アンコレさんが拙著を書評
UNCORRELATED(アンコレ)さんが、ブログ「ニュースの社会科学的な裏側」で、拙著『家政婦の歴史』を丁寧に書評していただいております。
労働法とそれに関連した歴史的な話題を発掘整理している濱口桂一郎氏の新著(といっても出てから4ヶ月経った)『家政婦の歴史』を拝読したので、感想を記しておきたい。
私にとって家政婦はマンガやドラマの中でしか見かけない存在で、最初に題名を見たときはテーマがマニアックすぎだとお茶を噴いてしまったのだが、創作物の設定と現実のどこがどの程度乖離しているかという話題が好物なので目を通してみた。
内容はNHK解説委員室の濱口氏の「家政婦は『家事使用人』ではなかった」が要約になっているので詳しくは触れないが、GHQの偉い人が現実の細部、人夫供給業と派出婦会の違いをよく見なかったために、派出婦会で機能していた近代的な雇用制度が近世的な雇用関係を前提としたモノにされてしまい、家政婦に適切な労働者保護が与えられてこなかったという規制行政の歴史の話であった。GHQの偉い人が日本を去った後、制度の根本部分をこっそり改正すべきであったが、派遣労働の容認が大きな論点になってしまった余波か、緊急避難的な措置が永続的になったのが残念なところで、2022年のある過労死事件の遠因になる。・・・・・
なお、本書での叙述の仕方についても、
ウェブでの話しと異なり、書籍の本書は小説や国会答弁などの引用もあって、江戸から明治、戦中から戦後の雰囲気が分かるように工夫されている。
と評価していただいています。
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