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2024年1月24日 (水)

欧州委員会が欧州労使協議会指令の改正案を提出

Blobservlet_20240124231001 本日、欧州委員会は欧州労使協議会指令の改正案を提出しました。

Commission proposes to improve European Works Councils to strengthen transnational social dialogue

Today, the Commission proposes to revise the European Works Councils (EWCs) Directive to further improve social dialogue in the EU.

この指令が最初に採択されたのは、1994年ですからもう30年も前になりますね。

その翌年1995年に、わたしはブリュッセルに赴任し、3年間欧州委員会の第5総局(雇用社会総局)の人たちとおつきあいさせてもらいながら、EU労働法について勉強して、1998年に帰国後直ぐに『EU労働法の形成』という本を書いたのでした。

いろいろと懐かしい思い出のある指令です。1997年には、ルノー社がベルギーのビルボーデ工場を突然閉鎖するという騒ぎがあり、本指令違反じゃないかと裁判沙汰にもなりました。そのときルノー社の上級副社長だったカルロス・ゴーンが、1999年には日産のCEOとして「進駐」してきたわけですが。

その後2009年に若干の改正がされて、現時点の指令はこうなっています。

被用者への情報提供及び協議を目的とした欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループにおける欧州労使協議会又は手続の設置に関する欧州議会及び閣僚理事会の指令(再制定)(欧州労使協議会指令)

第Ⅰ節 総則
 
第1条 目的
1 本指令の目的は、欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループにおける被用者への情報提供及び協議を受ける権利を改善することにある。
2 この目的のため、被用者への情報提供及び協議の目的で第5条第1項に定める方法により要求があった場合には、全ての欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループごとに、欧州労使協議会又は被用者に対する情報提供及び協議のための手続が設置されるものとする。被用者への情報提供及び協議の仕組みは、その有効性を確保しかつ当該企業又は企業グループが有効に意思決定を行うことを可能にするような方法により規定され、実施されるものとする。
3 被用者への情報提供及び協議は、審議される主題に応じて、経営側と被用者代表の適切なレベルで行われなければならない。これを達成するため、本指令に基づく欧州労使協議会の権限及び被用者への情報提供及び協議の手続の範囲は国境を超える問題に限定されるものとする。
4 国境を超える問題とみなされるのは、欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループが全体として、又は二つの異なる加盟国に所在する当該企業若しくは企業グループのうち少なくとも二つの企業若しくは事業所に関わる場合である。
5 第2項にかかわらず、第2条第1項第第(c)号にいう欧州共同体規模企業グループの中に一以上の第2条第1項第(a)号又は第(c)号にいう欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループが含まれている場合には、第6条にいう協定で別に定めない限り、欧州労使協議会は当該企業グループ全体のレベルで設置されるものとする。
6 第6条にいう協定においてより広い範囲が定められていない限り、欧州労使協議会の権限及び権能並びに第1項に規定する目的を達成するために設置される情報提供及び協議の手続の範囲は、欧州共同体規模企業の場合には加盟諸国内に所在する全ての事業所に、欧州共同体規模企業グループの場合には加盟諸国内に所在する全ての当該企業グループ傘下企業に及ぶものとする。
 
