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2023年11月 6日 (月)

樋口美雄・田中慶子・中山真緒編『日本女性のライフコース』

29210 樋口美雄・田中慶子・中山真緒編『日本女性のライフコース 平成・令和期の「変化」と「不変」』(慶應義塾大学出版会)をお送りいただきました。

https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766429213/

定点観測が示す新たな展開

適齢期に結婚し、専業主婦になるという昭和の画一的な女性の生き方は、平成のめまぐるしく移り変わる時代の中で多様化したといわれるが、何が変わり、何が変わらなかったのか。
女性にとっての結婚・出産・育児、キャリア形成、非正規雇用などの働き方、夫婦関係のバランス、家計行動などの諸相を、30年に及ぶパネル調査から多角的に読み解く興味深い内容を満載。
性別役割分業をベースとした考え方が根深く残る日本の実態を直視し、この問題からどう脱却すればよいのか、格好の材料を提供。
女性の働き方や生き方は、平成・令和期において、昭和の慣習からどれだけ変貌を遂げたのか? また、いまだに変わっていないのは、どんな事柄なのか? 長期追跡調査から、女性のライフコースの多様性を分析・解説する。

目次は以下の通りですが、

【第Ⅰ部 総論】
序 章 日本女性のライフコースの何が変わり、何が変わっていないのか(樋口、中山)
第1章 日本女性にとって高学歴化の意味は変わったのか――世代間・学歴間のライフキャリア比較(樋口、中山)

【第Ⅱ部 結婚・家族】
第2章 親元同居で「豊かな生活」は可能だったのか――35歳時未婚者の生活の世代比較(田中)
第3章 未婚化・晩婚化で「夫婦関係」はどう変わったのか(田中、永井)
第4章 結婚で生活は豊かになるのか――初婚・離婚・再婚による生活の変化(斉藤)

【第Ⅲ部 家事・子育て】
第5章 性別役割分業意識の強さと出生率――質と量のトレードオフは今も成立しているのか(坂本)
第6章 育児休業制度の効果はどこにみえるのか――働き方、賃金と夫婦の家事・育児分担の変化(中山)
第7章 女性の家事・育児時間は短くなったのか――時系列の世代間比較(西村)

【第Ⅳ部 家計】
第8章 経済停滞による夫収入の低下と妻収入の家計への貢献(坂口)
第9章 日本における女性の「家計内交渉力」の変遷(小原、阪本)
第10章 日本の家計は本当に貯蓄しなくなったのか(小原、ホリオカ)

どの章も興味深いですが、ここでは序論の最後のところの一節を引いておきましょう。この問題意識が本書全体にわたるものだと思うので。

・・・これらの課題を議論する上では、この30年において変化した面だけでなく、十分に変化してこなかった面についても注目する必要があろう。雇用機会や仕事と子育ての両立を支援するさまざまな政策は、いずれも企業の制度改革に働きかけてきたものであり、人々の考え方、行動に直接影響してきたものは少ない。本章で検討した世代に見る限り、依然としてわが国における人々の性別役割分業意識は強く、実際の行動を見ても、家庭内労働の多くを今も女性が担っている。企業においても未だにそうした意識は残っていることは否定できず、これは女性の就業・キャリア形成を難しくしている面がある。同時に、男性社員を前提に構築されてきた雇用慣行や人事管理制度、働き方に堪えうる女性であれば、活躍の場を用意するといった企業が依然として多く、こうした視点から制度改革や運用を変更した企業は多くないことは気にかかる。・・・

 

 

 

 

 

 

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コメント

今年ノーベル経済学を受賞したクラウディア・ゴールディン教授の「なぜ男女の賃金に格差があるのか」を読んでいます。

「日本女性のライフコース」は日本版「なぜ男女の賃金に格差があるのか」として読めば理解が進むのでしょうか。
出版も同じ慶應義塾大学出版会です。

「なぜ男女の賃金に格差があるのか」は物語風になって、読者も引き込まれていく面白さがあります。

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