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2023年8月21日 (月)

『家政婦の歴史』にレビューいくつか

51sgqlf3yol_sx310_bo1204203200__20230821095101 『家政婦の歴史』にアマゾンのカスタマーレビューがつきました。海坊主さんです。

家政婦の波乱万丈の歴史を紐解く

本書は、家政婦過労死裁判を端緒に、労働基準法上の家事使用人概念をめぐる、「女中」と「家政婦」の変遷を簡潔・明瞭・平易に解説している。1918年に生まれた、家事業務を時間単位で切り売りする「家政婦」については、労基法制定当初は、施行規則で「派出婦会」と明記され、法の適用が明らかであったものの、その後の職安法改正に伴い、労務供給事業が原則禁止となり、「派出婦会」は有料職業紹介事業に位置付けられる。その結果、雇い主が「派出婦会」から、「一般家庭」になったため、労基法が適用されず今日に至る。解決策として、労基法116条の「家事使用人」の解釈変更を求め、「派出婦会」の実態を踏まえ、家政婦紹介所を使用者とみなして、労基法を適用すること、あるいは、偽装請負の判例法理を類推適用して、派遣法を適用させる論理構成を提示。さらに、ゴルディアスの結ぶ目を解く手法として、家政婦紹介所を、本来の姿に近づけ、派遣事業者と位置づけることで、20万人以上にのぼるともみられる家政婦(夫)に労基法を適用することが可能との見解を明示。これは、法令改正が不要で、住み込みの女中には労基法が適用されないという除外規定は残るものの、現状の法制度を限りなく実態に近づけたもので、「ようやく本来の姿に見合った衣装を纏うことができるようになった。そうしない理由はない」(246頁)と締め括る。浅学非才の私には、ゴルディアスの結び目は解けなかったが、著者が提唱する、家事・介護派遣という「たった一つの冴えたやり方」以外の解法がないか、自分なりに検討を深めたい。
そういう切っ掛けを与えてくれた一冊だった。

また、読書メーターにもレビューがつきました。Francisさんです。

https://bookmeter.com/reviews/115622307

2022年の家政婦過労死事件裁判の判決を受けて書かれた労働法政策がご専門の著者の新著。「家政婦」はかつては「派出婦」と呼ばれ、本来であれば労働基準法を適用されるべき労働者として扱われるべきだった。ところが占領期GHQのある担当者が実態をよく見ないままその「派出婦」を派遣する派出婦会を労働者供給事業として禁止してしまったためにおかしなことになり、いつのまにか「家政婦」は労働者の扱いをされなくなってしまった・・、と言う。近代日本社会はもしかしたら今も女性労働者を男性と対等な労働者として認めたくないのですかね?

 

 

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コメント

hamachan先生
読書メーターでの私の拙い感想の転載ありがとうございます。

すみません、Francisは私のもう一つのハンドルネームで私の洗礼名から引用しました。
諸事情により読書メーターと私のブログではFrancisの名前を用いております。
読書メーターでのhamachan先生のご著書の感想を転載していただけるのはこれで3回目だったと思います。
いつもありがとうございます。

「家政婦の歴史」を読んでいくうちに様々な思いが去来いたしました。
新しい女性の働き方のモデルであったはずの「派出婦」が労働者と見なされない家事使用人としての「家政婦」に変わっていく辺り、導入当初は「女性の新しい働き方」としてもてはやされていた派遣労働が時代を経るごとに使用者の本音丸出しの「雇用の調整弁」化していった歴史を見る思いがしました。

そして「家政婦」がいつまでも「家事使用人」の地位に押し込められているのはもしかしたら明治時代い確立された近代家父長制にいまだにしがみついている人たちが選択制男女別姓を認めようとしないのと同じことなのかな、と思って読書メーターに書いた次第です。

あぁ、Francisさんはbalthazarさんでしたか。
いつも的確なコメントをいただきありがとございます。
今回の本は、さすがにテーマが特殊すぎたのか、あまり手に取ろうという食欲をそそらないようで、ネット上の反応もそれほど活溌にいただけていないのですが、それでも読んでいただいた方にはそれなりに御評価をいただけているようです。
今週中にも活字メディアで紹介記事が載る予定ですので、そのときにはまた本ブログ上で告知致します。

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