第2条 定義
1 本指令において、
(a) 「欧州共同体規模企業」とは、加盟国内で1000人以上の被用者を雇用し、かつ、2以上の加盟国でそれぞれ150人以上の被用者を有する企業をいう。
(b) 「企業グループ」とは、一つの支配企業とその被支配企業をいう。
(c) 「欧州共同体規模企業グループ」とは次の特徴を有する企業グループをいう。
- 加盟国内で1000人以上の被用者を有し、
- 異なる加盟国に2以上のグループ傘下企業が存在し、
かつ
- 1加盟国に150人以上の被用者を有する1以上のグループ傘下企業が存在し、かつ、別の加盟国に150人以上の被用者を有する他のグループ傘下企業が一以上存在すること。
(d) 「被用者代表」とは、国内法及び/又は国内慣行に規定する被用者の代表をいう。
(e) 「経営中枢」とは、欧州共同体規模企業の経営中枢又は欧州共同体規模企業グループの場合には支配企業の経営中枢をいう。
(f) 「情報提供」とは、使用者により被用者代表に対して主題事項について知りかつ検討しうるためになされるデータの伝達をいう。情報提供は、被用者代表があり得べき帰結について突っ込んだ評価を遂行し、適当であれば欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの権限ある機関との協議を準備することができるような時期に、そのようなやり方で、そのような内容でなされるものとする。
(g) 「協議」とは、被用者代表と経営中枢又は経営側のより適切なレベルの者の間における、被用者代表が提供された情報に基づいて協議が関わる提案された措置に対して経営側の責任に抵触することなく合理的な期間内に、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループ内で考慮に入れられ得る意見を表明することができるような時期に、そのようなやり方で、そのような内容でなされる意見の交換及び対話の確立をいう。
(h) 「欧州労使協議会」とは、被用者に対して情報提供及び協議を行う目的で、第1条第2項又は附則Ⅰの規定に従い設置される協議会をいう。
(i) 「特別交渉組織」とは、第1条第2項に従い欧州労使協議会又は情報提供及び協議の手続の設置に関し、第5条第2項の規定に従い経営中枢と交渉を行うために設置される組織をいう。
2 本指令において、適用基準たる労働力規模の最低人数は、パートタイム被用者を含め、国内法及び/又は慣行に従って算定された過去2年間に雇用されていた被用者の平均人数に基づくものとする。
 
第3条 「支配企業」の定義
1 本指令において、「支配企業」とは、資本の所有、資本の参加又は支配する規則により他の企業(「被支配企業」)に対して支配的影響力を行使することができる企業をいう。
2 ある企業が他の企業に対して直接的又は間接的に次のいずれかの要件を満たす場合には、反証がない限り、支配的影響力を行使しうる能力を有するものと推定されるものとする。
(a) 当該企業の引受資本の過半数を所有しているか、
(b) 当該企業の発行済み株式に基づき議決権の過半数を制しているか、
(c) 当該企業の経営機関、執行機関又は監督機関の構成員の半数以上を指名することができること。
3 第2項において、議決及び指名に関する支配企業の権利の中には、他の被支配企業の権利及び自らの名前で行動しているが支配企業又は他の被支配企業のために行動している個人又は機関の権利を含むものとする。
4 第1項及び第2項にかかわらず、ある企業が、企業間の集中の規制に関する2004年1月20日の閣僚理事会規則(139/2004)第3条第5項第(a)号又は第(c)号にいう会社である場合には、他の企業の株式を所有していても「支配企業」とは見なされない。
5 清算、解散、破産、支払停止、債務免除又は類似の手続に関する加盟国の法制に従い、執行者がその権限を行使しているという事実だけでは、支配的影響力が行使されているとは推定されない。
6 ある企業が「支配企業」であるかどうかを決定するために適用される法律は、当該企業を管轄する加盟国の法律とする。
 当該企業を管轄する法律が加盟国の法律でない場合には、当該企業の代表機関が所在する加盟国の法律が適用され、そのような代表機関が存在しない場合には、被用者をもっとも多く雇用するグループ傘下の企業の経営中枢が所在する加盟国の法律が適用されるものとする。
7 第2項の適用において法の抵触があり、同一グループの2以上の企業が同項に定める1以上の基準を満たす場合には、同項第(c)号に定める基準を満たす企業が支配企業と見なされる。ただし、別の企業が支配的影響力を行使できることの証明がある場合にはこの限りでない。
 
第Ⅱ節 欧州労使協議会又は被用者への情報提供及び協議の手続の設置
 
第4条 欧州労使協議会又は被用者への情報提供及び協議の手続の設置の責任
1 経営中枢は、欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループにおいて、第1条第2項に定めるように、欧州労使協議会又は情報提供及び協議の手続の設置に必要な条件と手段を作り出す責任を有するものとする。
2 経営中枢が加盟国内に存在しない場合、必要があれば指定される加盟国内における経営中枢の代表機関が、第1項の責任を負うものとする。
 そのような代表機関が存在しない場合、加盟国の中でもっとも多くの被用者を雇用する事業所又はグループ傘下の企業の経営者が、第1項の責任を負うものとする。
3 本指令において、代表機関又はそのような代表機関がない場合には第2項第2文にいう経営者が経営中枢とみなされる。
4 欧州共同体規模企業グループに属する全企業の経営者及び欧州共同体規模企業グループの経営中枢又は第2項第2文にいうみなし経営中枢は、本指令の適用により関係当事者に第5条にいう交渉を開始するのに必要な情報、とりわけ企業又は企業グループの構造とその労働力に関する情報を入手し提供する責任を負うものとする。この義務はとりわけ、第2条第1項第(a)号及び第(c)号にいう被用者数に関する情報に関わるものとする。
 
