

 

 

2024年4月 8日 (月)

菅野和夫・山川隆一『労働法 <第13版>』

1002f50424aa42919b0fefdebbfdbce3 菅野和夫・山川隆一『労働法 <第13版>』(弘文堂)をお送りいただきました。ありがとうございます。

https://www.koubundou.co.jp/book/b10045381.html

 新しく共著者を迎え、全面的に見直した充実の改訂版。多数の法改正・新法をフォローし、重要な裁判例・実務の現状等にも目配りした基本書。
 時代のなかで形成されてきた新しい労働法の姿を体系化し、その中で個々の解釈問題を相互に関連づけて検討した、実務家必携の「労働法」のバイブルです。

1985年の初版から初めて今回、菅野先生の単著から菅野・山川の共著となりました。第12版からさらに100頁以上も増量されています。

今回の改訂では、冒頭の「労働法の意義と沿革」のところで、いままでの菅野先生のテキストらしからぬかなり個人的な思いを込めたコラムがいくつか書かれています。

たとえば、p23の「労働時間貯蓄口座制の採用による選択的労働時間制度の可能性」では、既存の制度と新たな「労働時間貯蓄制とフレックスタイム制」のいずれかを選択できるようにすべきと論じ、p24の「解雇規制の在り方」では、「検討中の制度は、解雇はできるだけ回避して代替措置で済ませてきた経営者の意識(モラル)を、解雇は裁判所で争われても一定額の金銭解決で完結できるものへと変化させ、経済危機の際にも5%台半ばの失業率にとどめてきた雇用・労使関係に基本的な変化をもたらすおそれがある」と批判的で、p25の「従業員代表制度構築の課題」では、「過半数組織組合が存しない事業場における過半数代表機関の常設かを、労使を入れた場で早急に検討すべきであろう」と促しています。

このうち、解雇規制については私は菅野先生の考えには賛成できず、むしろ法的な枠組みがない中で裁判所に行かないレベルの中小零細企業の多くの労働現場では事実上の解雇の金銭解決や、金銭なし決着が山のように存在していることを考えれば、「解雇はできるだけ回避」という大企業セクターの現状にのみ着目した政策でよいとは思われません。

これに対し、従業員代表制度については、これまで何回もあった機会を失してきたことを考えれば、今年になって経団連が(労働時間規制の緩和との合わせ技で)労使協創協議制なるものを提起してきたのは千載一遇の機会なので、この際思い切って従業員代表制の本格的立法化を目指すべきだと私も強く感じています。

と、ここまででまだ30ページ弱。先は長いです。

 

2024年4月 7日 (日)

ひよ子さんの『家政婦の歴史』評@X

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20240407161201 X(旧twitter)で「ひよ子」さんが拙著『家政婦の歴史』を読んだ感想をアップされています。

 

2024年4月 5日 (金)

石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』

9784818826540 石井知章編著『ポストコロナにおける中国の労働社会』(日本経済評論社)をお送りいただきました。

http://www.nikkeihyo.co.jp/books/view/2654

市場経済の急速な展開、とりわけコロナ禍を契機に習近平政権下の労働社会はどう変化したか。農民工=非正規労働者や職業教育、労使関係の実態などを通して解き明かす。

日本サイドは石井知章さんを始めとして、梶谷懐さん、及川淳子さん、阿古智子さんといったおなじみの方々が、習近平政権に対して辛口の批判を繰り広げる一方、常凱さんを始めとする中国サイドは多分そううかつなことも言えないので、プラットフォーム労働や工会についての実証的な議論を展開しているという感じの、日中共著の本です。

Nicchu 実は、以前似たようなメンツの『日中の非正規労働をめぐる現在』に加わったこともありますが、たぶんそのときに比べても中国の言論の自由度は厳しくなっているのでしょうね。

