フォト
2024年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
無料ブログはココログ

« 栄剣『現代中国の精神史的考察』 | トップページ | 三浦淳さんの拙著書評 »

2023年9月14日 (木)

芸能人が自営業者だというのならこの方が当然?

例のジャニー喜多川事件の関連で、各社が続々とジャニーズという会社との契約の見直しに走っている中で、大変興味深い動きがあったようです。

桜井翔さんと個人契約検討 アフラック、事務所は解除

 アフラック生命保険は14日、ジャニーズ事務所との広告契約を解除する方針だと明らかにした。所属タレントに非はないとして、現在広告に起用している桜井翔さん個人との契約に変更することを検討する。

 アフラックは、ジャニー喜多川氏による性加害は重大な人権侵害であり、事務所がこれまで発表している対応は不十分だと指摘。その上で「所属タレントの活躍の場が奪われてしまうことは遺憾」として、タレント個人との契約を含めたさまざまな可能性を検討しているという。

多くの日本人がこれに違和感を感じてしまうのは、芸能人をあたかも芸能事務所に雇用されている労働者であるかのように感じているからでしょう。ところが、我が日本国の法制度上、(本当はかなり疑問があるにもかかわらず)芸能人は自営業者として扱われています。この労働者性の議論をここでやり出すと収拾がつかないのでそれはやめておきますが、法律上自営業者扱いされていながら、実態としては労働諸法によって保護される雇用労働者よりも契約自由の名の下に、自由を奪われた様々な拘束に縛られてしまっていることは、色々漏れ伝わってくるあれこれからも窺えるところです。

そこの問題を労働者性を追求するという方向で考えるのが普通の労働法の世界の発想なんでしょうが、逆にそもそも自営業者だって言うのなら、事務所抜きに個人契約してもいいではないか、という方向に問題を追求することもありうるわけで、このアフラックの動きは、今この期に及んでジャニーズ事務所も嫌だとは言えないでしょうから、もしかしたら大変面白い方向に動いていくことになるかも知れません。

あんまり芸能ネタに深入りするつもりはないのですが。

 

« 栄剣『現代中国の精神史的考察』 | トップページ | 三浦淳さんの拙著書評 »

コメント

そう言えば日本はアメリカのように俳優組合がストライキなどの労働争議を起こした、と言う話をあまり聞かないですね。
一応自営業者扱いだからですね。

アメリカだったらジャニーズ事務所のような芸能事務所には俳優組合が連帯で激しいデモンストレーションとかして経営者総入れ替え、あるいは別の事務所に救済されるところまで追い込むでしょうか。

これはあちこちで書いていることですが、1890年(明治23年)に制定された旧民法の第265条には、

上ノ規定ハ角力、俳優、音曲師其他ノ芸人ト座元興行者トノ間ニ取結ヒタル雇傭契約ニ之ヲ適用ス

という規定がちゃんと存在していたんですね。要するに、スポーツ選手や芸能人はれっきとした雇用契約だったのです。

逆に、その次の第266条には、

医師、弁護士及ヒ学芸教師ハ雇傭人ト為ラス

とされていました。

日本のプロ野球では選手会とコミッショナー会が団体交渉をしていますが、契約更改は個々の選手ごとに行っていますね。米メジャーリーグも似たような交渉をしていてシーズンのスタートがずれこんだりしていますが、トレーナーとかは選手が個別に契約したり(高額な契約金はそういったサポートを自前で用意するためでもあるのでしょう)、違いも見えます。
雇用契約が芸人・スポーツ選手と「誰」との間のものなのか。今の扱いは、芸能事務所はこの「誰」と芸能人の間をつなぐマネジメント契約をしているのであり、芸能事務所が雇用しているわけではない、としているのでしょう。ただ、某外資系保険会社が某芸能事務所との契約を解除し、某芸能人と直接契約する、と発表したように、マネジメント契約が民法上どのような扱いになるのか(年少者の公演出演に問題はないのか)、興味は尽きないところですね。

 この櫻井翔さんですが、この方は元総務省事務次官殿の息子さんですよね。
 だからアフラックも特別扱いしたのではないでしょうか。

 むしろ桜井さん以外のジャニタレがどう思っているのか気になりますね。
 自分たちは実は自営業者であることを自覚しているのかどうか。
 ジャニーズを辞めた中居正広さん、草彅剛さんとかその辺りどうなんでしょうね。

角界で思い出しましたが、労働基準法の第7章に技能者の養成があるのは、徒弟制度をなくすためでしたっけ。例えば大工、親方に弟子入りして丁稚奉公する代わりに技能を教えてもらうという。ものづくりでいえば刀鍛冶もそんな感じ。角界の部屋制度、演芸関係など、そういうのはやめて近代化しよう(師匠弟子関係ではなくて雇用関係にしよう)という意識は民法の規定からも見てとれるわけですね。
医師・弁護士・教師は弟子をとらなかったのでしょう。そりゃ、一から教え込むの大変ですよ。こちらは学校で教え、資格は試験で判断、になったんですね。

「タレントに罪はない」は、山一証券の「社員は悪くありませんから」を思い起こさせます
「メンバーシップ型でない」のであれば従業員を社員とは言わないでしょうし
メンバーシップ型の従業員に経営責任は全くないと簡単に言えるのか

取引先を安易にメンバー化してしまう、と言うより「取引をできるだけ、回避する(例えば
社員は取引先ではない)」というのが、広義のメンバーシップ型かもしれませんね

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 栄剣『現代中国の精神史的考察』 | トップページ | 三浦淳さんの拙著書評 »