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2023年10月21日 (土)

桃色争議

G7736 朝の連続テレビ小説「ブギウギ」は、いよいよ桃色争議が佳境に入っていくようですが、そういえば2年前に紹介した『日本人の働き方100年 定点観測者としての通信社』に、この桃色争議の写真があったのではないかと思い出しました。

テレビでは「梅丸少女歌劇団」となっていますが、もちろんこれは現実に存在した松竹少女歌劇団のことです。この少女たちが、1933年(昭和8年)に起こしたのが、有名な桃色争議です。

『日本人の働き方100年 定点観測者としての通信社』に載っているこの写真は、東京の水ノ江滝子を中心とする争議団で、大阪の三笠静子(テレビでは福来スズ子)らが参加したものではありませんが、でも当時の争議の雰囲気が良く伝わってきます。

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多くの人は勘違いをしていますが、戦時体制下に近いこの時代でも、今日に比べると遙かに多くの労働争議が起こっていたのです。

この1933年には、全国で1897件の争議が起こり、115、733人が参加していました。今日のスト絶滅に近い状態とは対照的です。

それだけではなく、この時代には、こうした芸能人が労働者としてストライキをするということに対して、誰も疑問を呈することがなかったということも、今日改めて考え直す必要がありそうです。

芸能人は労働者に非ず、自営業者なり、というおかしな理屈がまかり通って、労働者としての権利を行使することもできなくなっている今日のおかしな状況を考え直す上で、1933年という戦争直前の時期に少女歌劇団の少女たちが起こしたストライキが提起するものがかなり大きなものがあるはずです。

(参考)

芸人は民法上れっきとした雇傭契約である件について

第12章 雇傭及ヒ仕事請負ノ契約

第1節 雇傭契約  

第260条
 使用人、番頭、手代、職工其他ノ雇傭人ハ年、月又ハ日ヲ以テ定メタル給料又ハ賃銀ヲ受ケテ労務ニ服スルコトヲ得  

第265条
 上ノ規定ハ角力、 俳優、音曲師其他ノ芸人ト座元興行者トノ間ニ取結ヒタル雇傭契約ニ之ヲ適用ス

 

 

 

 

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コメント

ああ、日雇もありなんだ、納得。
あとは(別方面で話題の)歌舞伎などの子役の扱いですかね。
余談ながらハリウッドは子役は3か月から(たぶん首が座るまでは不可)なので、本物の赤ちゃん(乳児)はハリウッド映画に出てきていないはずです。

>多くの人は勘違いをしていますが、戦時体制下に近いこの時代でも、今日に比べると遙かに多くの労働争議が起こっていたのです。

>この1933年には、全国で1897件の争議が起こり、115、733人が参加していました。今日のスト絶滅に近い状態とは対照的です。


この頃はまだ大正デモクラシーの遺産がまだ濃厚に残っていたのでしょうね。
歴史家の故坂野潤治さんは1930年代の社会大衆党などの「無産政党」を高く評価されていましたが、それもやはりこのような活発な労働運動があったからなのでしょう。
逆に戦後高く評価されるようになった日本共産党とそれに連なる団体は1930年代には徹底的に弾圧され、転向も相次ぎましたね。

第二次世界大戦による断絶がそう言う歴史的経験をも引き継ぐことを拒んだのでしょう。

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