序章 ポストコロナ時代における中国の労使関係………………石井知章   
  ―「集団的」なものから「個別的」なものへの逆行か
はじめに
1. 「個別的」労使関係から「集団的」労使関係へ―歴史的経緯とその背景
2. 習近平体制の成立と工会の役割の変化
3. 習近平体制下における労働NGO
4. ゼロコロナ政策下における生産の再開と新たな雇用形態の拡大
5. コロナ感染症の暫定的収束にともなう国民経済の回復と労使紛争増加の諸要因
6. 企業活動の本格的再開にともなう生産現場での労使紛争の拡大
第1章 中国プラットフォーム雇用における不完全なる労使関係………………常 凱  
―その性質と規制
はじめに
1. 不完全なる労使関係 ― 新しいタイプの労使関係
2. プラットフォーム雇用関係の特徴と法規制の原則
3. 中国のプラットフォーム企業の雇用モデルと法的規制要件
おわりに
第2章 中国の工会 ………………王 侃
― 現状と課題
はじめに
1. 中国工会の研究におけるいくつかの視点
2. 党指導部と企業別工会の組織構造
3. 労働者と労働者組織形態の統合
おわりに
第3章 中国の生産拠点における従業員参加メカニズム……… ………劉 剣
― プロジェクトの現場から
はじめに
1. 企業の社会的責任監査と従業員代表のマネジメント参画
2. 中国の地方工会の核心的取り組み ― 従業員参加メカニズムの確立にむけて
おわりに
第4章 福祉国家中国と商品化サイクルにおける出稼ぎ労働 ………………ジェーク・リン
はじめに
1. 市場レーニン主義的政治経済システムと出稼ぎ労働
2. 出稼ぎ労働の商品化と農民工
3. 脱商品化によって導かれた「新しい普遍主義」
4. 福祉の市場化と労働の再商品化おわりに
第5章 デジタル時代の新しい働き方に関する証言と課題 ………………澤田ゆかり
―「外売騎手」を事例として
はじめに
1. 王林副処長の体験記 ― 外売騎手の「働き方」
2. 外売騎手の種類 ―「専送」と「衆包」
3. 騎手のプロフィール ― ルポとアンケート調査より
4. 騎手の生活保障
おわりに ― 政府の対応と圧力
第6章 中国における非正規労働者の就業状況と課題………………梶谷 懐
― 家計調査データを用いた実証分析
はじめに
1. 中国の非正規労働者をめぐる現状について
2. 家計調査からみる非正規労働者の諸類型とその社会的背景
3. インターネット接続時間と労働収入に関する実証研究
4. 労働カテゴリーの決定要因に関する実証分析
5. 結論
第7章  中国における技能労働者不足と職業教育不振のジレンマ………稲垣 豊・山口真実
― 職業系高校の就職と進路をめぐる考察
はじめに
1. 中国の教育政策と職業教育
2. 職業系高校の地域性 ― 労働力受け入れ地域と送り出し地域
3. 職業系高校の実習と就職
4. 技能労働者を取り巻くその他のアクター ― 総工会、NGO
5. まとめ
第8章 労働をめぐる社会意識の変化と習近平政権………………及川淳子
はじめに
1. 問題意識・研究対象・分析方法
2. 労働をめぐる社会意識の変化
3. 習近平政権の「勤勉主義」
おわりに
第9章 中国の女性たちによる性暴力と構造的な差別への反発 ………………阿古智子
― 浸透する運動、法整備の問題
はじめに
1. 中国のMeToo運動
2. 国家安全とゼロコロナ政策の圧力下でも広がった怒り
3. セクハラ関連訴訟とその問題点
4. 女性に対する構造的な差別にどう向き合うかおわりに
あとがき

いままであまりそういう視点のものを見たことがなかったのは、稲垣豊さん、山口真実さんの「中国における技能労働者不足と職業教育不振のジレンマ」で、職業教育があまり好まれないことの社会的原因にも日本と中国とでは違いがあることが窺われます。

 

 

 

2024年4月 3日 (水)

小西康之『働く世界のしくみとルール』

L24379 小西康之『働く世界のしくみとルール』(有斐閣)をお送りいただきました。

https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641243798?top_bookshelfspine