第5条 特別交渉組織
1 第1条第1項の目的を達成するため、経営中枢は自らの発意によって、又は2以上の異なる加盟国の2以上の企業又は事業所の全部で100人以上の被用者又はその代表からの書面による要求によって、欧州労使協議会又は情報提供及び協議の手続を設置するための交渉を開始するものとする。
2 このため、次の指針に従い、特別交渉組織が設立されるものとする。
(a) 加盟国は、自国の領域内で選出され又は指名される特別交渉機関の構成員の選出又は指名に用いられる方法を決定するものとする。
 加盟国は、被用者の責めに帰すべき理由がないにも関わらず被用者代表が存在しない企業及び/又は事業所の被用者が、特別交渉機関の構成員を選出し又は指名する権利を有する旨を規定するものとする。
 第2文の規定は、被用者代表機関の設置の適用要件として最低被用者数を規定する国内法令及び/又は慣行を妨げないものとする。
(b) 特別交渉機関の構成員は、各加盟国において欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループによって雇用される被用者数に応じて、全加盟国で雇用される被用者数の10%又はその端数に達する各加盟国ごとに雇用される被用者数の割合に応じて1人ずつ、選出又は指名されるものとする。
(c) 経営中枢及び事業所や子会社の経営者並びに権限ある欧州の労働者組織及び使用者組織は、特別交渉機関の構成及び交渉の開始について通知を受けるものとする。
3 特別交渉組織は、経営中枢とともに、欧州労使協議会の適用範囲、構成、権限及び任期又は被用者への情報提供及び協議の手続の実施方法を、書面による協定の形で決定する任務を有するものとする。
4 第6条に従って協定を締結することを目的として、経営中枢は特別交渉機関との会合を招集するものとする。経営中枢はこの旨を事業所や子会社の経営者に通知する。
 経営中枢とのいかなる会合の前後においても、特別交渉機関は経営中枢の代表の臨席なしに、いかなる必要な通信手段をも用いて、会合をする権利を有する。
 交渉のために、特別交渉組織は、権限ある承認された欧州共同体レベルの労働組合の代表を含む自らが選択した専門家の援助を要請することがができる。かかる専門家及び労働組合代表は、特別交渉組織の要請により諮問的地位において交渉会合に出席することができる。
5 特別交渉機関は、3分の2以上の議決により、第4項に従い交渉を開始しない旨又は既に開始した交渉を打ちきる旨を決定することができる。
 かかる決定は、第6条にいう協定を締結するための手続を中止するものとする。かかる決定が行われた場合には、附則Ⅰの規定は適用されないものとする。
 当事者がより短い期間を定めた場合を除き、新たな特別交渉機関の招集の要請は上記決定の後少なくとも2年経過した後に行うことができる。
6 第3項及び第4項にいう交渉に関係するいかなる費用も特別交渉機関が適切に任務を遂行できるようにするために経営中枢により負担されるものとする。
 この原則に則り、加盟国は特別交渉機関の運営に関する財務上の規則を定めることができる。加盟国は特に専門家の費用負担については1名のみに限定することができる。
 
