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2023年9月 7日 (木)

ジョブ型社会の中小企業、メンバーシップ型社会の中小企業

百万回以上言ってるんだが、ジョブ型もメンバーシップ型も、近代社会の発明物であり、ほっといたらそうならない使用者と労働者の関係をあるべき規範に従ってモデル化した労働社会の理念型に過ぎない。なので、どんな社会でも公共部門や大企業分野ではその社会の理念型に近いジョブ型やメンバーシップ型が存在している(とはいえ、そういうところでも現実は様々)けれども、中小零細企業になればなるほど、ワンマン社長の好き放題で運営され、あるべき労働社会の規範にはほど遠いという実態が増えていく。そういう点においては、ジョブ型もメンバーシップ型もあまり変わりはない。

何が違うかというと、労働組合や労働者のために頑張ってる人々が、そういうあるべき姿からかけ離れた姿をあるべき姿に近づけようと考えるときの、そのあるべき姿がどういうモデルなのかという点であって、ジョブ型社会では、ジョブもスキルもへったくれもなく勝手放題しているワンマン社長をちゃんとジョブ型社会の文法に従って行動させようとするのだし、日本では、その文法がメンバーシップ型になる。

実際、中小零細企業の労働運動なんかでは、いまでも、まともな賃金制度もないまま社長の好き勝手に「お前は可愛いからいくらだ」なんてやっているのを、ちゃんとした定期昇給制度を確立させて安心して働けるようにすることが最大の課題であったりする。

大体、日本でも中小零細企業ではスパスパとクビ切ってることは繰り返し述べているとおりであって、「明日はまともなメンバーシップ型になろう」というあすなろ中小企業が大部分であることは、多くの人が重々承知していること。

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コメント

> 若者や女性が弁当配布の列に並ぶ時代に
> 弁当の無料配布に並ぶ人たちだ。中高年男性が多いが、若者や女性の姿も目立つ。
https://dot.asahi.com/articles/-/206939

規範としての男女差別、年齢差別は、まだ強固であるが、実態は(メンバーシップ型
雇用が適用される人々とその扶養家族の縮小により)良くも悪くも差別が緩和されて
きているのかもしれませんね

> あるべき姿に近づけようと考えるときの、そのあるべき姿がどういうモデルなのか

「差別」

  ごく普通に考えて、どんどん縮小していく、メンバーシップ型の枠組の中で保護されている労働者と、それ以外の、「労働社会の規範」外に置かれている労働者(ただし、実際の人数では、こちらの方が多数派)との間の格差・差別が絶望的に拡大し、後者は、老若男女を問わず、ほとんど人生に何の希望も持てなくなっている、というのが今日の日本の現実だということだと、私は理解していますがー。

メンバーシップ型か、そうでないかは差別ですが、その問題を解消するには
全員、メンバーシップ型、あるいは、逆に、全員、非メンバーシップ型、と
いうのでなければ、「それが重要な差にならない」ようにすることのように
思いますけれども、どうなんでしょうね

> ある年齢になると一律で賃金が下がることへの不満が強く、年齢による差別ではないかという意見もありました。ただ、日本企業の賃金体系には年功的な側面が一定程度あり、これとの整合性を考えると、年齢差別と断言するのは簡単ではありません。
> 「同じ仕事なのに給与が下がるのはおかしい」という内容が圧倒的に多い。さすがに雇用慣行として無理があるのではないか。そんな疑問を労働政策研究者の濱口桂一郎さんにぶつけると、「仕事が同じかどうかは関係ないんです」という答えが返ってきた。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15802133.html

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