副題にあるように、これは労働法の入門書ではありますが、普通のテキストとはかなり違ってます、お話仕立てというのはほかにもありますが、新機軸なのは正社員はそこそこに、初めのところでアルバイトから派遣、フリーランス等々多様な働き方から始まっているところでしょう。

プロローグ
Ⅰ 働くことと法制度
 1 働くことと法のネットワーク
 2 働く世界のしくみとルールの成り立ち
Ⅱ 働く人のプロフィール──あなたは?
 1 正社員で働く
 2 アルバイト・パートで働く
 3 派遣で働く
 4 雇われずに働く──保護されるのはどんなひと?
 5 働いてもらう
 6 国際的に働く
 7 仕事をかけもちする 
 8 公務員として働く
Ⅲ 会社で働く
 1 さまざまなルール──労働条件の決まり方  
 2 就活する/入社する
 3 みんなそれぞれ尊重される
 4 賃金をもらう
 5 仕事の時間
 6 仕事をしない時間
 7 安全に健康に働く 
 8 変更される/処分を受ける
 9 会社をやめる
 10 再び仕事につく
Ⅳ ひとりで悩まない
 1 労働組合に入る
 2 団体で交渉する
 3 団体で行動する
 4 公的機関を利用する
エピローグ

 

2024年4月 1日 (月)

國武英生・淺野高宏編『労働者の自立と連帯を求めて』

644371 國武英生・淺野高宏編『労働者の自立と連帯を求めて』(旬報社)をお送りいただきました。昨年逝去された道幸哲也先生の遺稿+弟子たちの解説という本です。

https://www.junposha.com/book/b644371.html

働く者にとって労働法はなぜ必要なのか
労働組合に求められているものは何か
研究者は何を探求すべきなのか

労働法学者としての生涯と労働法の理論的基礎を描き出す珠玉の40篇

どれも重要な論点ですが、やはり第4章の「労使関係における集団的性質」に納められた5編の論文が、今日的には極めて重要な論点を提起しているように思われます。特に、「従業員代表制の常設化よりも労組法の見直しを」は、経団連も連合型労働者代表制案に接近してきている現在、ものごとを根本から考えてみる上でとても重要です。

第1章 労働法を学ぶ意味
第2章 労働者の自立と労働契約法理
第3章 労働組合と不当労働行為
第4章 労使関係における集団的性質
第5章 ワークルール教育の広がり
第6章 労働委員会と紛争解決
第7章 労働法教育と研究活動
第8章 遺作

 

 

 

 

森川正之編『コロナ危機後の日本経済と政策課題』

0b48949b8f444ef6b262f30ee3ccf269 森川正之編『コロナ危機後の日本経済と政策課題』(東京大学出版会)をお送りいただきました。

https://www.utp.or.jp/book/b10045061.html

コロナ危機、米中対立やロシアのウクライナ侵攻、デジタル革命や気候変動問題など、経済社会を揺るがす事象が続いている。本書は、コロナ禍の経験と教訓を踏まえ、今後の日本経済が抱える課題を9つの分野から概観し、エビデンスに基づく政策を提言する。

内容は以下の通りで、

序章 新型コロナと日本経済――回顧と展望(森川正之)
第1章 政策決定プロセスについてのコロナ禍の教訓(小林慶一郎)
第2章 コロナ危機を経て変容した国際貿易・海外直接投資(冨浦英一)
第3章 地域経済と地域産業政策の課題(浜口伸明)
第4章 日本産業のイノベーション能力(長岡貞男・本庄裕司)
第5章 持続可能な経済社会形成に向けた新たな産業政策の論点(大橋 弘)
第6章 日本の潜在成長率向上に何が必要か――JIPデータベース2023を使った分析(深尾京司)
第7章 コロナ下で日本の働き方はいかに変わったか――その評価と展望(鶴 光太郎)
第8章 イノベーション・エコシステムの構築に向けた異分野融合研究(矢野 誠)
第9章 EBPMをめぐる研究者と政策担当者の間のギャップ(川口大司)

鶴さんの第7章は、在宅勤務から副業、独立自営業、ギグワーカー、ロボット、AI.生成AIなど幅広い話題を採り上げています。

 

 

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