第6条 協定の内容
1 経営中枢及び特別交渉組織は、第1条第1項に定める被用者への情報提供及び協議の実施の詳細な仕組みについて協定に達する目的で、協調の精神を持って交渉しなければならない。
2 当事者の自治に抵触しない限り、第1項にいう経営中枢及び特別交渉組織の間の協定は、書面により次の事項を決定するものとする。
(a) 協定の対象となる欧州共同体規模企業グループの傘下企業又は欧州共同体規模企業の事業所、
(b) 欧州労使協議会の構成、構成員数、可能であれば被用者の均衡のとれた代表の必要性を考慮に入れて、その活動、労働者範疇及び性別に関して議席の配分及び任期、
(c) 欧州労使協議会の情報提供及び協議を行う場合の権能及び手続並びに、第1条第3項に定める原則に従い欧州労使協議会の情報提供及び協議と国内被用者代表機関との連携、
(d) 欧州労使協議会の開催場所、開催頻度及び開催期間、
(e) 必要であれば、欧州労使協議会の中に設置される特別委員会の構成、指名手続、機能及び手続規則、
(f) 欧州労使協議会に配分される財政的、物質的資源、
(g) 協定の発効日及びその有効期間、協定の改正又は廃止の手続、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの構造が変化した場合を含め、協定が再交渉される場合には再交渉の手続、
3 経営中枢及び特別交渉機関は、書面により、欧州労使協議会の代わりに、1以上の情報提供及び協議の手続を設置することができる。
 この協定は、いかなる方法によって被用者代表が彼らに伝達された情報を討議するために会合する権利を有するかを規定しなければならない。
 この情報は特に労働者の利益に重大な影響を与える国境を超える問題に関わるものとする。
4 第2項及び第3項にいう協定は、別段の定めがない限り、附則Ⅰの補完的要件に従ったものである必要はない。
5 第2項及び第3項にいう協定を締結するために、特別交渉組織はその構成員の過半数によって行動するものとする。
 
第7条 補完的要件
1 第1条第1項の目的を達成するために、次のいずれかの場合には、経営中枢の所在する加盟国の法制により規定された補完的要件が適用されるものとする。
- 経営中枢及び特別交渉機関がそう決定した場合、
- 経営中枢が第5条第1項の要求が行われてから6か月以内に交渉の開始を拒否した場合、
又は、
- 当該要求の日から3年後においても、経営中枢と特別交渉組織が第6条に定める協定を締結することができず、かつ特別交渉組織が第5条第5項に定める決定を行わない場合。
2 第1項にいう加盟国の法制により定められた補完的要件は、附則Ⅰに定める規定を満たさなければならない。
 
第Ⅲ節 雑則
 
第8条 機密情報
1 加盟国は、特別交渉機関又は欧州労使協議会の構成員及び彼らを援助する専門家が、機密であることを明示されて提供されたいかなる情報も漏洩してはならない旨を定めるものとする。
 情報提供及び協議の手続の枠組における被用者代表についても同様である。
 この義務は、第1文及び第2文にいう者がその任期を終了した後にも引き続き適用される。
2 各加盟国は、情報の性質が客観的な基準に照らし、関係企業の活動に深刻な支障をもたらし、又は関係企業に不利益を与えるものである場合には、個々の事例ごとに、かつ国内法令で定める条件及び制限の下に、その国内に所在する経営中枢が、情報を提供する義務がない旨を規定するものとする。
 加盟国はこのような適用除外を受ける条件として、事前の行政的又は司法的許可を必要とする旨を規定することができる。
3 各加盟国は、本指令の採択の日に既にそのような規定が国内法令に置かれていることを条件として、情報提供及び意見表明に関してイデオロギー的指導を行うことを直接かつ主たる目的とする当該国内に所在する企業の経営中枢のために特別の規定を置くことができる。
 
第9条 欧州労使協議会及び労働者に対する情報提供及び協議の手続の運営
 経営中枢及び欧州労使協議会は、相互の権利及び義務を尊重し、協調の精神をもって作業を行うものとする。
 労働者に対する情報提供及び協議の手続の枠組における経営中枢及び被用者代表の間の協調についても同様とする。
 
