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2023年8月 8日 (火)

引きこもりと自宅警備員と専業子ども

2023080400000001binsider0001view ビジネスインサイダーというネットメディアに、「競争社会を拒否、家の手伝いをして収入を得る… 中国で増加する「専業子ども」とは」という興味深い記事が載っています。

https://www.businessinsider.jp/post-273376

中国の若者の間では、伝統的なキャリアではなく「専業子ども」を選ぶ人たちがいる。
専業子どもはおつかいや掃除、食事の準備をして親からお金をもらっていることが多い。
失業率の高さや中国の「996」と呼ばれる働き方(午前9時から午後9時まで週6日出勤)がキャリアアップを魅力的なものでなくしている。

この記事自体、現代中国社会の一断面として大変面白いのですが、日本人としてこれを読んでつい思うのは、日本では悲劇的に引きこもりとか、喜劇的に自宅警備員と呼ばれてしまうような生活スタイルが、中国人にかかると「ただ、実家で生活をし、親からお小遣いをもらっているということではなく、専業子どもは何らかの決められた仕事をすることでお金を受け取っているのだ 」という対価的取引関係の正当性を纏って現れるのだなあ、という感想です。

実は、この「専業子ども」という訳語はおそらく「専業主婦」との類推で選ばれたのだと思いますが、原文では「full-time children」なんですね。

https://www.businessinsider.com/what-are-full-time-children-china-2023-7

Some young adults in China are opting to work as "full-time children" in place of traditional careers.
Full-time children are often paid by their parents to run errands, clean, and prepare food.
High unemployment rates and China's 996 work culture have made career-climbing less attractive. 

 

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コメント

これは日本でも家事手伝いとして特に女性の場合は許容されてきた生き方なのではないでしょうか。基本的にニートや引きこもりは家の手伝いなど何もしないでタダ飯を食らっているだけなのではないかと。ネット上のスラングでは「う〇こ製造機」などというひどい呼ばれ方をしていたりします。引きこもりだろうが自宅警備員だろうが、家事を手伝い家族の介護なども担うなら家事手伝いという立派な職業としてもっと社会的に評価されてもよいのかもしれません。

 書名は忘れましたが、野村實さんの岩波新書での著作にかつて日本の失業率が低かったのは農村社会が失業した家族を受け入れていたから、と言う記述がありました。
 日本でもかつて農村社会が優位だった頃は、都会で職を得られなかった子どもたちが親元で家の手伝いをしてしばらく暮らす、と言う事が当たり前にあったのではないでしょうか。
 しかし、都市化が進み、農村社会の家族の失業した子どもたちの受け入れ先としての機能が縮小し、社会的にも存在が見えにくくなってしまった。
 その結果として都市での失業した、あるいは職に就けない子どもたちがそれまでと違った扱いをされるようになり、「引きこもり」「ニート」などと蔑視されるようになってしまった、と考えても良い気がします。

 この中国の専業子どもと言うのはもしかしたら日本と同様に存在したであろう農村社会での慣習を上手く引き継ぐことが出来た慣習なのかもしれません。
 そうであれば日本よりもマシな気はします。
 

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