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2024年2月13日 (火)

古屋星斗+リクルートワークス研究所『「働き手不足1100万人」の衝撃』

002514 古屋星斗+リクルートワークス研究所『「働き手不足1100万人」の衝撃』(プレジデント社)をお送りいただきました。

https://presidentstore.jp/category/BOOKS/002514.html

2040年には働き手が1100万人足りなくなる――
テレビ、新聞、ネットで大反響の衝撃の未来予測シミュレーション、待望の書籍化!!

2040年には働き手が1100万人足りなくなる――。

2023年3月にリクルートワークス研究所が発表した未来予測シミュレーションは、テレビ、新聞、ネットで数多く取り上げられ、大きな反響を呼んだ。

これまで「人手不足」は企業の雇用問題として報じられてきたが、これから起ころうとしている「人手不足」は、まったく様相が異なるという。

業種別にシミュレーション結果を見ると、2040年には
・介護サービス職で25.2%
・ドライバー職で24.1%
・建設職で22.0%
の人手が足りなくなる。

そうすると何が起こるのか?

宅配便の遅延が当たり前になり、ドライバー不足でコンビニやスーパーの商品の補充も毎日できなくなり、建設現場の人手不足で地方の生活道路が穴だらけになってしまう。注文したものの配送、ゴミの処理、災害からの復旧、道路の除雪、保育サービス、介護サービス……。
私たちは今、これまで当たり前に享受してきたあらゆる「生活維持サービス」の水準が低下し、消滅する危機に直面しているのである。

これから訪れる人手不足は「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という、生活者の問題としてわれわれの前に現れるのだ。

本書では、詳細なシミュレーションをもとに、今後われわれ日本人が直面する「労働供給制約」という不可避の社会課題を明らかにする。
もちろん、ただ危機を「座して待つ」だけではない。これから確実に直面する働き手不足の問題を解消するための4つの打ち手も提案する。
いずれの打ち手も机上論ではなく、すでに地域や個人、企業が実践しているもので、すでに芽が出ている取り組みである。

世界ではじめて人類社会の新局面に直面する日本において、働き手不足がもたらすのは「危機」だけではない。
じつは労働供給制約は、私たちに新しい働き方をもたらし、日本をまったく新しい豊かな社会に変えるための突破口になるかもしれない。
労働市場の研究者である著者が、「危機の時代」を「希望の時代」にするために筆を執った衝撃の未来予測。 

未来予測シミュレーション自体は、JILPTが以前行った試算を使って延長したものであり、実はJILPTの研究員がいま新たなデータを用いて計算しているところです。わたしは全く理解できないので、何をどういう風に計算してるのか全然分かりませんが、計量経済の専門家はシミュレーションモデルの式を見れば、何をしているのか分かるのでしょう。

でも、本書を読んで一番面白かったのは、全国の様々な企業の人々に、異次元の人手不足の状況を丹念に聞いているところです。

・【事例1】「地元の企業同士で若者の取り合いになる」 
・【事例2】「人手不足で店を畳まざるをえない」 
・【事例3】「閑散期のはずなのに毎日仕事を断っている」
・【事例4】「このままでは車検制度が維持できない」
・【事例5】「減便でも『しかたない』ほどの人手不足」
・【事例6】「配達員は70代、80代が中心。毎日1000部配達できない」

この現場の声の生々しさは一読の値打ちがあります。

また、後半で働き手不足を解消する4つの打ち手として提起しているもののうち、「徹底的な機械化・自動化」とか「企業のムダ改革とサポート」とかは、この界隈でいままでも言われてきたことですが、「ワーキッシュアクトという選択肢」というのは新鮮でした。というか、そもそもこの「workish act」という言葉自体、古屋さんの造語らしく、本業でも「副業」でもなく、半ば趣味活動、半ばボランティア、半ば地域活動みたいな、仕事じゃないけど社会のためになってるような活動を指す言葉のようで、こういうのは目の付け所がいいなあと感心します。

本書の最後のところにハンナ・アレントの『人間の条件』に出てくる、労働、仕事、活動の3つの行動がでてくるので、それがこのワーキッシュアクト概念の背景にあることがわかります。

ちなみに、末尾の著者プロフィールを見ると、主たる著者の古屋星斗さんの名前は「しょうと」であり、共著者の中村星斗さんの名前は「せいと」なんですね。まぎらわしいような、まぎらわしくないような。

 

 

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コメント

 さすがのメンバーシップ型雇用社会も働き手不足1100万人では持続可能ではなさそうですね。
 そもそもメンバーシップ型社会は人口増加、高い経済成長が当たり前だった時代の遺制ですよね。

「趣味であり、また、軽い副業である」みたいなのが広まればいいと思うのですが、
典型的なメンバーシップ型では、副業禁止ですよね。

何を今更。ハローワークの新規求職申込件数は2002年4月がピークの94万人(次のピークは2009年4月の90.6万人)で下がり続け、2023年4月は50.1万人。たぶん今年の4月は50万人切るんじゃないかな。働き方改革で女性労働者や高年齢労働者を労働市場に引っ張り込んでこの状態だから、もう取り込めるものがない今後はすごい勢いで減るのではないだろうか。

>>本業でも「副業」でもなく、半ば趣味活動、半ばボランティア、半ば地域活動みたいな、仕事じゃないけど社会のためになってるような活動


ふむ、まさに昔の地域社会はこのような活動によって支えられていたといえるでしょう。市場経済が進展して地域社会が衰退するとともに消えていったものです。

しかし逆に言えば、地域社会における信頼関係があったからこそ、それによって生じるトラブルを解決したり責任をシェアすることでこのような活動はなしえたといえる。


地域社会が衰退しきった現在において、そうそううまくいくのかという疑問が生じる。下手をすれば企業や行政の下請けとしてワーキッシュアクトの美名の下で貧困者が搾取されるという事態が生じかねないでしょう。

これで日本の過剰な消費者優位社会が変化し、供給者の立場が上昇して消費者と供給者の立場が対等になればいいのですが。

「働き手減少社会」はすなわち人口減少社会であるわけです。
最近の日本は合計特殊出生率が1.26(2022年)になり、そして2050年の人口が9515万人と予測されているのを踏まえて「異次元の少子化対策」だの、あるいは増田寛也氏のグループによる「人口ビジョン2100―安定的で、成長力のある『8000万人国家』へ―」なる提言など人口減少対策に喧しいです。

でも本当のところ、これらの「対策」は実現性のあるものとは思えないです。
直面する「働き手減少」に対してどうすべきかと言う目の前に迫った大問題から目を背けているだけのような気がします。
「人口ビジョン2100―安定的で、成長力のある『8000万人国家』へ―」を中央公論で読みました。
意欲は分かるのですが、こちらの胸に響いてこない、と言いますか、なんと言うべきか。

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