第10条 被用者代表の役割及び保護
1 この点で他の機関又は組織の権限を妨げない限り、欧州労使協議会の構成員は、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの被用者の利益を集団的に代表する本指令から生ずる権利を適用するのに必要な手段を有するものとする。
2 第8条を妨げない限り、欧州労使協議会の構成員は欧州共同体規模企業グループの事業所又は傘下企業の被用者代表に、かかる代表がいない場合には労働力全体に対し、本指令に従い遂行された情報提供及び協議の内容及び結果について情報提供するものとする。
3 特別交渉機関の構成員、欧州労使協議会の構成員及び第6条第3項にいう手続の下でその権能を行使する被用者代表は、その権能の行使に当たり、その雇用されている国で効力を有する国内法令及び/又は慣行により被用者代表が与えられているのと同様の保護及び保証を受けるものとする。
 これは、特に特別交渉機関若しくは欧州労使協議会の会合又は第6条第3項にいう協定の枠組みにおけるその他の会合への出席及び欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの職員である構成員がその任務を遂行するために欠勤した期間の賃金の支払いに適用するものとする。
 海上船舶の乗組員である特別交渉組織又は欧州労使協議会の構成員若しくはその代理は、当該構成員又はその代理が航海中でないか又は船舶会社が所在する以外の国の港湾に停泊中であるときは、特別交渉組織又は欧州労使協議会若しくは第6条第3項に基づき設置された手続の下の他の会合が開催される場合にそこに出席する権利を有する。
 可能であれば、諸会合は海上船舶の乗組員である構成員又はその代理が出席できるような日程とするものとする。
 海上船舶の乗組員である特別交渉組織又は欧州労使協議会の構成員若しくはその代理が会合に出席できないときは、可能であれば新たな情報通信技術の利用が考慮されるものとする。
4 それが国際環境におけるその代表としての任務の行使に必要である限り、特別交渉組織又は欧州労使協議会の構成員は賃金の減額なしに訓練を受けるものとする。
 
第11条 本指令の遵守
1 各加盟国は、経営中枢がその国に存在するか否かを問わず、国内に所在する欧州共同体規模企業の事業所の経営者及び欧州共同体規模企業グループの傘下企業の経営者、それらの被用者代表、又は場合によっては被用者が、この指令に規定される義務に従うべきことを確保するものとする。
2 加盟国は、本指令が遵守されない場合に採られるべき適切な措置について規定するものとする。特に加盟国は、本指令から生ずる義務が実施されるように、適切な行政的又は司法的手続が適用されることを確保するものとする。
3 加盟国が第8条を適用する場合、経営中枢が同条に従い機密保持を要求し又は情報を提供しない場合に、被用者代表が行うことができる行政的又は司法的な訴えの手続に関する規定を置くものとする。
 かかる手続は、問題となる情報の機密性を保護するための手続を含むことができる。
 
第12条 他の欧州共同体規定及び国内規定との関係
1 欧州労使協議会への情報提供及び協議は、それぞれの権限と範囲及び第1条第3項に規定する原則に十分配慮しつつ、国内の被用者代表機関への情報提供及び協議と連携するものとする。
2 欧州労使協議会と国内被用者代表機関への情報提供及び協議の連携の仕組みは、第6条にいう協定により定めるものとする。同協定は被用者への情報提供及び協議に関する国内法及び/又は慣行の規定を妨げない。
3 協定によりかかる仕組みが定められない場合には、加盟国は、意思決定が作業編成又は契約関係に甚大な影響を与えると見込まれる場合には国内被用者代表機関とともに欧州労使協議会にも情報提供及び協議の手続が行われるよう確保するものとする。
4 本指令は指令2002/14/EC(一般労使協議指令)の情報提供及び協議の手続、指令98/59/EC(集団整理解雇指令)第2条及び指令2001/23/EC(企業譲渡指令)第7条の特定の手続を妨げない事会指令(77/187/EEC)に従って講じられる措置に抵触しない範囲で適用されるものとする。
5 本指令の実施は、各加盟国で既に行われている状況との関係で、またそれが適用される分野の労働者の一般的保護水準との関係で、いかなる後退にも十分な根拠とはならないものとする。
 
第13条 適応
 欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの構造が著しく変化し、有効な協定によって定められた規定が存在しないか、又は2以上の適用しうる協定の関係規定の間で矛盾が生じている場合には、経営中枢は自らの発意によって、又は2以上の異なる加盟国の2以上の企業又は事業所の100人以上の被用者又はその代表からの書面による要求によって、第5条にいう交渉を開始するものとする。
 既存の欧州労使協議会又は各欧州労使協議会の3名以上の構成員は、第5条第2項に従い選出又は指名された構成員に加えて、特別交渉組織の構成員となるものとする。
 交渉期間中、既存の欧州労使協議会は欧州労使協議会の構成員と経営中枢の間で合意により適応された仕組みにより運営を継続するものとする。
 
