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2023年12月 6日 (水)

野村駿『夢と生きる バンドマンの社会学』

635068 野村駿『夢と生きる バンドマンの社会学』(岩波書店)をお送りいただきました。

https://www.iwanami.co.jp/book/b635068.html

人生を賭ける夢に出会えたことの幸福と困難――。いつの時代にも少数派ながら「卒業したら就職する」という、普通とされる生き方を選ばない者がいる。夢は諦めに終わるのか、形を変えて続くのか? 数年にわたる二十代から三十代のバンドマンへの貴重なインタビュー調査をもとに現代の「夢追い」のリアルな実態を描き出す。

第3章が、夢追いと働き方の葛藤を扱っています。

 第3章 フリーターか正社員か――夢追いに伴う働き方の選択
  1 フリーターとして夢を追い始める
  2 なぜフリーターを選択するのか
  3 なぜフリーターであり続けられるのか
  4 そもそもフリーターになるべきなのか――正社員バンドマンの存在
  5 夢を追うためにフリーターになるか、正社員になるか

バンドという一番大事なことをきちんとやろうとすると、正社員ではだめでフリーターでないとやれない。

-フリーターを選んだ理由には、何があるの?

カズマ:正社員だと、絶対中途半端になっちゃうだろうなあって思ったから。

-中途半端って何かができなくなるとか?

カズマ:ライブも多分限られてくる。できる日にちが。みんなの予定も合わせられない。とにかくバンドに制限がたくさんできちゃうから。

これはこの世界では規範化すらされているようです。

リク:それね、本当ね、僕も一時期めっちゃ思ってました。なんか、もうバンドにどんだけ時間割けるか。バンドというものに対して、めちゃくちゃシビアに時間を使っていける。たとえば、バイトとかなら融通が利いちゃうわけじゃないですか。そういう立場であることがめちゃくちゃ大事やって、もうなんとなくそうやって思い続けてきた時期があって。バンドにどんだけ尽力するかみたいな。

なんだか、会社にどれだけ尽力するかみたいな、昭和の会社人間の感覚と、ポジとネガが反転しているだけでよく似ているような気もしないではありません。

いずれにしても、こういう規範を内面化した若者たちに、フリーターを強いられているかわいそうな若者への就労支援政策というのは、そもそもほとんど響かないものであろうことは確かなようです。

 

 

 

 

 

 

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コメント

 ロックの本場の英国とかなり事情が異なるようです。

 例えばジョイ・ディヴィジョンのリーダー、イアン・カーティスは公務員として障害者向けの職業安定所に勤務しながらバンド活動を続け、最終的にはライブ活動と両立できずに退職。しかし退職するまで公務員として仕事に熱心に取り組んでいたそうです。

 クイーンのブライアン・メイは大学院で天体物理学を研究して高校教師になったものの、その後音楽活動の道へ。クイーンの同僚のフレディ・マーキュリー死後大学院に戻って見事に博士号を取得し、今もクイーンの活動と研究生活を両立させているようです。

 この辺りの違いはやはりジョブ型雇用社会とメンバーシップ型雇用社会の差なのでしょうか。

 まあ、バンドマンと言う「ジョブ」の社会的地位の低さもあろうとは思います。
 ブルーハーツの曲に「ギター弾きに貸す部屋はねえ」と言う歌詞もありますし(^^;

 英国ではローリング・ストーンズのミック・ジャガーはロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで経済学を学び、英国の国税庁とバンドのどっちを取るか真剣に悩んだらしいです。
 前述のブライアン・メイ博士も同じようなケーズと言えます。
 英国でも60年代はロック音楽への反発はかなりあったはずですが、それでもバンドマンへの職業的偏見は日本よりははるかに少なかったのかもしれないです。

そうですね。日本的「正社員」の要求水準が高すぎて、バンドマンと両立できないというのは、先日のシンポジウムでも論じられた家事育児責任と正社員責任とのバッティングの問題と類比的ですね。

ヒゲダンさんは銀行員のときは大分、忙しかったようですね
ボカロPやら、歌い手やらは、どうなんでしょうか?

大学生とタレントの兼業が多いのは就活のためのガクチカが
不要であれば、大学生の要求水準は低いということ?

「就活に喝」という内田樹に喝
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/04/post-b43f.html

> 日本的「正社員」の要求水準が高すぎて、バンドマンと両立できない
> 家事育児責任と正社員責任とのバッティングの問題と類比的ですね。

公務員もそうですが、兼業禁止は高い水準を要求しているのでしょう。
その結果として、何が起こっているのか、という反省は別にしなくても
いいことなのでしょうか?いや、反省した結果が

 家事・育児との兼業についてはОKとすべき

という政策なんですかね

こども家庭庁、男性職員の産休・育休取得100%目標
https://www.asahi.com/articles/ASR375RSQR37UTFK00P.html

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