『働く女子の運命』の廃棄検討・・・
noteに「本の廃棄を検討する」というシリーズを書き綴られている方がいまして、その記事の中に、なんと拙著『働く女子の運命』も捨てようかどうしようかという検討対象になっていました。
濱口桂一郎『働く女子の運命』(文春新書 2015)
これも、中川美紀『〈女性職〉の時代 ソフトインテリジェンスの力』なんかと一緒に資料として買い求めた書籍である。何の資料なんだよといわれそうだけれども、それはちょっと秘密。仕事で、誰かを説得するときには、読んでないふりをしつつ、内容自体をトレースして説得力をもたらさなければならないことが結構あるということ。
これも結構いい本なんですよね。タイトルが象徴的なので、それだけで敬遠されそうな感じなんですが、読むと、均等法に財界が反対した時のロジックとか、改正均等法の際に総合職と一般職の区別を示す制服が撤廃されそうになったときのエピソードとか、その時分に慶大経を卒業して総合職として入社し、当時の企画部経済調査室副長を務めていた女性の話とか、ユニークなエピソードと歴史を絡めてわかりやすく説明してくれるいい本です。
その企画部経済調査室副長の方は、のちに「東電OL事件」の被害者となる方で、濱口さんは「いくら何でも彼女は「OL」ではなかったはずです」と苦言を呈している。ホントあのタイトルは事実誤認をもたらしましたね。
ということで捨てられない。
ということで、捨てられなかったようです。ホッ。
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