第14条 既存の協定
1 第13条に抵触しない限り、次に掲げる欧州共同体規模企業及び欧州共同体規模企業グループには、本指令から生じる義務は適用されないものとする。
(a) 指令94/74/EC(旧欧州労使協議会指令)第13条第1項又は指令97/74/EC(旧欧州労使協議会指令をイギリスに適用拡大する指令)第3条第1項に基づき、全ての被用者を対象とする国境を超える被用者への情報提供及び協議について定める協定が締結されているか、又はかかる協定が企業若しくは企業グループの構造変化のために修正されているか、
又は、
(b) 指令94/74/EC(旧欧州労使協議会指令)第6条に基づき締結された協定が、2009年6月5日から2011年6月5日の間に署名又は改定された場合。
 協定が署名又は改定されたときに適用される国内法は第1文第(b)号にいう企業又は企業グループに引き続き適用されるものとする。
2 第1項にいう協定の期間満了の場合には、当該協定の当事者は共同して当該協定を更新又は改定することができる。更新又は改定がなされない場合には、本指令の規定が適用されるものとする。
 
第15条 報告
 2016年6月5日までに、欧州委員会は欧州議会、閣僚理事会及び経済社会委員会に対し、本指令の施行に関して、必要であれば適当な提案を付して、報告するものとする。
 
第16条 国内法転換
1 加盟国は、2011年6月5日までに、第1条第2項、第3項及び第4項、第2条第1項第(f)号及び第(g)号、第3条第4項、第4条第4項、第5条第2項第(b)号及び第(c)号、第5条第4項、第6条第2項第(b)号、第(c)号、第(e)号及び第(g)号、第10条、第12条、第13条及び第14条並びに、附則Ⅰ第1項第(a)号、第(c)号及び第(d)号、第2項及び第3項を遵守するのに必要な法律、規則又は行政規定を発効させるか、又は労使団体が同日までに協約の手段によって必要な規定を導入するように確保するものとし、この場合加盟国は本指令により課せられた結果をあらゆるときに保証するよう必要なあらゆる措置をとるよう義務づけられるものとする。
 加盟国はこれらの規定を採択するとき、本指令への言及を含めるか又は官報掲載時にかかる言及を附記するものとする。これにはまた、既存の法律、規則及び行政規定における本指令によって廃止された指令への言及が本指令への言及として解釈される旨の宣言を含めるものとする。加盟国はかかる言及がいかになされ宣言がいかになされるかを決定するものとする。
2 加盟国は欧州委員会に対し、本指令の対象分野で採択した国内法の主要な規定の文言を通知するものとする。
 
第17条 廃止
 附則Ⅱ第A部に列記する指令によって改正された指令94/45/EC(旧欧州労使協議会指令)は廃止され、2011年6月5日に効力を失い、附則Ⅱ第B部に定める指令の国内法転換期源に関する加盟国の義務を妨げない。
 廃止された指令への言及は本指令への言及と解釈されるものとし、附則Ⅲの対応表に従って読まれるものとする。
 
第18条 発効
 本指令は欧州連合官報への掲載の20日後に効力を発する。
 第1条第1項、第5項、第6項及び第7項、第2条第1項第(a)号から第(e)号まで、第(h)号及び第(i)号、第2条第2項、第3条第1項、第2項、第3項、第5項、第6項及び第7項、第4条第1項、第2項及び第3項、第5条第1項、第3項、第5項及び第6項、第5条第2項第(a)号、第6条第1項、第6条第2項第(a)号、第(d)号及び第(f)号、第6条第3項、第4項、第5項、第7条、第8条、第9条及び第11条、並びに附則Ⅰ第1項第(b)号、第(e)号及び第(f)号、第4項、第5項及び第6項は、2011年6月6日から適用する。
 
