連合総研編『非正規という働き方と 暮らしの実像』
森ます美・本田一成・緒方桂子・上田真里・連合総合生活開発研究所 編『非正規という働き方と 暮らしの実像 ジェンダー・法制・労働組合を問い直す』(旬報社)をお送りいただきました。
https://www.junposha.com/book/b640337.html
日本の非正規雇用率は37%、女性だけだと50%以上!
非正規労働の〈今〉を伝え、政策・制度・労働組合の課題を提起する
非正規雇用労働は不安定な働き方から社会問題にもなっており、新型コロナ禍ではその問題がさらに浮き彫りになりました。本書では非正規雇用で働く人たちの実像を、政府統計やアンケート調査の結果などから明らかにし、その問題点をいかに解決していくかを考え、労働組合がこの問題にどう立ち向かっていくべきかを提言します。
というわけで、内容は以下の通りです。
はじめに【森 ます美】
第Ⅰ部 非正規雇用労働者とは誰なのか
第1章 非正規雇用労働者とは誰か【本田一成】
第2章 日本の非正規雇用労働組合員【森 ます美】
第3章 非正規で雇用される労働者の働き方および意識の現在
―「同一労働同一賃金」ルールと無期転換制度を中心に―【緒方桂子】
第Ⅱ部 非正規雇用労働とジェンダー
第4章 非正規〈女性稼ぎ主〉世帯の仕事と暮らし【森 ます美】
第5章 非正規雇用のなかの〝主婦パート〟【後藤嘉代】
第6章 ケアを保障する国家【上田真理】
第Ⅲ部 非正規雇用労働と社会保障・労働法制
第7章 ディーセントな生活を支える社会保障の課題【上田真理】
第8章 ポストコロナ時代の非正規雇用労働法制の展望【緒方桂子】
第9章 日本のシフト制労働をめぐる労働法制【石川茉莉】
第Ⅳ部 非正規雇用労働と労働組合
第10章 「必ずそばにいる」存在になるために
―労働組合の取り組み―【久保啓子】
第11章 非正規女性は労働組合の担い手になりうるか【後藤嘉代】
第12章 非正規雇用労働者と労働組合
―「リアル組織率」を反転させるために―【本田一成】
本田さんが第一章で描き出している、様々な非正規の10のペルソナというのも大変面白いですが、ここでは連合総研の石川茉莉さんのシフト制の章を紹介しておきます。というのも、実は私の書いたものもかなり引用され、シフト制についての手頃なまとまった文章になっているからです。
日本のシフト制労働をめぐる今後の労働法制を検討する上では、特に次の2つの視点が重要である。第1に、シフト制労働の「濫用の防止」である。・・・第2に、「最低限の予測可能性」を確保した上で、シフト制労働者の「自己決定権」を尊重することである。・・・
以上の基本的な視点をもとに、日本において今後検討すべき法政策を3点挙げる。
第1に、より詳細な労働条件の明示を義務づけることが考えられる。・・・
第2に、最低限の労働予見可能性を確保するための制度を設けることが考えられる。・・・
第3に、最低労働時間規制の導入が考えられる・・・
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