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2023年9月25日 (月)

人材会社対人材会社事件

裁判所HPに、人材紹介会社が人材紹介会社を訴えためずらしい事件の判決が載っています。令和4年12月22日の東京地裁判決で、原告は医師の紹介事業等を目的とする株式会社リンクスタッフ、被告はグローバルで人材紹介事業を行う企業の日本法人であるAllegis Group Japan 株式会社です。

https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/383/092383_hanrei.pdf

本件は、原告が、原告とその従業員の退職をめぐるトラブルに関連して、被告従業員が、被告の指示の下、原告に無断で原告事務所内に立ち入り、また、上記原告従業員を教唆して同人の退職に伴う業務の引継ぎを拒絶させ、原告の業務を妨害したと主張して、被告に対し、不法行為による損害賠償請求権(民法 709 条又は 715条)に基づき、原告に生じた損害の一部である 140 万円の賠償及びこれに対する不法行為の日である令和 3 年 5 月 21 日から支払済みまで民法所定の年 3%の割合によ25 る遅延損害金の支払を求める事案である。

原告人材会社の従業員が退職したいというのを原告会社が認めようとせず、退職したら500万円払わせるぞという書類にサインさせようとしたトラブルに、その従業員の退職を進めている人材会社の従業員が関わって原告会社にやってきて、退職する権利はあるぞと叫んでますますトラブったという事件です。普通だったら事業会社と合同労組の間でよくありそうなトラブルですが、その当事者がどちらも人材会社というあたりが、何だか今風で面白いですね。

結論は常識的で、「以上のとおり、Aらによる原告事務所立入り及びDの引継ぎ拒絶のいずれの点においても、被告の原告に対する違法な業務妨害行為は認められない。したがって、その余の争点について検討するまでもなく、原告は、被告に対し、不法行為(民法 709 条又は 715 条)に基づく損害賠償請求権を有しない」というものですが、これ、分類は「不正競争・民事訴訟」に分類されていて、労働事件だと思われていないようです。でも、これは当事者がやや特殊なだけで、典型的な労働事件なんですよね。でも、『労働判例』に載るかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

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