第19条 名宛人
 本指令は加盟国に宛てられる。
 
附則Ⅰ (第7条にいう)補完的要件
 
1 第1条第1項に定める目的を達成するため、かつ第7条第1項に定める場合において、欧州労使協議会の設置、構成及び権限は次の基準に従うものとする。
(a) 欧州労使協議会の権限は第1条第3項に従って決定されるものとする。
 欧州労使協議会への情報提供は、とりわけ欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの構造的、経済的、財務的状況、事業、生産及び販売の予測に関するものとする。欧州労使協議会への情報提供及び協議は、とりわけ雇用、投資の状況及びその予測、組織の実質的変更、新たな作業方法及び生産過程の導入、生産の移転、企業、事業所又はその重要な一部の合併、縮小、閉鎖、並びに集団整理解雇に関するものとする。
 協議は、被用者代表が経営中枢と会合し、その表明したいかなる意見に対しても回答とその回答の理由を得られるような方法で遂行されるものとする。
(b) 欧州労使協議会は、被用者代表又はそのような代表がいない場合には被用者全体により選出又は指名された、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの被用者により構成されるものとする。
 欧州労使協議会の構成員の選出又は指名は、国内法及び/又は慣行に従って実施されるものとする。
(c) 欧州労使協議会の構成員は、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループによって各加盟国において雇用されている被用者数に応じて選出又は指名され、全加盟国で雇用される被用者数の10%又はその端数に達する各加盟国ごとに雇用される被用者数の割合に応じて1人ずつ配分されるものとする。
(d) その活動を調整することができるように、欧州労使協議会は、その構成員の中から5名以内で構成される特別委員会を選出するものとし、その構成員は定期的に活動することができるような条件を享受しなければならない。する。
 欧州労使協議会は自らの手続規則を定めるものとする。
(e) 経営中枢及び他のいかなる適当なレベルの経営者も、欧州労使協議会の構成について通知を受けるものとする。
(f) 欧州労使協議会が設置されてから4年後に、同協議会は第6条にいう協定を締結するための交渉を開始するか、又は本附則に従って採択された補完的要件の適用を継続するかについて検討するものとする。
 第6条に従い協定の交渉を開始する決定が行われた場合、第6条及び第7条を準用するものとする。この場合において「特別交渉組織」とあるのは「欧州労使協議会」と読み替えるものとする。
2 欧州労使協議会は、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの事業の進展と見通しに関し、経営中枢により作成された報告書をもとに情報提供及び協議を受けるため、年に一回、経営中枢と会合を持つ権利を有するものとする。子会社や事業所の経営者は、この会合について通知を受ける。
3 特に再配置、事業所又は企業の閉鎖、集団整理解雇のように被用者の利益に重大な影響を与える例外的な状況又は決定の場合には、特別委員会又はそのような委員会が存在しない場合には欧州労使協議会が、情報提供を受ける権利を有するものとする。特別委員会や欧州労使協議会は、その要求により、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの経営中枢又はその措置を決定する権限のあるより適切なレベルの経営者と、情報提供及び協議を受けるために会合を持つ権利を有するものとする。
 問題となっている状況又は決定に直接関係がある事業所及び/又は企業から選出又は指名された欧州労使協議会の構成員もまた、特別委員会とともに会合に参加する権利を有するものとする。
 この情報提供及び協議のための会合は、欧州共同体規模企業又は欧州共同体規模企業グループの経営中枢又はより適切なレベルの経営者により作成された報告を基に、可能な限り早急に開催されるものとする。この報告に対しては、会合終了時又は合理的期間内に意見を提出することができる。
 この会合は、経営中枢の経営権に影響を与えるものではない。
 上記状況について規定される情報提供及び協議の手続は、第1条第2項及び第8条を妨げることなく遂行されるものとする。
4 加盟国は、情報提供及び協議のための会合の議事規則を定めることができる。
 欧州労使協議会又は特別委員会、必要な場合には第3項第2文により拡大されたものは、経営中枢との会合の前に、関係する経営者が出席しない場で会合を持つ権利を有するものとする。
5 欧州労使協議会又は特別委員会は、その任務の遂行に必要な範囲内で、自らが選択した専門家の援助を受けることができる。
6 欧州労使協議会の運営費用は、経営中枢が負担するものとする。
 関係する経営中枢は、欧州労使協議会の構成員が適切に任務を遂行できるように、これら構成員に対し、財政的及び物質的資源を提供するものとする。
 特に、会議の設営及び通訳の提供に要する費用並びに欧州労使協議会及びその特別委員会の構成員の宿泊費及び旅費は、別に合意がある場合を除き、経営中枢が負担するものとする。
 これら原則に従い、加盟国は欧州労使協議会の運営に関する財政上の規則を定めることができる。加盟国は特に専門家については1名のみの負担に限定することができる。

 

 

 

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