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2024年1月13日 (土)

EUプラットフォーム指令案をめぐる暗闘の舞台裏

1702413973264_20231212_ep161228a_aha_009 昨年末から、EUプラットフォーム指令案をめぐって二転三転の事態となっていますが、昨日付のEurActivは、公開されていない理事会資料を駆使して、現在進行しつつある事態の舞台裏を垣間見せてくれています。

https://www.euractiv.com/section/gig-economy/news/france-leads-charge-to-rewrite-platform-workers-rulebook/

Last month, a coalition of EU countries blocked the provisional agreement on the Platform Workers Directive. But while the Belgian EU Council presidency wants to use the political deal as the starting point for future discussion, Paris wants a more comprehensive file reshaping.

先月、連帯したEU諸国はプラットフォーム労働指令の暫定合意をブロックした。しかしEU理事会議長国のベルギーはこの政治的ディールを将来の議論の出発点として使いたいと望んでいるが、パリはより包括的な見直しを望んでいる。

フランスのマクロン政権は、プラットフォーム労働者が安易に労働者とみなされてしまうような指令には反対だということのようです。

消息筋から入手したらしい1月10日付のフランス政府のコメントによると、

The French actively reject this. “The threshold of 2/5 for triggering the presumption does not seem to French authorities to constitute an element of security enabling genuine self-employed to remain self-employed,” the document reads.

フランスは積極的にこれを拒否する。「労働者の推定をもたらす5要件のうちの2要件充足という基準は、フランス当局には純粋の自営業者を自営業者のままに維持することを可能にする保障の要素を構成するようには見えない」と文書は述べる。

It also criticises the very wording of each criterion as set out in the provisional agreement – a Parliament ask – as deemed to be so broad some would “be likely to be systematically met”, to the detriment of platform work who actively want and choose to remain self-employed.

同文書はまた、暫定合意に示された各基準の文言自体が、あまりにも広範で「体系的に合致しがち」であるため、積極的に自営業者であり続けることを望み選択しているプラットフォーム労働者にとって有害だと批判する。

というわけで、ベルギー政府はスペイン政府の線に沿って意見をまとめたいところのようですが、フランスのマクロン政権は断固それを拒否し続けるつもりのようで、こうなると当分指令の採択は先送りになりそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント

マクロン大統領らしいと言いますか、何と言いますか。
 マクロン氏はフランス史上最年少であり、初めて同性愛である事を公表したアタル新首相を任命して話題になっていますが、EUプラットフォーム指令案に対してこのような態度を取るのであれば、マクロン氏の「バラモン左翼」傾向は変わらないという事なのでしょうね。

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