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2023年9月27日 (水)

前浦穂高『コロナ禍の教訓をいかに生かすか』

0823104211_64e563f3232ff 前浦穂高著、全日本自治団体労働組合・衛生医療評議会監修『コロナ禍の教訓をいかに生かすか―医療従事者の働き方の変化から考える』(ぎょうせい)を、著者の前浦さんよりいただきました。

コロナ禍の教訓をいかに生かすか ―医療従事者の働き方の変化から考える

・コロナ感染者に対応した経験のある医師(5人)、看護師(8人)、救命救急士(5人)、保健師(6人)にインタビュー調査を実施し、コロナ以前からの働き方の変化、コロナ禍での苦労話などを聞き出しまとめた一冊。・インタビュー調査の結果を基に、今後の感染症対策、医療従事者を含めた地方公務員の人材確保など、次のパンデミックへの出口戦略を解説しています。

前浦さんはJILPTの研究員ですが、この調査研究はJILPTのものではなく、自治労衛生医療評議会の協力の下で独自に行ったものです。スタイルはいつもの前浦さんと同様の丁寧なヒアリングですが、最後の第7章では公務員制度の在り方について自らの考えをかなり明確に提示しています。

まえがき

第1章 はじめに
1.本書の概要
2.コロナ禍の時期区分
3.調査概要

第2章 コロナ禍における働き方の変化
1.コロナ前の医療従事者はどのような働き方をしていたのか
2.コロナ禍で職場の人員はどのような状況になったのか 
3.コロナ禍の変化にどのように対応したのか
4.小括

第3章 コロナ禍の医療従事者の苦労・職場での無理解・風評被害
1.コロナ禍の苦労にはどんなものがあるのか
2.職場での無理解にはどんなものがあるのか
3.風評被害にはどんなものがあるのか
4.小括

第4章 医療従事者の意識の変化
1.満足度はどのような変化を見せたのか
2.なぜ満足度は低下したのか
3.エピソード:満足度低下の背景
4.小括

第5章 感染リスクと離職の間(はざま)で
   ―医療従事者を支えるもの
1.医療従事者の離職の状況
2.医療従事者は何に支えられているのか
3.エピソード:医療従事者を支えるもの
4.小括

第6章 コロナ禍の課題と要望・提言
1.行政内に見られた諸問題とは何か
2.行政によるサポートのあり方の問題とは何か
3.受け入れ態勢の問題とは何か
4.コロナ禍の業務負担とは何か
5.資器材の確保に関わる問題とは何か
6.次の感染症の感染拡大に向けて何が必要か
7.小括

第7章 次の感染症の感染拡大に向けて
1.コロナ化で医療従事者の就業実態はどうなったのか
2.なぜ医療従事者は離職を選択しなかったのか
3.地方公務員の役割の大きさと業務量の変化
4.減り続ける地方公務員
5.地方公務員の人数はどのように決められるのか
6.医療従事者を含めた地方公務員確保の必要性

あとがき
刊行に寄せて

本書の読みどころの一つは、医療従事者の肉声が多く収録されているところでしょう。

ある救急救命士はこんな感慨を語っています。

【O氏】一番ピークは、真夏の暑いときに、感染防護衣を着て電話を何十件も受けていた時は、「コロナにかかった方が楽ではないか」というのはありましたね。コロナにかかって2週間か3週間休める方がいいんじゃないかということは、自分の中でちょっとありましたね。

 

 

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