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2023年11月13日 (月)

ジョブ型ブームの中でちらつく日本型雇用の欠陥@『月刊公明』2023年12月号

G112312500 『月刊公明』2023年12月号に「ジョブ型ブームの中でちらつく日本型雇用の欠陥」を寄稿しました。

https://komeiss.jp/products/detail.php?product_id=383

ジョブ型がまた流行している
 もう2年前になるが、2021年に『ジョブ型雇用社会とは何か』(岩波新書)という本を出した。2020年ごろからメディアでジョブ型という言葉が頻出するようになったが、その意味がきちんと理解されていないと感じたからだ。その結果、ジョブ型=成果主義といった誤解はかなり影を潜めたが、ジョブ型=職務給といったやや狭い理解が広がった。とりわけ、岸田政権下で進められる新しい資本主義の中では、「メンバーシップに基づく年功的な職能給の仕組みを、・・・ジョブ型の職務給中心の日本にあったシステムに見直す」と、職務給を唱道している。
 実は日本近代史において、職務給は繰り返し流行してきた。特に戦後は、1950年代から60年代にかけて、政府や経営団体は同一労働同一賃金に基づく職務給を唱道していた。ちょうど60年前の1963年、当時の池田勇人首相は国会の施政方針演説で「従来の年功序列賃金にとらわれることなく,勤労者の職務,能力に応ずる賃金制度の活用をはかるとともに,技能訓練施設を整備し,労働の流動性を高めることが雇用問題の最大の課題であります」と謳っていた。ところが日経連が1969年の報告書『能力主義管理』で職務給を放棄し、見えない「能力」の査定に基づく職能給に移行した。ところが「能力」は下がらないので、中高年層では人件費と貢献が乖離していく。そこで基本給の上昇を抑制するために1990年代に小手先の手段として導入されたのが成果主義だった。
 後述するが、欧米のジョブ型社会では職務に値札がついているので、そのままでは賃金が上がらない。そこで、「お前は成果を挙げているから」と個別に賃金を上げるために使われるのが成果主義である。成果を挙げた者の賃金を上げるのが欧米の成果主義だ。ところが四半世紀前に日本で導入された成果主義は、そのままでは(「能力」に基づく)年功で上がってしまう正社員の賃金を、「お前は成果を挙げていないじゃないか」と難癖をつけて無理やり引き下げるための道具として使われた。こんな制度がうまくいくはずがない。日本型成果主義は失敗に終わったが、問題は残ったままだ。そこで、人件費と貢献の不均衡の是正に再チャレンジしようとしているのが、現在のジョブ型ブームなのであろう。 

ジョブ型は実は古臭い

メンバーシップ型の毀誉褒貶

賃上げのジョブ型とメンバーシップ型

女性活躍とワークライフバランスの迷路

 

 

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コメント

今ある勉強会の課題本として佐藤将之著「Amazonのすごい人事戦略」東洋経済新報社を読んでいるところです。
タイトル通りAmazonの人事戦略について書かれています。

で、Chapter4 アマゾンの採用 のところで「アマゾンでは部下を採用するのは未来の直属の上司だけ」あるいは「人を採用したいときはまず未来の直属の上司が一時的に採用担当マネージャーになり、彼がジョブ・ディスクリプションを書いて人事に提出してから採用活動が始まる」と言う事が書いてあります。
これは欧米をはじめ、日本以外のジョブ型雇用社会では当たり前の事ではあるはずですが、メンバーシップ型雇用が幅を利かせている日本のビジネス社会ではこんな常識は通用しないのでわざわざ書いたのだろうな、と推測出来てしまいました。

まあ、こんな事をいちいち書かないといけないのでは日本の企業がアマゾンの人事戦略を真似することは出来ないであろうし、イノベーションを起こす人材を採用するのも難しいでしょうね(^^;

ジョブ型雇用社会への道なお険し(T_T)

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